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為替週間見通し:ドルはもみ合いか、米政策金利は据え置きの公算

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【今週の概況】
■ドル・円は伸び悩み、米6月利上げ観測は後退

今週のドル・円は伸び悩み。週初は米政府の債務上限の効力を2025年1月まで停止する財政責任法の成立を受けてリスク選好的な米ドル買い・円売りが一時活発となり、140円45銭までドル高円安が進行した。しかしながら、5日発表の5月米ISM非製造業景況指数が改善予想に反して悪化し、6月利上げ観測は大きく後退したことから、ドル・円は139円台前半まで反落した。カナダ中央銀行が7日に大方の予想に反して政策金利の引き上げを発表し、米国の金融政策にも影響が及ぶとの思惑が広がったことから、米長期金利は反発し、ドル・円は140円台を回復した。しかし、8日発表の新規失業保険申請件数は大幅に増加し、6月利上げの可能性は一段と低下したことから、リスク選好的なドル買いは縮小。ドル・円は一時138円81銭まで売られた。

9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、139円03銭まで下落後、139円60銭まで反発した。米長期金利の上昇を意識してドル売りは後退し、ポジション調整的なドル買い・円売りが優勢となった。ドル・円は139円41銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:138円81銭-140円45銭。

【来週の見通し】
■ドルはもみ合いか、米政策金利は据え置きの公算

来週のドル・円はもみ合いか。豪準備銀行とカナダ銀行の両中央銀行が金利据え置き予想に反して利上げを決定し、主要中央銀行による利上げ圧力の強さが意識されている。13-14日開催のFOMCでは利上げ見送りの可能性が高いものの、13日発表の米5月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回った場合、追加利上げに備えたドル買い・円売りがやや強まる可能性がある。また、6月に利上げが休止されても連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑止に前向きなスタンスを維持すると予想されるため、7月に利上げが行われる可能性がある。FOMCで公表されるドットチャート中央値でターミナルレート(利上げの最終地点)が3月時点の5.125%から上方修正された場合、ドルを押し上げる見通し。

ただ、ドル高・円安が急速に進行する局面では日本政府・日本銀行によるドル売り・円買いの市場介入が実施されるとの見方が浮上しており、ドル・円の上値は重くなりそうだ。市場介入は特定の水準を意識したものではないとしても、1ドル=140円を超えてドル高・円安が進行した場合、日本の通貨当局による円買い介入に対する警戒感が高まるため、ドル・円など主要通貨の対円レートは上げ渋る展開が見込まれる。

【米・5月消費者物価コア指数(CPI)】(13日発表予定)
13日発表の米5月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+5.2%と予想されている。インフレ率は鈍化する見込みだが、物価目標上限を上回り、金融引き締め政策を正当化しよう。

【米・5月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の米5月小売売上高は前月比プラスとなるか注目される。前月比マイナスとなった場合、景気後退(リセッション)が意識され、米国金利の先高観は後退し、米金利安・ドル安の手がかりになりやすい。

予想レンジ:137円50銭-141円50銭

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