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Jストリーム Research Memo(1):次の成長に向け高い収益水準を確保

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■要約

1. インターネット動画を配信するためのシステムをワンストップで提供
Jストリーム<4308>は、企業向けに動画ソリューション事業を幅広く展開し、インターネットで動画を配信するためのシステムをワンストップで提供している。主力サービスは動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」と配信ネットワーク「J-Stream CDNext」で、自社開発した「J-Stream Equipmedia」はインターネットで動画を配信するために必要なあらゆる機能を装備している。「J-Stream CDNext」も自社で構築しており、動画に限らず大容量のファイルを高速かつ安定して一気に配信することができる。主に製薬企業やエンターテインメント(以下、エンタメ)系企業等に提供している「ライブ配信サービス」も主力サービスの1つで、現場での対応力に強みがある。ほかに、動画・Webサイトの制作やシステム開発など動画配信まわりのサポートも提供している。

2. 医薬業界、一般企業、メディア・コンテンツ業界の3領域を戦略市場にデジタル化を支援
同社のビジネスモデルは「J-Stream Equipmedia」や「ライブ配信サービス」を販売し、周辺サービスをプラスオンしながら顧客の動画利用目的達成を果たして売上を拡大していくというものである。「J-Stream Equipmedia」「J-Stream CDNext」等のネットワークを利用するサービスは、付加価値の高い商品・サービスであるため、利用の増加以上に利益が拡大する収益構造になっている。また、同社は医薬業界、金融及び一般企業、メディア・コンテンツ業界の3つの領域を戦略市場として設定している。マーケティングのデジタル化という課題を持つ製薬企業には「ライブ配信サービス」などを提供し、業務の効率化を進めたい一般企業には簡易なオンラインセミナーやeラーニングなどのラインナップを強化し、メディア・コンテンツ業界には動画配信サービスへの参入や放送同時配信のサポートを行うなど、各領域のデジタル化を各企業に最適な形で支援している。

3. 高いボラティリティのなか利益はコロナ禍前を大きく上回る水準を確保
2023年3月期の業績は、売上高12,501百万円(前期比0.7%増)、営業利益1,663百万円(同19.1%減)となった。事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の需要急拡大期から沈静化期に入り、今後アフターコロナの再成長期に向かうという、収益ボラティリティが高まる転換期にある。そうしたなかで、主力の製薬業界が一部大口顧客の販促活動縮小の影響を受けて減収になったものの、DX(デジタルトランスフォーメーション)が途上の金融及び一般企業が成長し、第3四半期に大型受注のあったメディア・コンテンツ業界も順調で、売上高は増収を確保した。利益面では、将来の業容拡大を見据えた人材等の投資拡大により減益にはなったが、コロナ禍前を大きく上回る水準を確保することができた。こうした収益トレンドから、オーガニックな成長トレンドに回帰する局面にあると言える。

4. 踏み込んだ市場戦略で売上高は成長トレンドに回帰、利益も遅れて回帰へ
2024年3月期の業績について同社は、売上高13,320百万円(前期比6.5%増)、営業利益1,665百万円(同0.1%増)を見込んでいる。DXはアフターコロナにおいても重要になるため、同社は動画配信ソリューションを中心にマーケティングやデータベースに踏み込んだ市場戦略を展開する考えである。これにより、同社は製薬業界を含め全領域で増収を見込んでおり、売上高は成長トレンドに回帰する見込みとなっている。利益面では、収益環境が落ち着いてきていることから保守的な印象はあるが、システム開発など人材投資が先行するため、成長トレンドへの回帰は売上高より遅れる計画となっている。なお、配当に関しては、利益還元を積極的に実施する基本方針を新たに設定した。2023年3月期に続いて2024年3月期も1株当たり16円を予定している。

■Key Points
・インターネット動画を配信するための機器・システム・サービスをワンストップで提供
・2023年3月期は人材投資により減益となったが、コロナ禍前を大きく上回る水準を確保
・2024年3月期は踏み込んだ市場戦略で売上高は成長トレンドに回帰、利益も遅れて回帰へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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