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マックスバリュ西日本、上期は減収減益 客数減による売上高低下が影響

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2017年10月5日に行われた、マックスバリュ西日本株式会社2018年2月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。

2017年度上期の連結損益業績

加栗章男氏(以下、加栗):2018年2月期(第36期)の上期の業績、上期の反省をふまえた下期の取組みについてご説明いたします。

まず上期の連結業績でございます。

営業収益は1,383億9,800万円、前年比99.1パーセント。営業利益は20億9,500万円、前年比73.0パーセント。経常利益は22億3,600万円、前年比74.9パーセント。親会社に帰属する四半期純利益は13億5,600万円、前年比85.3パーセントということで、営業収益はマイナス12億1,200万円、四半期純利益はマイナス2億3,500万円で減収減益という、非常に厳しい結果になりました。

原因等につきましては、このあとご説明を申し上げたいと思います。

上期の業績 資産の状況

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こちらは貸借対照表でございます。ご覧のとおり、昨年期末時点と大きな違いはございません。自己資本比率は49.8パーセント、1株当たり純資産が1,866円85銭でございます。

2017年度上期の決算概要 連結経営成績

マックスバリュ西日本、上期は減収減益 客数減による売上高低下が影響

上期の経営成績、営業利益につきましてご報告をしたいと思います。

私が2013年度に社長に着任しておりますので、2013年度から2017年度までの5年間の数字は、すべて私が担当していたことになります。

一番右(のグラフ)が2017年度でございます。売上高の計画差マイナス44億円、先ほど前期比99.1パーセントと申し上げたのがここの数字でございます。営業利益率は1.5パーセントということで、昨年上期は2.1パーセントでしたので、0.6ポイント減少でございます。

結果的には、売上高のマイナス44億円が一番大きく影響したと考えております。

2017年度上期の決算概要 個別経営成績 月度別既存比(売上高・客数・客単価)

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このグラフは、売上高の計画差マイナス44億円の一番の原因は客数にあったということを示したものでございます。

客単価・売上高・客数を見ていただきますと、第2四半期の6月が98.6パーセント。7月が97.6パーセント。8月が97.2パーセントとなっており、ここで大きく負けたと。

7月の中旬、8月の上旬からいくつかの手を打ってまいりましたので、9月は若干改善の傾向がございますけれども、上期では客数減が(売上高の低下に)一番大きな影響を与えたと考えております。

2017年度上期の決算概要 個別経営成績 主要グループの実績

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部門別の数字をおさらいします。非常に細かなグラフでございますけれども、左の農産から一番右の加工食品まで、8つのカテゴリーごとの売上高・客数・点数の推移を示しております。赤の棒グラフが実績の売上高。黄色の棒グラフが計画売上高です。

赤の折れ線グラフは客数既存比です。緑の折れ線グラフは売上高既存比です。青の折れ線グラフは予算比です。

農産でいいますと、客数既存比が97.5パーセント、売上高既存比が95.2パーセント、予算比が92.2パーセントだったということになります。

8つのカテゴリーのなかで一番影響が出たのは農産と水産です。売上高既存比を超えたのは畜産とデリカとフローズンと加工食品です。

先ほど客数減というお話をしましたけれど、そのなかでも農産、水産で大きく落としたということです。私どもはマックスバリュもザ・ビッグも、農産、水産で客数を集めるということで、15〜16年数字を作ってきたという経緯がございますので、これが一番ダメージとしては大きかったと考えております。

2017年度上期の決算概要 個別経営成績 年度別推移(売上高・利益率・販管費率)

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続きまして利益面です。こちらは5年間の営業総利益率・販管費率・売上総利益率をグラフにしたものです。

一番右が今年の2017年度上期でございます。青の折れ線グラフの営業総利益率は26.0パーセントでございました。昨年の上期が25.9パーセントでしたので、0.1ポイント改善しています。

赤の折れ線グラフの販管費率は24.3パーセントです。昨年の上期が23.6パーセントでしたので、0.7ポイント改悪しています。

緑の折れ線グラフの売上総利益率は23.7パーセントです。昨年の上期が23.6パーセントですから、ここも0.1ポイント改善しています。全体の客数減による売上高低下と販管費率の問題が、上期の業績を減収減益としたと考えております。これについての対策は、下期にご説明するかたちになります。

