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ODK Research Memo(1):機密性の高い大量のデータ処理に強みを持つ独立系のIT企業

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■要約

1. 会社概要
ODKソリューションズ<3839>は、機密性の高い大量のデータ処理に強みを持つ独立系のIT企業である。システム運用を主体とする長期的・安定的なビジネスモデルを特徴としている。日本初の大学横断型受験ポータルサイト「UCARO(R)(ウカロ)」を中核として、大学入試関連の教育業務(教育関連サービス)、証券会社等のバックオフィス業務をサポートする証券・ほふり業務(金融関連サービス)を主力に展開し、一般業務(医療関連サービス、カスタマーサポート関連サービス、人材育成サポート関連サービス)も育成・強化している。

2. 業績動向
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.2%増の5,566百万円、営業利益が同3.7%減の420百万円、経常利益が同11.7%減の449百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.8%増の236百万円となった。売上面はM&Aが寄与したが、教育関連サービスや金融関連サービスにおいて新規受託が計画を下回ったことを主因に売上高が小幅増収に留まり、営業費用の増加(M&Aに伴う人件費や退職給付費用の増加、外部要員費用の増加、新規事業のための研究開発費の増加、M&A関連費用の増加など)を吸収できず、営業・経常減益で着地した。経常利益は営業外収益での投資事業組合運用益剥落や保険解約返戻金減少なども影響した。親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失が減少(145百万円減少)したため増益となった。

2024年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比11.4%増の6,200百万円、営業利益が同19.2%減の340百万円、経常利益が同19.9%減の360百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.4%増の240百万円としている。売上面は特に教育業務と一般業務における新規受託を推進して2ケタ増収を見込むが、利益面は成長に向けた先行投資で人件費や研究開発費などが増加するため営業利益と経常利益は減益、親会社株主に帰属する当期純利益は横ばいの予想としている。ただし保守的な印象が強く、会社予想に上振れ余地があると弊社では考えている。

3. 新たな事業領域への展開を加速して中長期的に収益拡大期待
2023年4月に策定した中期経営計画では、目標値に最終年度2026年3月期連結売上高8,500百万円、経常利益700百万円を掲げている。前半は地盤固めの期間と位置づけ費用増加が先行するが、その後は先行投資の成果で最終年度に売上高、経常利益とも過去最高を目指す方針としている。配当については年10円安定配当を堅持する方針としている。重点課題は新事業ポートフォリオの推進、グループシナジーの創出、M&A・アライアンスの推進としている。なお、東京証券取引所(以下、東証)に対し、2023年4月28日付でスタンダード市場選択を申請した。今後も強い組織づくりを目指して人的資本経営を推進するとともに、株式市場における認知度向上や流動性向上を目指し、IR活動を強化していく方針としている。教育業界を取り巻く環境としては、長期的な少子化傾向などがネガティブ要因と考えられるものの、一方では入試関連業務のDX化に留まらず、総合型選抜入試の拡大、学生生活の充実を求める意識の高まり、先端テクノロジーの活用などにより、新たな市場創出の可能性も高まっている。2024年3月期は先行投資の影響で営業・経常減益予想だが、新たな事業領域への展開を加速し、先行投資の成果で中長期的に収益拡大が期待できると弊社では評価している。

■Key Points
・機密性の高い大量のデータ処理に強みを持つIT企業で長期的・安定的なビジネスモデル
・先行投資で2023年3月期は営業・経常減益着地、2024年3月期も営業・経常減益予想
・新たな事業領域への展開を加速して中長期的に収益拡大期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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