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ワタミが「中生ビール1,081万杯分」の現金を1年間で失った意外な事情=安部徹也

巨額の現金減少に伴ってワタミに起こった劇的な変化とは?

ただ、やはり1年間で53億円もの現金が減少することは、何かしらの原因があると思われます。やはり、赤字が原因なのでしょうか? その原因を探るべく、続いてはキャッシュフロー計算書をチェックしてみましょう(文末参照)。

ワタミの2017年3月期のキャッシュフロー計算書は、次のような数字になっています。

  • 営業キャッシュフロー:+30億円
  • 投資キャッシュフロー:-18億円(定期預金の増加分-50億円を除く)
  • 財務キャッシュフロー:-65億円(内訳:債務返済-61億円、配当金支払-4億円)
  • 計:-53億円

つまり、営業で生み出した30億円のキャッシュのうち、18億円を設備投資などに使った後、余った12億円と手持ちのキャッシュ53億円を合わせた65億円を、61億円の債務の返済と4億円の配当に充てたということになります。

特に、この60億円を超える債務の返済はワタミの財務に劇的な変化をもたらしたことが決算書から読み取れます。2016年3月期には18億5千万円もあった支払利息が、2017年3月期には1億8千万円と10分の1以下になったのです。

もし、この支払利息の大幅な減少がなければ、2017年3月期の経常利益は7億円ですから、確実に経常赤字に陥っていた計算になります。ワタミはこの借入金の返済により、これまで金利負担が重荷になっていた経営から一転、身軽になって利益を上げやすい体質に転換したといえます。

今期の業績予想は、売上高960億円、最終利益で1億円を見込みますが、本物の回復で最終黒字を果たすというシナリオは現実味を帯びてきたといっても決して過言ではないでしょう。

Next: またもネット炎上。ワタミが抱えるもう1つのリスク

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