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カルビー、ポテトチップスの一部休売・海外不振が響く 4-6月期は減収減益に

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2017年8月3日に行われた、カルビー株式会社2018年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

2018年3月期第1四半期業績 レビュー

菊地耕一氏:菊池でございます。まず2018年3月期第1四半期業績についてご報告いたします。

第1四半期はポテトチップスの一部休売やフルグラ海外消費分ストップの一時的影響が大きく、減収減益となりました。

また、これに加えて海外事業全般の不振もあり、売上、営業利益ともに計画を下回る厳しい結果となりました。

KPIの通期目標および第1四半期計画に対する進捗は記載のとおりですが、金額ベースの対計画ギャップは売上高で約マイナス19億円、うち、海外がマイナス13億円となりました。営業利益の金額ベースでいうと対計画ギャップはマイナス14億円となりました。

2018年3月期第1四半期業績 決算ハイライト

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スライド5をご覧ください。第1四半期決算の業績ハイライトになります。

前年同期比で売上高は8.5パーセント減の565億円、営業利益は52.1パーセント減の34億円となりました。

売上総利益率が3.3ポイント低下し、販売管理費率が2.5ポイント上昇した結果、営業利益率は5.5ポイント低下し、6.0パーセントとなりました。

当期純利益は40.3パーセント減の22億円となりました。詳細についてはこのあとご説明いたします。

2018年3月期第1四半期業績 国内事業①

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国内事業についてご説明します。

売上高ですが、小麦系スナックやJagabee/じゃがポックル、コーン系・豆系スナックが予定以上に伸長したものの、ポテトチップスやフルグラの落ち込みをカバーできず、前年同期比で10.2パーセント減の489億円となりました。

営業利益は減収の影響ならびに稼働低下による原価悪化、それに加えて物流費の増加等の影響もあり、前年同期比46.2パーセント減の35億円となりました。

なお、国内事業の対計画ギャップですが、売上高でマイナス7億円、営業利益でマイナス10億円となっています。

2018年3月期第1四半期業績 国内事業②

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スライド7をご覧ください。4月に馬鈴しょ不足に関してマスコミ報道等で大きく取り上げられたことにより、ポテトチップスに対する需要が一時的に加熱いたしました。この混乱した市場の収束を図るために、急遽休売アイテムを拡大せざるを得ない状況になりました。

5月下旬以降、府県産の馬鈴しょの収穫開始に伴いまして休止アイテムの生産を順次再開いたしましたが、市場に滞留していました代替品の店頭流通在庫の消化が思ったほど進まず、ポテトチップスが復活するまでに想定以上の時間を要しました。

フルグラについては海外需要が3月15日にストップしたことにより、前年同期比17億円あったと推計される海外消費相当分が今期は0になりますので、その分がマイナスとなっております。

加えて、3月15日以前に海外需要向けに出荷された製品が国内市場に逆流してきたために、一時的に在庫過多の状況となりまして、国内の販売活動にも影響を及ぼしました。

それから国内の販売費についてですが、値引きコントロールを強化して販促費比率は改善いたしました。一方でCM等による広告宣伝費を増加させましたので、国内販売費比率全体としては増加しております。

2018年3月期第1四半期業績 海外事業①

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海外事業について説明いたします。

売上高はインドネシアなどの新規参入国の事業拡大効果により、4パーセントの増収となりました。一方で主力地域は不振で、北米では14.2パーセントの減収、韓国では13.3パーセントの減収となりました。

営業利益ですが、北米の原価悪化やインドネシアの売上拡大に向けた販促費増加等により大幅減益となり、トータルでは9,100万円の赤字となりました。

こちらにつきましても海外事業の対計画ギャップですが、売上高でマイナス13億円、営業利益ではマイナス4億円となりました。

2018年3月期第1四半期業績 海外事業②

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まず北米事業ですが、前年第4四半期1~3月の大口受注の反動影響、フレーバー展開等で一部大手顧客のニーズにタイムリーに応えられなかったこともございまして、減収となりました。

営業利益につきましても減収影響、稼働の低下に加えて、一時的に原材料廃棄が発生し、大幅減益となりました。

一方で課題であった生産工程中のロス率は改善傾向にございます。

続きまして韓国事業ですが、売上不振が継続しております。一方で合弁パートナーとの仕切価格の変更を行い、赤字体質からは脱却いたしました。

インドネシア事業ですが、モダントレード(大手小売店)、トラディショナルトレード(伝統的小売店)ともに配荷が進んでおりまして、順調に事業を拡大しております。

2018年3月期第1四半期業績 営業利益分析

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スライド10をご覧ください。営業利益の減益要因について説明いたします。営業利益は前年同期に比べて37億円の減少となりました。

まず減収影響として12億円、続きまして原材料費の増加ですが、こちらは輸入馬鈴しょをスポット購入したことによる単価アップの影響等により、1億9,000万円の増加。

それから原材料費を除く原価では14億9,000万円となっておりますが、こちらにつきましては国内ではポテトチップスやフルグラの稼働低下に伴う生産性の悪化で9億8,000万円。

海外では先ほどご説明いたしました北米での廃棄、稼働悪化に加えて、インドネシアの事業拡大がありまして、4億円の原価悪化となりました。

販売費は国内で広告宣伝費が1億円増加したこと、インドネシアのプロモーション、北米のマーケティングコストの増加等もございまして、全体では2億8,000万円の増加です。

物流費ですが、輸入馬鈴しょを使用したポテトチップスを西日本から全国に配送しましたので、物流効率が悪化して4億3,000万円の増加となりました。

通期計画達成に向けて

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続きまして、通期計画達成に向けた事業方針について説明いたします。

第1四半期はご説明しましたとおり、一時的な要因が業績に大きく影響いたしました。一方で継続的な課題も残っておりまして、第2四半期以降も解決に向けて取り組んでまいります。詳細についてはこのあと説明いたします。

通期計画達成に向けて 国内事業

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通期計画達成に向けた国内事業方針の詳細を説明いたします。

まず北海道での馬鈴しょ収穫にあわせた販売再開アイテムを増加いたします。期間限定品であるア・ラ・ポテト等の積極的な販売プロモーションを実施いたします。

また、大収穫祭2017、お国自慢祭りなどの従来の販促企画に加えて、新たに47都道府県ポテトチップスを販売いたします。

フルグラにつきましてはさらに製品ラインアップを増やし、個食対応と家庭でのストック増加を促進いたします。また、シニア層向けに減塩企画、男性層向けに低糖朝食企画等を実施し、認知拡大を図ってまいります。

国内販売費につきましては、利益重視の販売方針に基づく販売費コントロールを継続いたします。

通期計画達成に向けて 海外事業

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海外事業の計画達成に向けた方針について説明いたします。

北米事業につきましてはHarvest Snapsの新フレーバー開発、パッケージの多様化を急ぎ、顧客ニーズに迅速に対応できる体制を早期に確立してまいります。生産面ではSQF、オーガニック認証等の取得を着実に進め、品質向上や新たな市場ニーズの開拓に努めてまいります。

香港事業につきましては中国アリババグループが運営する越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」Calbee海外旗艦店にて、北海道生産のフルグラ販売を7月28日より開始いたしました。

2018年3月期 通期計画①

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スライド15をご覧ください。通期計画数値を記載しております。通期計画は期初計画時から変更しておりません。

2018年3月期 通期計画②

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スライド16をご覧ください。通期計画売上高の製品別、国別内訳を記載しております。国内売上の製品別内訳につきましては、期初計画時点から一部見直しをしております。

以上で第1四半期決算報告を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

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