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PBシステムズ Research Memo(9):VR・メタバースコンテンツ制作の受託も積極的に推進

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■ピー・ビーシステムズ<4447>の今後の見通し

2. 中長期的な注力領域
エモーショナルシステム(EMO)事業の最大のポイントとして、事業の黒字化見込みについて前段で言及した。ただし、同事業は黒字転換にとどまらず、中長期的には事業展開次第で大きな成長可能性を秘めていることを理解しておく必要があるだろう。特に足元で急激に社会の関心が高まっている「メタバース」を軸に、事業展開の方向性が拡がる可能性がある。実際、同事業においては市場及び投資家の関心が高いVR・メタバースコンテンツ制作の受託も積極的に推進する方針であることが明示されている。

実績としては、福岡証券取引所に上場している総合不動産会社の大英産業と「社史メタバース企画」及び「社史メタバース応用企画」の企画開発に向けて、同社の社史メタバースを相互協力によって開発することを目的とする合意書を締結した。緑十字展2022 in福岡においては、『360°VRシアター「LookCa(ルッカ)」(4DOH)』という形で、墜落事故、重機接触災害、溶断火災災害、工事規制帯への衝突災害、クレーン横転災害や実写の交通事故体験教室に加え、実写とCGによる水害のコンテンツ等、様々な事故状況・安全教育の疑似体験が可能なコンテンツとしてサービスを提供した。また、幕張メッセで開催された「CEATEC 2022」において、ソフトバンク<9434>の「バーチャルPayPayドーム」の映像イメージを投影する装置として同社の「4DOH」が採用されたことを皮切りにして、2022年11月には「スマートシティフェスタ」、2022年12月には「SoftBank ウインターカップ2022」、2023年1月には「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」にて継続的に採用されている。5G・6GによってMetaWalkers(旧称:4DOH)の可能性が拡がる形もイメージしやすく、ソフトバンクについては、さらに継続的な取り組みも期待される。

マクロ経済の悪化等の環境要因もあるとはいえ、メタバースの事業化をめぐる難易度は米Meta社の苦戦を見ても明らかであり、一定の時間を要するであろうことは多くの投資家が予め予想していたことだ。同領域がまだまだこれからという成長領域であることもあって、あくまで現段階では、会社側の動向を見守るほかない状況だが、そういった意味でも2022年9月期に続き、2023年9月期も重要な位置付けとなりそうだ。なお、2023年9月期の下期戦略としては、MetaWalkersを起点にソフトバンクとの協業効果の拡大を図る(360度VRコンテンツ提供、デジタルツイン等企業向け需要発掘、MetaWalkersの機能強化等の各種取り組みの実行)ことを掲げている。また、企業向けメタバースは大英産業に続く、次の案件獲得に向け既に商談中であることが決算補足資料のなかで明らかになっているほか、所有権及びその正当性が証明可能な流通システム「Pedy」のメタバース向け組み込み開発も引き続き進行中だ。

また、視点はやや変わるが、2023年8月25日から9月10日の期間で、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」が開催される(日本、フィリピン、インドネシアの3ヶ国が開催地)。スポーツの世界大会への関心が近年、非常に高まっていることは株式市場における物色熱を見ても強く感じられるところだ。特に昨年開催された「FIFAワールドカップカタール2022」大会、直近では「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」は、高視聴率を記録するなど大きな話題となった。

バスケットボールについても、今回このW杯でアジア1位となれば、2024年のパリ五輪への出場が決まることから、応援ムードが強まることになりそうだ。奇しくもアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』の大ヒットも相まって、バスケットボール熱が高まっていることも追い風となろう。もちろん、そうした盛り上がりを実需につなげることができるかは会社側の営業動向にかかっているが、すでにバスケットボール関係のイベントで複数利用実績を積み重ねてきているMetaWalkersに引き合いが出てくる可能性も十分想定できるだろう。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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