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NYの視点:米短期金融市場は7月までの25BP追加利上げ織り込む、利下げから大幅転換

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米商務省が発表した1-3月期国内総生産(GDP)改定値は前期比年率+1.3%と速報値+1.1%から予想外に上方修正された。同期個人消費改定値は前期比年率+3.8%と、やはり予想外に速報値+3.7%から上方修正され21年4-6月期以降で最大の伸びとなり、米国経済の7割を占める消費が依然強い証拠となり、警戒されていた景気後退も回避できる可能性も出てきた。しかし、高インフレで、食品や燃料など必需品の購入が目立つことが懸念材料となる。

同期GDP価格指数改定値は前期比+4.2%と、速報値+4.0%から予想外に上方修正され昨年7-9月期以降で最大の伸びとなった。同期GDPコアPCE改定値も前期比+5.0%と、予想外に速報値+4.9%から上方修正され1年ぶり最大。インフレの根強さも証明された。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策決定において重要視している期待インフレ率も指標のひとつミシガン大消費者物価指数の最新5月の5-10年期待インフレ率も2011年以降で最大の伸びになった。

米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(5/20)は前週比4000件増の22.9万件と予想を下回り1カ月ぶり低水準となった。前回も22.5万件へ24.2万件から下方修正された。下方修正はマサチューセッツ州が不正の調整をしたことが影響したが、失業保険継続受給者数(5/13)は179.4万人と前回179.9万人から増加予想に反し、減少。3月初旬来で最低。2週連続で180万人割れにとどまるなど労働市場も依然強い。

インフレの鈍化ペースは想定以上に遅く、労働市場も依然ひっ迫しており、FRB高官は金利が一段と高くなる必要性を指摘している。短期金融市場は3月初旬の地銀の破綻直後、7月の利下げを織り込んでいたが7月までに25ベーシスポイントの追加利上げを織り込んだ。ただ、依然インフレ、金融状況には不透明性が強い。6月連邦公開市場委員会(FOMC)までに発表されるFRBがインフレ指標として重要視しているPCEコアデフレーター、5月消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)や5月雇用統計などの動向に注目が集まる。

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