2017年度上期の決算概要 個別経営成績 販売一般管理費の超過:主要勘定科目

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販売一般管理費の超過についてご報告をしたいと思います。まずご報告する内容は、広告宣伝費とフレックス給与と水道光熱費のところです。

フレックス給与でいいますと、当初社会保険のことであったり、採用難で人手不足ということも考えて、計画的には盛り込んでいたのですが、計画に対して1億9,600万円超過しました。

水道光熱費については、こちらも(計画的には)盛り込んではおりましたけれど、1億2,100万円超過しました。とくに電気代が7、8月で大幅に超過しました。

広告宣伝費については計画とほぼ同等、ただし昨年と比べるとここに相当程度の力を入れて経費をかけてやっていこうという計画でしたので、計画に対して客数がついてこなかったということで、販管費のなかでの0.7ポイントの増加の主要な原因はこのあたりだと考えています。

2017年度上期の振り返り 上期の新規出店(2店舗)

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次は、上期にやってきたことについて少しお話しさせていただきたいと思います。

まず上期は新店を2店舗出店しました。スライドにあるように、2017年4月22日にザ・ビッグ業態で倉敷(岡山県)、2017年6月6日にマックスバリュ業態で東条(兵庫県)の2店舗をオープンいたしました。

倉敷につきましては、予算比100.2パーセントで上期を終えました。東条につきましては、上期予算比114.1パーセントで上期を終えました。新店舗2店舗は順調にオープンしたということで、今後もこの傾向を維持しながらやっていきたいと思っています。

2017年度上期の振り返り 既存店活性化の推進(B東岐波店・山口県)

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次は既存店の活性化でございます。上期は大小合わせて20店舗を活性化しました。残念ながら、20店舗のトータルの売上高でいいますと、若干前年を超えたというぐらいですけれども、今日は2店舗ご紹介したいと思います。

こちらは山口県にあるザ・ビッグの東岐波店は2017年3月7日にオープンしました。東岐波店はザ・ビッグでも食品中心のお店でしたけれど、このお店を270坪増床し、ノンフーズでも戦っていこうということで活性化しました。活性化前は売上昨比98.4パーセントでしたけれども、上期は100.4パーセントということで、2ポイントの上昇になっております。

2017年度上期の振り返り 既存店活性化の推進(MV太子南店・兵庫県)

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兵庫県にあるマックスバリュ太子南店は、もともと1,045平米しかない店で、どうしても増床ができません。その店を今のお客さんに合わせて活性化しました。

活性化前は売上昨比101.1パーセントでしたけれども、上期は106.3パーセントということで、増床することなく、商品・サービスの中身を変えることで活性化してまいりました。こういった経験を今後の活性化に活かしていきたいと思います。

2017年度上期の振り返り 商品本位の改革 【デリカ・インストアベーカリー】開発商品

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次に商品についてご報告します。2016年度から、デリカ・インストアベーカリーにつきましては、お取引先さんのご協力もいただきながら、自分たちで商品を開発していくことに取り組んでまいりました。

このスライドは代表的な6品目を掲載しておりますけれども、上期には15品目を開発しまして、15品目の販売総計は3億5,542万3,000円でした。計画売上比114パーセントということで、非常に順調に見えるのですが、計画目標値が低いということで上期を総括しました。下期は150パーセント程度に引き上げた計画をしております。

2017年度上期の振り返り 商品本位の改革 【35周年記念】開発商品

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次に、35周年記念の開発商品をいくつか出してまいりました。3月から8月に開発した商品は32品目。売上高は3億1,200万円程度になりました。

2017年度上期の振り返り 地域との連携 地元に密着した取組み

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地元に密着した取組みをご報告したいと思います。

昨年より立ち上げたエリア政策グループを中心に、店舗が物を販売するだけの場ではなくて、地域の拠点になるように、ということで取り組んでまいりました。スライド左上は、オール山口ということで、すべての市・町と包括連携協定を締結いたしました。

