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NYの視点:金融への不安は完全には消えず、景気後退懸念も強まる

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投資家の間では地銀ファースト・シチズンが破綻したシリコンバレー銀(SVB)資産買収で連邦預金保険公社(FDIC)と合意したとの報道を受け、金融システムへの不安は緩和した。しかし、不安は完全に解消したわけではない。米金融のゴールドマン・サックスのチーフエコノミストは米国経済の景気後退予想確率を従来の25%から35%へ引上げた。

長短金利差の逆転も依然、景気後退入りを示唆。2年債と10年債の逆イールドは3月8日以降、改善基調にあるが、3カ月物と、10年債の逆イールドは少なくとも1973年来で最大の水準で推移している。連邦準備制度理事会(FRB)は年内の利下げを予想していないが、短期金融市場ではすでに5月の利下げも織り込んだ。

3月連邦公開市場委員会(FOMC)までFRBの利上げはあと1回で停止すると見ていた債券ファンド、ダブルライン・キャピタルのガンドラック最高経営責任者(CEO)はインタビューでFRBの利上げが終了したかどうかは5分5分と現在は見ているとの考えを示した。2年債利回りが再び上昇しない限り、FRBは利上げを見送るだろうと指摘。5月2日、3日に開催されるFOMCまでに発表される指標次第と言及した。信用市場では債務不履行(デフォルト)リスクが上昇することになり、今後、2,3カ月のうちに景気後退入りすると警告した。FRBは景気後退にかなり劇的に対処する必要が出てくることになるだろうと悲観的な見通しを示した。

不透明感は依然高く、金融資産市場では引き続きリスク軽減する取引が当面優勢になると考えられる。

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