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「年利5%なんて胡散臭い」と思う日本人に贈る、初めての海外投資入門=俣野成敏

海外投資で「良い投資商品」に巡り合うために、最も大切なことは何でしょうか?今回は「海外投資」をする上でのコツや注意点などについて、金融のスペシャリスト・堀越健太さんにじっくりお伺いしました。香港、シンガポールからオフショアまで、話題は多岐にわたりますがその本質はシンプルです。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネープランの実現にコミットしたマネースクールを共催。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが10万部超えに。著作累計は44万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を3年連続で受賞している。

※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2017年4月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した項目もすぐ読めます。

海外投資で本物と出会う方法。大失敗しないためのポイントとは?

イントロ:なぜ、J・Yさんは海外投資に失敗したのか?

まず、海外投資で失敗する典型的なパターンをご紹介したいと思います。J・Yさん(40代前半・システムデザイナー)の事例です。

ある日、J・Yさんは知人から「良い投資セミナーがある」と誘われ、「友人の紹介なら」と行ってみます。J・Yさんはそれまで、株とFXを少しかじっていた程度で、それほど経済や金融に詳しくはありませんでした。行ってみると、セミナーには30名近くの人が参加していました。

セミナーで、「日本は投資に適していない」「海外の投資先には年利5%以上のものがたくさんある」「世界には年利10%も付くファンドがあって、それは日本の金融機関からは買えない」と言われます。講師から「この金利なら、複利で20年後にはこんなに増えます」と実演されますが、J・Yさんは「確かにそうだけど、そんなに毎年は上手くいかないんじゃないか」と内心では思います。

それなのに、J・Yさんは「10%はムリでも、3%くらいはいけるかも」と思い始めます。結局、20年契約でその積立型案件に投資。しかし1年過ぎても、思うような利回りを出せないことに失望したJ・Yさん。解約しますが、それまで積み立てていた96万円はまったく戻ってきませんでした。

個人で行う海外投資の失敗は、たいてい、このJ・Yさんと同じような経緯をたどります。つまり、「見切りをつけるのが早すぎる」ということです。

投資とは本来、10年~20年スパンで見ていかなければならないものです。それをたった1~数年、投資しただけで「これは失敗だ、成功だ」と判断できるものなのでしょうか?もちろん、事情が変更になってやむなく、ということはあるでしょうし、売り手側の誇大広告に乗せられてしまった、というのもあるかもしれませんが。

実際のところ、彼らがダマされたのか、それとも単なる見込み違いだったのかは、今となってはわかりません。続けていれば、もしかしたら挽回できたのかもしれませんし、ダマされていたのであれば、余計傷口を広げる結果となったのかもしれません。

彼らがどのような投資戦略のもとに投資を進めたのか、詳しいことは不明ですが、少なくとも投資した商品に何かしら「自分が求めているものと合致している」と思ったからこそ心惹かれたのでしょう。しかし投資をしているうちに、「最初の目的を見失ってしまう」ことは多々あります。

不安をなくしたくて投資をしているのに、投資していること自体が不安になる」。これが、投資の難しいところです。

何が「海外投資」の成功と失敗を分けているのか?

ここまでお読みいただいただけで、もしかしたらすでに「自分が海外投資をするなんてムリだ」とお思いになった方もいらっしゃったかもしれません。少なくとも、これだけは言えます。それは「海外投資に成功している人はやはりいる」という事実です。

一体、成功と失敗を分けているものとは、何なのでしょう?どうしたら、自分も成功者の仲間入りをすることができるのでしょうか?

そこで、今回は「海外投資入門」をお送りいたします。

この特集を組むにあたり、当メルマガの監修にも関わってくださっている金融のスペシャリスト・堀越健太(ほりこしけんた)さんをゲストにお招きしております。堀越さんは多くの富裕層をクライアントとして抱える独立系ファイナンシャルプランナー(FP)であり、正規会員として所属している一般社団法人日本IFP協会(※)において、約250名いるFP中、2013、14、15年と連続してベストFPに選ばれていらっしゃいます。

※一般社団法人日本IFP協会…正しい金融知識を世に広めることを目的に、世界中の金融商品を比較・研究している団体

今は金融の専門家である堀越さんも、もちろん最初からスペシャリストだったワケではありません。ここに至るまでには、さまざまな苦労や失敗も経験されてきました。ですから、堀越さんの軌跡を追うことで、おそらくあなたも得るところがあるに違いないと考えました。

今回は、インタビュー形式で進めたいと思います。このお話を通じて、ぜひあなたにも海外投資を身近に感じていただけたらと思います(以下、本文中について名前が出てこない限り同一話者、敬称略)。

1. 腰を据えて海外投資に取り組む前に知っておくべきこと

日本で普通に外貨や海外の投資信託が販売されるようになって、ようやく20年。最近では人々の投資に対する注目度が上がる一方で、「仮想通貨」といった新しいジャンルも生まれ、金融界はさらに混迷を深めているようにも見えます。