右上がWAON発行。左下が健康増進・食育・食の安全に関する市との取組みです。

右下は昨年から年に2回やっている、ショッピングセンターのイベント「総力祭」です。こちらの集客は非常に大きなものがありますけれども、これを繰り返しながら、我々のお店をそのエリアの拠点として位置付けていただけるように、これからも進めてまいりたいと思っております。

下期の取組み 3つの基本戦略

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上期の反省をふまえて、下期の取組みについてご報告申し上げます。

私どもマックスバリュ西日本は、昨年から3つの基本戦略として、商品本位の改革、人材への投資、地域との連携を軸にやっていきましょうということで、大きな方針は変わっておりません。

マックスバリュ西日本、上期は減収減益 客数減による売上高低下が影響

下期の取組みとしては、上期の反省でまずは売上(客数)拡大と経費(支出)効率化の2点にしぼってやっていきましょうということで、いくつか項目を挙げております。

下期の取組み 売上拡大① 重点日(MV:火 BIG:水・ザ・ビッグデー)強化

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具体的な売上(客数)拡大施策としては、もう一度マックスバリュ、ザ・ビッグ各々の重点日をさらに強化をしていくということで、マックスバリュは火曜市と上期非常に厳しかった週末、ザ・ビッグは水曜市とザ・ビッグデーのところで積極的にやっていきたいと。その時のポイントになるのは、次のシートの農産部門です。

下期の取組み 売上拡大② 農産部門の客数・点数引き上げ

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農産部門につきましては、相場が安かったなかで、私どものマックスバリュ、ザ・ビッグの価格に対するゆるみが出たというのが一番の反省でございます。

8月から、マックスバリュ火曜市につきましては、エリアにもよりますけれども、バラ売り38円をもう一度28円に戻しました。

ザ・ビッグ水曜市につきましては、バラ売り27円を17円に変えています。このあたりで去年、今年同様に、お野菜の鮮度・価格でお客さまに来てもらえるように、もう一度巻き戻しをしております。結果として9月ぐらいから効果が出てきています。

価格については、お客さんにとって一番必要な商品を選ぶということで、従来やってきたエリアでの仕入れをさらに強化しております。

従来では、どうしても順調にいくと(仕入れが)本部主導になるということが大きな反省で、エリアバイヤーが相場と鮮度を見ながら買った商品をチラシに盛り込むということで、8月からはそのウェイトが圧倒的に上がりました。

そのようにして客数は増えてきましたので、これを下期の半年間で徹底して進めてまいりたいと思います。

下期の取組み 売上拡大③ 商品施策【35周年記念商品・スペシャルプライス】

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今年から、35周年記念商品に加えて、スペシャルプライスということで訴求しておりました。スペシャルプライスについては上期も成果がありました。

上期は10アイテムを販売しておりましたけれども、下期は20品目に増やします。(売上高上期比)180パーセントを目標にして、プラス9億円をつくろうということです。上期に(売上高が)44億円ショートしてますから、約4分の1くらいはこれで(売上に)変えていこうということでスタートしております。

下期の取組み 売上拡大④ 商品施策【デリカ・インストアベーカリー】開発商品

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次に、デリカ・インストアベーカリーの開発商品でございます。こちらは下期に15品目の開発を計画しております。下期の目標金額は5億1,590万円。上期対比145パーセント程度の売上を考えております。

商品の良さもそうですけれども、見せ方、お客さんへの伝わり方などを改善しながら、商品本位の改革の成果を取り込んでいきたいと思います。

下期の取組み 売上拡大⑤ 商品施策【トップバリュ・コルドンヴェール】

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商品施策の最後に、トップバリュとコルドンヴェールについてお話をしたいと思います。8月のトップバリュの値下げは非常に効果がありました。

ただ、それ以外の商品について、十分にトップバリュの訴求ができてないという反省をふまえて、下期からは上位の50品目について、売上高上期比110パーセントを目標としています。

コルドンヴェールは、ご承知のように、イオングループのワイン専門の商社でございます。こちらは11月1日から、ワイン内構成比を90パーセントに拡大しようということで、マックスバリュについては売上高110パーセント目標。ザ・ビッグについては売上高140パーセント目標と数字を変えていこうということで、商品の差別化、売上増、粗利の改善に努めていきたいと思います。

下期の取組み 売上拡大⑥ デリカ部門の更なる引き上げ

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デリカ部門の更なる引き上げということで、上期の数字でいいますと、デリカの中で一番効果があったのはお弁当です。お弁当2便対応で(昨年比)104パーセントぐらい売れました。さらに、ホットデリカ等も引き上げて、下期(部門売上高)110パーセントを目標にやってまいりたいと思います。

下期の取組み 売上拡大⑦ 2017/10/3 OPEN!!

