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富士ソフト Research Memo(3):「技術力と提案力」をコアコンピタンスに据え、価値創造に取り組む企業グループ

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■会社概要

富士ソフト<9749>は、自社が顧客から選ばれる理由を「日々進化し続ける高い技術力と提案力にある」としている。自動車や半導体製造装置など極めて高い精度が要求される組込系/制御系ソフトウェアの開発を通じて得た先進技術ノウハウと幅広い業種向けへのソリューション提供で培われたシステム構築力、独立系ならではの柔軟なプロダクト提供力、顧客に寄り添った拠点網(国内42拠点+グローバルネットワーク)の構築に裏打ちされた「技術力と提案力」を自社のコアコンピタンスとすることへの納得度は高い。また同社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の創出とともに、様々な企業活動を通して社会の発展につなげることが重要な使命と考えており、中期方針として「ICTの発展をお客様価値向上へ結びつけるイノベーション企業グループ」を目指している。

同社が発信しているメッセージから読み取れるのは、「ICT利活用の有効性・将来性への確信、その推進への使命感」と「顧客本位かつCSV型(Creating Shared Value:事業を通じた社会貢献により企業価値を増大させる企業)の経営方針」だろう。もちろん、企業活動は企業自身が意識しなくても、多かれ少なかれCSV的側面を持つものであるが、同社の場合、創業者の強い思いが「挑戦と創造」という社是の下で、企業文化にまで落とし込まれてきたことに注目したい。

こうした企業文化を礎に2022年2月に公表された新たな中期経営計画においても、同社のCSV型企業としてのユニークな取り組みとして、1990年から継続的に開催し国内最大規模のロボット競技大会に育った「全日本ロボット相撲大会」がある。ロボットづくりを通して、「ものづくりの楽しさを知る場」「技術を研く場」を提供することを目的にスタートしたわけだが、1993年より高校生の部を設けたことで、(公社)全国工業高等学校長協会が運営に参加、文部科学省や経済産業省が後援に名を連ねるなど、ものづくりを通じた人材育成支援の好例として認知されている。なお、コロナ禍にあって2020年と2021年の「全日本ロボット相撲大会」は開催見送りとなったものの、同社は小学生向けプログラミング体験や学生からのインタビューのリモート対応で受入れるといった教育支援を行い、「ものづくりを学ぶ場の提供に尽力すること」を社会貢献活動の柱に据える姿勢を継続しており、2022年には「全日本ロボット相撲大会2022」を3年ぶりに開催した。同大会を通じて、研究意欲の向上や創造性の発揮の場を提供し、「ものづくり」の楽しさを広め、ロボットテクノロジーの向上を促進する活動を推進している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)
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