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米株安を受けて売り先行スタートも27500円割れでは押し目を拾う動き【クロージング】

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9日の日経平均は小幅に3日続落。22.11円安の27584.35円(出来高概算10億4000万株)で取引を終えた。米連邦準備制度理事会(FRB)高官らのタカ派発言を背景に年後半の利下げへの期待が後退し、米国市場は下落したことから売り優勢となり、日経平均は取引開始後に、27424.69円まで下落した。ただし、27500円割れでは押し目を拾う動きが見られたほか、時間外での米株先物がしっかりで推移していることも買い戻しの動きに向かわせており、こう着ながらも底堅い相場展開だった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が980に達し、全体の過半数を占めた。セクター別では、繊維製品、ガラス土石、非鉄金属、その他製品など21業種が上昇。一方、電気ガス、ゴム製品、陸運、食料品など12業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、NTTデータ<9613>、コナミG<9766>、第一三共<4568>、信越化<4063>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ファナック<6954>、KDDI<9433>、富士フイルム<4901>が軟化した。

ウォラーFRB理事など複数の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが利上げ継続の必要性を主張する発言をしたことから、利上げ長期化への警戒感が台頭。前日の米国市場では、金利動向に敏感とされるグロース株が売られた。これを映して、東京市場も半導体や電子部品など値がさ株を中心に値を消す銘柄が増加した。また、「先進7カ国(G7)が中国に対してロシアに軍事目的で部品やテクノロジーを供給しているため、制裁を検討している」と海外メディアが報じたこともあり、国内半導体関連企業にも規制強化の流れが波及することへの懸念が広がった。

一方で、円相場が一時1ドル=131円台後半まで円高修正されたため、輸出関連株の一角がしっかりで推移したほか、22年4-12月期の営業利益が市場予想を上回ったトヨタ<7203>がプラスに転じたことも投資マインドに好影響を与え、相場全体を下支えした。

先週の米雇用統計を受け、米国のインフレ再加速への警戒感がくすぶっているため、関係者の多くは来週の米消費者物価指数(CPI)の動向を確認したいと考える向きが多い。米国の利上げの早期停止観測が後退し、米国市場の下落基調が鮮明になれば、年金基金など国内機関投資家からの売りが膨らむ可能性があり、27500円を維持できるかが目先的なポイントになりそうだ。

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