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レカム Research Memo(7):定量目標の2つをクリア。株価対策に向けた取り組みに注目

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■今後の成長戦略

● 中期経営計画(2022年9月期~2024年9月期)
レカム<3323>は現在、中期経営計画(2022年9月期~2024年9月期)に取り組んでいる。基本戦略として「グローバル専門商社構想の加速化」を掲げており、時代に合った最先端の商材やサービスを、同社の強みのダイレクトマーケティング力で、全世界の顧客にソリューション提案し、グローバル事業の成長を加速させる。2024年9月期の定量目標は以下の3つとなっている。なお、2022年9月期において中期経営計画の達成目標である売上高CAGR(年平均成長率)30%は確保したほか、海外ソリューション事業の営業利益シェア50%以上もクリアした。株式時価総額目標を達成するうえで、今後は株価対策への取り組みなども注目されてくることになろう。

1) 連結売上高CAGR(年平均成長率)30%以上
2) 今後の主力事業と見込んでいる、海外ソリューション事業の営業利益シェア50%以上
3) 株式時価総額300億円超(2022年12月末時点88億円)

合わせて、下記の2つの定性目標の達成も目指している。
1) 最終年度(2024年9月期)に東証プライム市場への移行基準達成
2) 新三板上場企業である大連レカムにおいては、最終年度に北京証券取引所昇格基準達成

グローバル専門商社構想については、今後の事業展開を4つのステージに分けており、「Stage1(顧客開拓)」=現地日系企業へのLED照明販売、「Stage2(積上販売)」=既存顧客企業へのワンストップソリューションの提供、「Stage3(水平展開)」=ローカル企業向けにワンストップソリューションを提供、「Stage4(新規事業)」=各国のニーズに対応した新たな事業の開発・展開としている。これらのステージを駆け上がっていくことで事業を急拡大させる戦略である。グローバル専門商社構想のキーワードとして、1)海外ソリューション事業の拡大、2)DX、脱炭素、感染症対策商材の推進、3)ストック収益の拡大の3つが挙げられる。なお、最終年度の2024年9月期に売上収益150億円、営業利益15億円を計画している。

また、グローバル専門商社構想を実現させるため、6つの成長戦略を挙げている。
(1) 戦略的パートナーシップの拡大
(2) カーボンニュートラルソリューション戦略
(3) DX推進ソリューション戦略
(4) サイバーセキュリティソリューション戦略
(5) 生産性の向上(自社営業部門)
(6) 社内DX推進

「戦略的パートナーシップの拡大」においては、ローカル企業のM&Aと販売パートナー企業とのアライアンスを推進する。M&Aとして2021年10月にマレーシアのSLW、2021年6月にシンガポールのGIの子会社化によって海外ローカルマーケットを攻略し、早期進出を実現させている。また、販売パートナー企業とのアライアンスにおいても、2022年10月にはALSOKインディアと協業に関する合意書を締結しており、有力ローカル企業との協業により販路を拡大させている。

「カーボンニュートラルソリューション戦略」においては、蛍光灯に比べ省電力化が可能なLED照明のほか、省エネ性能が高く、CO2削減効果が大きいなど環境負荷に配慮した業務用エアコンといった省エネ機器を通じ、製造業の工場に対しトータルソリューションの提供を行っている。

「DX推進ソリューション戦略」については、日本で独自に培ったBPR事業(最新技術による業務プロセスの自動化+アウトソーシング)で国内+中国企業のDXを推進する。中国のアウトソーシング市場の規模は21.0兆円と日本(4.4兆円)の約5倍、中国の企業数(2100万社)も日本(386万社)の約5倍と大きな市場であり、新三板上場企業としての信用力を活用し、アライアンスや戦略パートナーシップでの連携により中国ローカル企業へアプローチする。

「サイバーセキュリティソリューション戦略」については、2015年に中国国内No.1セキュリティメーカーであるヴィーナステックとの合弁会社、ヴィーナステックジャパンを設立しており、企業の情報資産を守る最新UTMを主軸としたサイバーセキュリティを日本国内で提供。巧妙化するサイバー攻撃に、その他のセキュリティ商品と組み合わせたトータルソリューションを提供する。

「生産性の向上(自社営業部門)」については、営業効率化による生産性向上の推進であり、セールスフォースの導入による顧客情報や商品情報管理、商談から受注までのプロセスの可視化によって、購入タイミングがわかる顧客ステータスで最適なソリューションを提供できるほか、商談件数の底上げ、効率な時間管理の実現などの効果を見込む。また、レカムグループの連携強化として、既存顧客へのソリューション提供、クロスセルを推進し、1顧客当たりの売上増加や他事業部の顧客への販売といった効果を生むことで、営業社員1人当たりの売上11%アップを目標としている。

「社内DX推進」については、DXを推進することによって、グループ全体の管理部門のコスト削減を実現させる。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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