本日は、海外投資をする上でのコツや注意点などについて、堀越さんにじっくりお伺いしていくことにしましょう。

【海外投資の大前提とは】

俣野:それでは堀越さん。本日はよろしくお願いします。先に冒頭のところで、海外投資のダメな事例を読者の方にご覧いただきました。大手企業ですら惨憺たる有様なワケですが、これに関してどう思われますか?(※NTT、情けない惨状…巨額海外投資4連続失敗で1兆円損失、懲りずに3千億の買収

堀越:NTTのニュースは、「バカなことをしたなぁ」という論調で書かれているような印象を受けますね。けれど実際、事業をやっていく上で、チャレンジは必要です。事業投資で失敗するのは、ある意味、仕方がないことだとは思います。

海外投資をする際に、重要なのはその国の「マーケット情報」と「地域属性」です。NTTの失敗は、そこを読み間違えてしまったということではないでしょうか。

海外投資で難しいのは、「その地域での相場観がなかなか把握できない」ことにあります。あくまでも「自国とは違う」ということを念頭に置いて、投資をしていかなければいけません。その国の文化、法令といったものをしっかり理解しないうちに投資をしてしまうことが、海外投資で失敗するお決まりのパターンですよね。

俣野:J・Yさんについてはいかがでしょうか?

堀越:元来、「以後はどういう未来になるのか?」というのを、見通せる人なんて誰もいません。ただ、予測はできると思います。しかし、その予測すら「自分でできる」という人が少ないからこそ、他人に頼んでいるワケですが。わからないなりに、せめて「主張に賛同できる人から話を聞く」というようにすることですよね。J・Yさんは「本当にそんなことあるの?」と思いつつ投資をしてしまいました。そこが一番の問題だと思います。

俣野:自分がわからないことは、余計に「自分にはよくわからないけれど、何だかすごそう」と捉えてしまいがちです。かえって「ここだったら増やせるのかな?」という期待を抱いてしまったりします。

堀越:投資に不慣れな人は特にそうですが、まずは海外の投資商品に対して、「幻想を持ち過ぎない」ということを肝に銘じるようにすることでしょうね。

【投資商品の優位性を決めるもの】

俣野:「幻想を抱くな」はその通りなのですが、日本ではほとんどゼロに近い利率しか付かない一方で、海外では年4%、5%という金融商品は普通にあります。日本人の方にとってみれば、「おお、海外はすごいな。一体、どうしてなんだろう?」と不思議に思われる気持ちもわかります。ある意味、錬金術的なものを感じる、というか。

堀越:それでもせいぜい、日本のものに比べて5倍6倍とか、そんな話だと思うんですけどね。

俣野:いや、十分すごいと思います(笑)。

堀越:「海外には錬金術がある」ということではないですよ(笑)「投資商品の利率を決める要素」というのは、ある程度決まっています。不思議なことでも何でもありません。それは「エンジンの大きさ」「運用対象」「税制」「コスト」です。投資先の優位性を決めるのに、違いになってくる点で言うと、これくらいです。

エンジンの大きさとは、「その国の底力」ということですが、要は「国債利回り」のことです。一例を挙げると、保険商品などはその国の国債での運用が大半となりますので、国債利回りが商品の利率に大きく影響してきます。たとえば、今ですと10年物国債がフィリピンで5%強アメリカやシンガポールだと2%強なのに対して、日本はゼロ%前後です。

それから、税制も大きいですよね。日本だと投資の収益には基本的に利子所得として20.315%の源泉分離課税がかかりますが、香港やシンガポールでは非課税ですから。運用対象とは商品のこと。「何に投資をしているのか?」ということです。投資商品のコスト構造を見ても、日本で販売されているものは割高の場合が多いですよね。

俣野:堀越さんは、金融業界に身を置いている者として、最近の金融情勢について、どのような変化が起きているとお感じですか?

堀越:1998年に日本でも本格的な金融ビッグバンが始まり、海外投資の規制が解かれてから、まだ20年も経っていません。それだけ歴史が浅いことですので、多くの日本人にとって、海外投資がいまだに馴染みがないのも頷けます。それが徐々に広がりを見せるようになったのは、2008年に起きたリーマンショック以降ではないかと思います。ショック前と後では、情報量が違います。特にここ3年くらいでだいぶ一般化されてきた印象はありますよね。

海外投資とは、当初は現地を知っている一部の人だけが、「ひっそりと取り組む世界」にすぎませんでした。ところが、その中の極一部の人が「この情報を日本に持って行ったら売れるんじゃないか?」というのに気づいたのが、今につながる「海外投資を広めた日本人」の歴史です。

広めていった人たちの中には、投資家が海外投資を知らないのをいいことに事実をねじ曲げた情報を発信したり、発信者自体が真実を理解しておらず、間違った情報を流してしまったり、混沌とした状態が続きました。これが、今の日本人が持っている「海外投資への不信感・苦手意識」に大きく関係しているのではないでしょうか。

Next: 海外投資で「良い投資商品」に巡り合うために最も大切なこと

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