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6月のくりっく365、ドル円は上値の重い展開か、南アフリカランドは軟調継続へ

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東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2023年5月の取引数量が前月比31.4%増の249万2336枚、1日の平均取引数量は10万8365枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は4611.59億円と前月比で17.68億円増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、トルコリラ、南アフリカランド、豪ドルの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、5月の取引数量が前月比34.6%増の522万6941枚、1日の平均取引数量は22万7399枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は839.85億円となり、前月比で61.06億円の増加となった。

取引数量トップは米ドル・円で75万9036枚(前月比24.5%増)。米連邦準備制度理事会(FRB)高官から追加利上げを示唆する発言が相次いだことで米長期金利が上昇。日米金利差の拡大がドル円の上昇につながった。また、米債務上限問題を巡る交渉が予想よりも順調に進んだこともリスクオンのドル買い・円売りに拍車をかけた。ドル円は5月下旬には140円台を回復した。一方、メキシコペソ・円は45万5321枚(前月比29.6%増)。中央銀行による利上げ停止観測が重しとなる一方、結び付きの強い米国での堅調な経済指標や日米金利差拡大によるドル買い・円売りが対円でのペソ相場を下支え。米債務上限問題の進展を受けたリスクオンが強まる局面では対ドルでペソ安になる場面があったが、円がそれを上回る勢いで売られたことで、対円ではペソ高となり、年初来高値更新トレンドが続いた。

6月のドル・円は上値の重い展開か。米5月雇用統計では雇用者数の伸びが市場予想を大幅に上回った一方、平均時給の伸びが鈍化、失業率は予想以上に大きく増加し、逼迫していた労働市場の緩和が示唆された。FRB内では追加利上げと利上げ停止を巡って見解が分かれているが、6月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の予想通り一時停止なる公算が大きい。政策金利見通し(ドットチャート)で示されるターミナルレート(政策金利の最終到達点)は小幅に引き上げられるだろうが、追加利上げの余地は限定的との見方から日米金利差は頭打ちとなろう。加えて、5月30日には財務省・金融庁・日銀らが円安をけん制する姿勢を見せていることもあり、ドル円の140円超えは困難と思われる。他方、当面FRBは政策金利を据え置く一方、日銀は金融緩和を続ける方針のため、大幅な円高も想定しづらく、じわりとした円高になりそうだ。

南アフリカランド・円は軟調か。中央銀行によるタカ派姿勢は下支え要因になるものの、南アフリカ国内での電力供給不安を背景とした景気後退懸念が上値抑制要因となろう。また、中国経済の回復ペースが鈍化していることも、鉱物資源を多く有す南アフリカ経済と通貨ランドに対しての下押し圧力となろう。

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