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為替週間見通し:ドルは下げ渋りか、米追加利上げの可能性残る

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【今週の概況】
■ドル・円は伸び悩み、米6月利上げ観測は後退

今週のドル・円は伸び悩み。連邦債務の上限を停止する法案の議会通過を期待したドル買い・円売りが観測され、140円93銭までドル高円安に振れる場面があった。しかしながら、5月30日に政府・金融庁、日本銀行の三者会合が開かれたことからリスク選好的なドル買い・円売りは縮小。31日公表の地区連銀経済報告で経済活動はほとんど変化がなかったこと、雇用の増加や物価の上昇ペースは緩やかになっていると指摘されたこともドル買いを抑制した。さらに、6月1日発表の5月ISM製造業景況指数は市場予想を下回り、6月利上げ観測は一段と後退したことから、ドル・円は一時138円45銭まで下落した。

2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、138円74銭まで下落後、一時140円07銭まで上昇した。この日発表された5月米雇用統計で非農業部門雇用者数は、市場予想を上回ったことを受けてドル買い・円売りが活発となった。平均時給の伸びが鈍化したことを意識してリスク選好的なドル買いは一服したが、6月か7月に利上げが行われる可能性が高まり、長期金利は上昇したことから、ドルは底堅い動きを維持し、139円97銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:138円45銭-140円93銭。

【来週の見通し】
■ドルは下げ渋りか、米追加利上げの可能性残る

来週のドル・円は下げ渋りか。6月13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、フィラデルフィア連銀総裁は利上げの見送りを支持するとしたほか、ジェファーソンFRB理事は政策の据え置きについて政策金利のピークと解釈すべきでないと発言した。しかしながら、来週発表の経済指標が市場予想を上回る内容だった場合、追加利上げへの期待は高まり、ドルは底堅い動きを維持するとみられる。5日発表の5月ISM非製造業景況指数は前月から改善の見通し。好不況の境目である50を上回れば追加利上げを後押しする材料になりそうだ。直近発表のコアPCE価格指数、雇用統計、JOLT求人件数などFRBが政策判断に重要視する統計はまずまず強いため、利上げ停止観測を弱める要因となる。

連邦政府の債務上限停止法案が上下両院で可決され、まもなく成立する。米国の債務不履行(デフォルト)を懸念したリスク回避の米ドル売り・円買いは縮小し、日本銀行による金融緩和政策の堅持が見込まれていることから、ドル・円は底堅い動きを保つことになりそうだ。

【米・5月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)
5日発表の5月ISM非製造業景況指数は52.5と、前月の51.9から改善の見通し。想定通り堅調な内容なら、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策を後押しする材料となり、金利高・ドル高に振れやすい。

【米・新規失業保険申請件数】(8日発表予定)
8日発表の米新規失業保険申請件数は小幅ながら増加傾向にあり、雇用情勢の改善は一服しているもよう。申請件数の増加は引き締め方針を弱める材料となり、金利安・ドル安が見込まれる。

予想レンジ:138円00銭-141円50銭

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