連邦準備制度理事会(FRB)は来週、17日から18日にかけて開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を2020年来で初めて引き下げることが確実視されている。ディスインフレの兆候が一段と確認されたほか、労働市場に減速の兆候が見られ始め、金融政策当局者はインフレを巡る2%目標達成を一段と確信したことが背景となる。パウエル議長はジャクソンホール会議で、「政策修正の時期が来た」と言及。
8月消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったことや、慎重なプロセスを好む連邦準備制度理事会(FRB)は25ベーシスポイント(BP)の利下げを数回続けるとの見方が強まっている。選挙前であることを踏まえ慎重な利下げ幅で開始することが望ましいとの考えもある。
最近の経済指標は強弱まちまち。9月会合で発表されるスタッフの最新の見通し(ドットプロット)で、今年の利下げ軌道をさらに探ることができる。ウォ―ルストリートジャーナル紙のFedウォッチャーは25ベーシスポイント(BP)の利下げは、景気の柔軟性を示し、市場のパニックが回避できる、と指摘。大幅利下げで開始した場合は市場が同ベースでの利下げが継続するととらえる可能性はリスクになると指摘した。
一方で、景気悪化リスクに対処するための保険も含めた50ベーシスポイントの利下げも可能だと指摘。大幅な利下げが景気悪化のリスク上昇を示唆するわけではないと言及することで市場の懸念を緩和させることは可能だ、との一部のエコノミストの意見もある。FRBは、来週のFOMCで依然50BPの利下げを検討する可能性が指摘された。
FRBが市場へのサプライズを与えることを回避するため市場への政策手段伝達のひとつとして、同紙のFedウオッチャーを利用するため、見解にはたびたび注目が集まる。来週のFOMCを控え、FRBはブラックアウト期間中であるため、高官の講演やイベントは予定されていない。
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