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下期は新店を3店舗出しますけれども、2017年10月3日に姫路でマックスバリュ南今宿店がオープンしました。この店は今までのマックスバリュと少し違って、「街の魚屋さん」宣言ということで、魚を中心に強化した店を作りました。

先ほど農産と水産が悪かったと言いましたが、水産も受け身ではなく、いろんなやり方の組み合わせだと思っておりますので、このようなことも進めていきたいと思います。

下期の取組み 売上拡大⑧ 新規出店と既存店活性化

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新規出店については、それ(マックスバリュ南今宿店)以外に、ザ・ビッグ今治ワールドプラザ店(愛媛県)とザ・ビッグ岩国店(山口店)がオープンします。

下期の取組み 経費効率化① フレックス社員拡充の取組み

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あとは経費について少しお話しして終わりたいと思います。このシーズンは、フレックス社員の拡充の取組みということで、上期は当初の目論見から、フレックスさんの給料が1億9,000万円程度オーバーしました。

左側の表(2016年度)のフレックス社員の入社者数と退社者数はほぼ同じくらいです。1,600人ぐらい入って辞めていたというのが去年です。

今年は入社者数が2,342人、退社者数が1,231人ということで、(昨年度と)足し合わせると1,200人程度フレックス社員がとどまっているという状況です。これが顕著になったのが、6月の後半ぐらいからです。

これは何をしてるかといいますと、1つはネットを中心に、本部一括で採用を大幅に変えました。今はネットで応募いただいた方が結果的にうちに入社される比率が圧倒的に高いということで、実際に経費削減にもなるということがあります。

もう1つ退社者数が減っているのは、4月1日に思い切って入れている賞与が出る仕組み。資格制度があって、技術を上げていく仕組みを入れておりますので、まだまだ検証が必要ですけれども、これによって退社者数が減ってるのではないのかなと考えております。

右下が、派遣費用の削減です。上期は4億7,500万円使っており、下期は2億9,000万円ということで半分までいきません。10月末の時点で、不要な派遣は止めるということで、先ほど言ったフレックス社員の給与の問題はある程度解決できるだろうと思っています。

下期の取組み 経費効率化② 販促ツールの見直し/水道光熱費の削減

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販促ツールの見直しと水道光熱費の削減についてご報告をします。水道光熱費については、単価の見直しも終わりましたので、上期に比べて8,300万円ぐらい下がる計画をしています。

販促ツールの見直しにつきましては、今年の上期にトップラインを上げるべく、相当程度販促費にコストを下ろしておりました。

それについては今、チラシからWebにどんどん移行しているのですが、もう一度経費の見直しをして、チラシで1億1,000万円ほど削減しても大丈夫だろうということで計画しております。

下期の取組み 連結子会社:マックスバリュ青島

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マックスバリュ青島について少しご説明いたします。青島では今、2店舗営業をしております。去年8月にオープンした海岸錦城店の数字が大幅に変わってまいりました。

中国の人を中心としたオペレーションと、商品の仕入れの仕方を変えて、客数・回転数が増加しておりますので、この調子で3号店の海岸錦城店を早期に黒字化に持っていきたいと思っております。

2018年2月期通期の見通し

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最後に、2018年度2月期通期の連結業績予想を報告したいと思います。このスライドは、今年(2017年)4月12日に公表した数字でございます。

上期は非常に厳しい数字でしたけれど、客数増、経費削減、生産性向上の取組みをすることによって、当初の公表数字については変更なしでやっていきたいと考えております。

少し長くなりましたけれども、以上をご報告としたいと思います。ありがとうございました。

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