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NYの視点:米FRB高官、将来の追加利上げの確実性低下で合意、6月休止のシナリオも停止は程遠い

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英国のインフレ率は予想を大幅に上回り英国中銀の追加利上げ観測が強まり、100ベーシスポイントの利上げ予想も浮上した。また、欧州中央銀行(ECB)もラガルド総裁が利上げ停止する意向はないと表明。主要各国のサービスインフレが依然強く、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止の思惑も後退しつつある。

FRBは5月連邦公開市場委員会(FOMC)で全会一致で5月の25ベーシスポイントの利上げを決定。公表したFOMC議事要旨(5月2-3日会合分)の中で、インフレが容認できないほど高かったとした。

ただ、将来の追加利上げを巡り、今まで実施した金融政策が経済に反映するには時間を要することを理由に、高官の見解が分かれたことも明らかになった。このため、多くの高官は選択肢を保つ必要性を主張。データ次第の政策を強調する一方で、利下げの可能性は少ないことが示された。

タカ派で本年のFOMC投票権を持つウォラー理事やミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は金融状況の展開や今までの急速な利上げの影響を確認するために6月にいったん利上げを休止し、7月に利上げを再開することも可能だと言及した。パウエル議長も先週のイベントでFRBが金融市場や経済指標の見直しをする余裕があると発言している。今後発表されるインフレや経済指標の結果次第だが、6月FOMCでは、いったん利上げを休止し、7月から利上げを再開するというのが今のところ可能性の強いシナリオだと考えられる。ただ、インフレの進展は予想以上に遅く、労働市場も依然ひっ迫、また、住宅市場も強く消費者物価指数(CPI)に影響する賃貸の一段の低下予想を正当化できない可能性が出てきたため利上げを停止すべきでないとの見解で、FRBの金融政策者は合意していると見られる。ドルの上昇は継続すると見られる。

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