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CDG Research Memo(4):無借金経営で財務の健全性は高く、収益性向上が今後の課題

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■業績動向

3. 財務状況と経営指標
CDG<2487>の2022年12月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比592百万円増加の7,551百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は現金及び預金が340百万円増加したほか、受取手形及び売掛金が355百万円増加した。固定資産は投資有価証券が47百万円減少した一方で、繰延税金資産が91百万円増加した。

負債合計は前期末比452百万円増加の1,709百万円となった。流動負債で支払手形及び買掛金が201百万円、その他流動負債が229百万円増加し、固定負債で長期未払金が151百万円減少した。純資産は同140百万円増加の5,841百万円となった。配当金136百万円を支出した一方で親会社株主に帰属する当期純利益302百万円を計上したことにより利益剰余金が166百万円増加した。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前期末の81.9%から77.4%に低下したものの、無借金経営を続けているほか、現金及び預金も43億円と過去最高水準に積み上がっていることから、財務の健全性は高いと判断される。収益性については売上高営業利益率で3.5%とやや低下傾向にある。収益性が低下している要因としては、需要が拡大しているデジタルプロモーション領域の強化を図るべく、2019年3月期以降、専門人材の採用・育成に取り組むなど人財投資を継続してきたことが主因となっている。

2017年3月期以降の推移を見ると、売上原価率は販促グッズの仕入高減少もあって従来の70%台から2022年12月期は69%台に低下したが、逆に販管費率は2017年3月期の22.3%から2022年12月期は27.2%まで上昇した。このうち、人件費率※は2017年3月期の12.2%から2022年12月期は16.1%に上昇しており、人件費率が販管費率の上昇要因となっていることがわかる。リアルとデジタルを組み合わせたプロモーション案件が年々増加するなかで、デジタル人財の採用強化を進めてきたことや、複合型案件の増加でプロジェクト管理が複雑化し、生産性が低下していた。ただ、前述のとおりプロジェクトマネジメントツールを導入してから、案件ごとの採算性を可視化できるようになり、不採算案件も減少傾向となっている。従業員1人当たりの営業利益(月額換算)を見ると、2017年3月期の26.5万円から2022年12月期は11.5万円まで低下したが、今後はプロジェクトの生産性向上に加えて、DXによる業務効率の向上もあり上向きに転じるものと弊社では見ている。

※人件費(給与・賞与、賞与引当金繰入額、退職給付費用、役員報酬、役員株式給付引当金繰入額)÷売上高

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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