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【第5回】変動金利型ローンの上手な利用法とは?

前回までのあらすじ(前回を見る
賃貸マンションに住み、マイホーム購入を考え始めたご一家。前回は住宅ローンを組む時の「変動金利」の基本についてFPさんに解説してもらいました。しかし、金利上昇のリスクや、元金が減らず利息だけを払う状態「未払い利息」などについて説明されすっかり意気消沈のふたり。しかし「変動金利型ローン」にはメリットもあります。ということで今回は「変動金利型ローン」の上手な利用法について解説します。

登場人物

夫パパさん(35歳) 電機メーカーに勤めるサラリーマン。長男(6歳)と長女(1歳)の2人の子供を持ち、長男の小学校入学を機に、マイホーム購入を決意。

 

妻ママさん(33歳) 子育て真っ盛りの専業主婦。夫とは職場結婚。育児から解放されれば、働くことを考えている。

 

FP5FPさん(35歳) ファイナンシャル・プランナー。元OL。

 

 

変動金利型ローンにもメリットはある!

FP5いままで、変動金利型ローンについて、どちらかというと、リスクを強調するようなお話をしてきました。

 

aseri-mもう、変動金利では借りる気がしなくなっています。

 

FP3その理由は、あまりローンの中身を理解しないまま、低金利だけに目を奪われ、本来の返済能力を超えて〝借り過ぎ〟てしまう人が多いからです。

 

夫それはよくわかりました。物件の内覧会で決めなくて、本当に良かったと思っています(笑)。

 

FP5しかし、変動金利型ローンは、上手に利用すれば低金利の恩恵を受けられます。現在のメガバンクの0.775%という水準は、とても魅力的ですからね。これまで、変動金利のマイナス面ばかり説明してきましたので、今回はプラス面をお話ししましょう。

 

sbi009よろしくお願いします。

 

FP5なんといっても金利の低さは大きな魅力です。例えば、一般的な住宅ローンとして、3000万円を30年間借りたとしましょう。すると毎月の返済額は9万3422円になります。そして、第1回目の返済額の内訳を見てみると、元金部分が7万4047円で、利息部分が1万9375円となっているのです。つまり、毎月返済額9万3422円のうち、初回から元金の返済に回るのがほぼ8割という、住宅ローンとしては非常に効率的な返済ができるローンになっているんです。

 

妻たしかに、これが続けば元金がどんどん減っていきそうですね。

 

FP3さらに、やや特殊なケースかと思いますが、2000万円を10年返済にした場合をみてみましょう。毎月の返済額は17万3262円で、返済第1回目の元金部分が16万346円、利息部分が1万2916円となります。同じく計算をしてみると、返済第1回目から9割以上が元金充当分となるのです。私も自分でシミュレーションをしてみて、改めて0.775%という金利の低さを実感しました。

 変動金利型ローンの返済シミュレーション

借入金額/3000万円 期間/30年 ローン金利/0.775%
初回の返済額 元金分 利息分 返済額に占める元金分の割合(元金分/返済額)
9万3422円 7万4047円 1万9375円 79%

 

借入金額/2000万円 期間/10年 ローン金利/0.775%
初回の返済額 元金分 利息分 返済額に占める元金分の割合(元金分/返済額)
17万3262円 16万346円 1万2916円 93%

※いずれも、元利均等返済、ボーナス返済なしを想定

f06a では、どうすれば、変動金利型ローンを上手に借りることができるのでしょうか。

 

FP5すでに今の話の中にヒントがあります。まず、借入期間が短くて済む人であれば、変動金利を検討してもいいと思います。10年以内で返すことが可能な人は有力な選択肢となるでしょう。頭金が十分にある、あるいは、購入する物件が中古物件などで非常に安い、といったケースが該当すると思われます。また、新規ローンではありませんが、すでに住宅ローンを借りていて、残り期間が10年になったという人であれば、変動金利に借り換えをする手もあるでしょう。

 

aseri-m借入期間10年か、ウチは厳しいなぁ……。

 

FP3借入期間の短期化は、金利上昇リスクの軽減につながります。現在、日本銀行が2%程度の物価上昇を目標として金融政策を行なっている以上、将来的に物価が上がり、それが金利の上昇を促すと考えるのが自然でしょう。しかし、将来のどの時点から物価および金利が上昇していくのか、正確に予想することはできません。辛うじて言えるのは、借入期間が長期になるほど金利が上昇するリスクが高くなり、短期になるほど金利上昇リスクは小さくなる、ということです。

f06aやっぱり、借入期間が長期にわたる人は、変動金利は借りてはいけないのでしょうか。

 

FP3返済期間が20年を超えるような人にはおすすめはしませんが、返済期間が20年以下で、返済能力に余力があるという人であれば、検討してもいいと思っています。例えば、収入や預貯金の金額から考えて、毎月15万円程度なら返済ができる人がいるとします。その人が、変動金利型ローンを組んで、毎月返済額が10万円程度になるならば、変動金利を選んでもいいかもしれません。返済余力分の5万円を貯蓄しておけば、将来の金利上昇による返済額の増額に備えることができますし、繰上返済に回せば、住宅ローンの返済スピードをアップすることができるので、結果的に金利上昇リスクを軽減することができます。

 

odoroki-mお話を聞いていて思ったんですけど、結局、お金に余裕がないと難しいということですか?

 

FP2身も蓋もない感じになってしまいますけど、シンプルに言うとそのとおりです(笑)。現在、「住宅ローン減税」が実施されていることはご存知だと思いますが、借りてから10年間は、ローン残高の1%が所得税から控除されます。これは、実質的に金利負担が1%減ることを意味します。したがって、現在の変動金利型の住宅ローン金利である0.775%で借りると、手数料や諸費用などを考えず、金利上昇がなければ、ほとんど利息が付かないことになるんです。お金に余裕がある人で、税金対策などの必要性がある人なら、あえて変動金利で借りるという選択肢もあるわけです。

妻数字上では、借り入れた方が、住宅ローン減税で控除される率より下回っているんですね!

 

aseri-mうちの場合は該当しないですね……コツコツ頭金を貯めることにします。

 

FP5それを理解して頂ければ、説明したかいがあります(笑)。

 

文/松岡賢治
金融ライター、ファイナンシャル・プランナー。シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。

◎第5回目のポイント
「変動金利の住宅ローンは借入期間や返済能力などの条件が合えば検討の価値あり」

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