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韓国、なぜ反日から日本人ウェルカムに大転換?「ノー・ジャパン」を諦めた経済的な理由=勝又壽良

韓国は2019年夏に「ノー・ジャパン」の狼煙を上げて反日不買運動を大々的に行なった。その韓国が、今や様変りである。各自治体が続々と日本に向かっている。韓国の観光名所を広報し、投資誘致に乗り出しているからだ。その背景には、韓国経済を支える「輸出」の異変がある。(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

【関連】韓国、世界一の「借金癖」で3回目の通貨危機へ。救済されてもまた繰り返す=勝又壽良

※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2023年2月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

「ノー・ジャパン」から大転換?

韓国が、2019年夏に「ノー・ジャパン」の狼煙を上げて反日不買運動を大々的に行なった。

ソウルのメインストリートには一時、「ノー・ジャパン」「ノー・安倍」という幟が立てられる騒ぎまでに発展。文在寅大統領(当時)は、「二度と日本に負けない」と感情むき出しの発言をするほどエスカレートした。

その韓国が、今や様変りである。各自治体が続々と日本に向かっている。韓国の観光名所を広報し、投資誘致に乗り出しているからだ。

昨年10月、東京で開かれたクルーズ・ポートセールスでは、世界18カ国の船会社やクルーズ旅行会社などが参加した行事では、韓国からも多くの自治体が参加した。釜山市、仁川市、済州島(チェジュド)、忠南(チュンナム)、瑞山市(ソサンシ)などだ。韓国の自治体は、観光名所や祭りなどを紹介した。

反日からウェルカムへ……その背景は?

韓国の自治体が、ここまで「反日の旗」を降ろした裏には、韓国経済の落ち込みがある。もはや「ノー・ジャパン」とは言っていられないほど、内需の低迷が明らかである。IMF(国際通貨基金)による23年韓国経済見通しが、3回も連続下方修正されるなど悪化している点に窺えるのだ。

IMFは1月31日、今年の世界主要国の経済成長率の予測値を上方修正した。だが、韓国経済の成長率は、昨年7月、昨年10月、今年1月と予測値を発表するたびに引き下げている。つまり、2.1%→2.0%→1.7%である。

これに対して、主要国では次の通り上方修正されている。米国(1%→1.4%)、中国(4.4%→5.2%)、ドイツ(マイナス0.7%→0.1%)、日本(1.6→1.8%)など、相次いで上方修正された。

これらに比べても、韓国の連続引き下げは「重症」と見るべきであろう。このIMFの予測の中で、最もショックなのは韓国が、日本の予測値を下回ったことである。

IMFの予測が現実となれば、日本と韓国の成長率が通貨危機(1998年)以来25年ぶりに逆転する。過去65年間で韓国の成長率が日本より低かったのは、1980年のオイルショックと1998年の通貨危機だけだった。日本が長い間、低成長経済を経験しているが、韓国はそれよりも低い成長率を記録するとなれば、並大抵の危機ではないという認識をしているのである。

潜在的な経済成長率を示唆する「生産年齢人口比率」(2021年)は、日本(58.44%)、韓国(71.46%)である。韓国は、日本を13ポイントも上回っている。それにも関わらず、23年のGDP成長率が逆転すれば、韓国経済に「異常事態」が起こっていると疑って見ることが正しいはずだ。

Next: 韓国経済を支える「輸出」に異変?中国に代わる市場を探す必要がある

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