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ファストリ、海外ユニクロ好調で過去最高業績を達成 来期に売上高2兆円突破へ

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2017年10月12日に行われた、株式会社ファーストリテイリング2017年8月期通期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

【連結】 2017年8月期 実績

岡﨑健氏:CFOの岡﨑でございます。私から2017年8月期の業績、および2018年の8月期業績見通しについてご説明をいたします。

2017年8月期の連結業績は、売上収益が1兆8,619億円、前期比4.2パーセント増。事業そのものの収益を示す事業利益が1,840億円で同13.6パーセント増。営業利益が1,764億円、同38.6パーセント増。

親会社の所有者に帰属する当期利益が1,192億円、同148.2パーセント増と過去最高の業績を達成することができました。

とくに海外ユニクロ事業の増益が連結業績に大きく貢献したことや、減損損失が大きく減少したこと。為替差益を計上したことで、当期利益は計画を大きく上回り、前期比2.5倍となりました。

【連結】 2017年8月期 売上収益

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売上収益は前期比754億円の増収となりました。これは海外ユニクロ事業が527億円の大幅な増収となったことによります。

【連結】 2017年8月期 営業利益①

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営業利益につきましても、海外ユニクロ事業が357億円の大幅な増益と、大きく寄与しました。

これにより、セグメント別の営業利益の合計に占める海外ユニクロの構成比は39.9パーセントまで拡大をいたしました。

【連結】 2017年8月期 営業利益②

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続いて、連結の損益計算書のポイントをご説明いたします。

営業利益は1,764億円、同38.6パーセント増の増益となり、営業利益率は2.4ポイント改善いたしました。

まず売上総利益率ですが、48.8パーセントと0.4パーセント改善いたしました。これは主に海外ユニクロ事業で2ポイント、国内ユニクロ事業で0.3ポイント改善したことによります。

売上販管費比率は38.9パーセントと0.4ポイント改善をしております。これは海外ユニクロ事業で1.7ポイント改善したためです。

この結果、事業利益は1,840億円と13.6パーセントの増益となりました。その他の収益費用の合計は76億円のマイナスとなっております。

【連結】 その他収益・費用の主な内訳

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詳細につきましては、次の7ページの一覧表をご参照ください。

【連結】 2017年8月期 親会社の所有者に帰属する当期利益

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スライド8ページに向かいます。次に金融損益ですが、期首に比べ為替が円安になったことから外貨建資産などの換算額が増加し、金融損益はネットで169億円のプラスとなっております。

この結果、税引前利益は1,289億円と138.4パーセント増。親会社の所有者に帰属する当期利益は1,192億円。148.2パーセント増となりました。

2017年8月期 セグメント別 実績

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セグメント別の業績ですが、全体像は9ページのスライドの通りです。

【国内ユニクロ事業】 2017年8月期 実績

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セグメント別、まず最初は国内ユニクロ事業の通期の業績からまいります。売上高・売上収益は8,107億円。前期比1.4パーセント増。営業利益は959億円。

6.4パーセント減と増収減益の結果となりました。減益となった理由は粗利益率の改善が0.3ポイントに留まった一方で経費比率が1.3ポイント上昇したことによります。

詳細については後ほどご説明させていただきます。

【国内ユニクロ事業】 売上収益の状況

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まず、国内ユニクロ事業の売上ですが、既存店売上高は通期で1.1パーセント増となりました。上期は売上規模の大きい12月に気温が高かった影響により、前年同期で0.1パーセント増にとどまりましたが、下期は2.4パーセント増となりました。

これはワイヤレスブラ、感動パンツ、イージーアンクルパンツ、UTなどの話題性のある商品の販売が好調で客数が増加したことによります。

また、Eコマースの販売につきましては、3月24日のスマートフォンサイトの刷新、さらに商品やサービスを拡大した結果、4月以降の伸び率は平均23パーセント増と順調に成長しております。

【国内ユニクロ事業】 売上総利益率

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次に通期の売上総利益率ですが、48パーセントと前期比0.3ポイント改善いたしました。

為替の社内レートが円安傾向にあったため、減価率の上昇が続いているなかで、上期は毎日お買い求めやすい価格戦略より、値引き率をコントロールいたしました。

これに加え、値引き率が大きかった前年度に対して、値引きロスが改善したことから、上期の粗利益率は前年同期比2.1ポイント上昇しました。

一方下期は毎日お買い求めやすい価格戦略開始から1年が経過したこと。第4四半期には在庫処分を積極的に進めたことから値引き率の改善幅としては縮小いたしました。

下期の粗利益率は計画を下回り、同2.1ポイント低下しております。

【国内ユニクロ事業】 販管費

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国内ユニクロ通期の売上販管費率は36.1パーセントと前期比で1.3ポイント上昇しております。

上期は物流改革にともなう一時的な費用の増加等によって経費率は前年同期比で0.8ポイント上昇いたしました。下期の経費率は1.8ポイントの増加となっておりますが、これは減価償却費と租税公課の増加といった、会計および税制上の変更が影響しております。

これら制度上の変更にともなう経費の増加金額は合計で34億円、経費率への影響は通期では0.4ポイント。下期のみで見ますと、1ポイントというふうになっております。

主な経費項目についてご説明いたしますと、まず人件費ですが、売上比率は0.3ポイント上昇しました。これは売上が計画を下回ったことによる比率の上昇に加え、下期から一部地域での時給の上昇、繁忙期による臨時雇用が増加したことによって、店舗人件費が増加をしたためです。

物流費は0.5ポイント上昇いたしました。上期は0.8パーセント上昇いたしましたが、下期は配送の効率化や予備倉庫の削減などによって0.1ポイントの上昇にとどまるなど、物流費については着実に改善が進んでおります。

広告宣伝費は0.1ポイント改善いたしました。これはチラシや新聞広告の効率化によるものです。

【海外ユニクロ事業】 2017年8月期 実績

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セグメント別、次は海外ユニクロ事業についてご説明いたします。

海外ユニクロ事業、通期の売上収益は7,081億円。前期比で8.1パーセント増。営業利益は731億円。同95.4パーセント増と営業利益は計画を上回り、前期比でほぼ倍増となりました。

とくにグレーターチャイナ、東南アジア・オセアニア地区での成長がめざましく、中でも東南アジアはグレーターチャイナ、韓国に次ぐ海外ユニクロ事業の柱として、成長のステージに突入しております。

売上収益は8.1パーセント増加にとどまっておりますが、これは為替による押し下げ要因が通期で約6パーセントあったことによるもので、現地通貨ベースで見ますと、約15パーセント程度の増収ということで、売上のほうも計画を上回って拡大をしております。

営業利益が前期比で倍増になった要因は、各エリアで値引きを抑えた商売に展開したことで、粗利益率が大幅に改善したこと。

また、各エリアで経費削減の効果が見られたことに加え、米国の赤字幅が半減したことによります。

【海外ユニクロ事業】各エリアの業績トレンド①

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次に各エリアの業績トレンドについてご説明いたします。グレーターチャイナの通期の売上収益は3,464億円、前期比4.1パーセント増。

営業利益は501億円。37パーセント増と計画を上回る増収増益を達成いたしました。グレーターチャイナの増収率は4.1パーセントにとどまっておりますが、これは為替による円換算の押し下げ要因が通期で約7パーセントあったことによります。

詳細につきましては、のちほど上席執行役員の潘よりご説明させていただきます。韓国は増収増益となりました。

経営改革を進めたことによって、計画を上回る大幅な増益を達成しております。既存店売上高は通期では減収となったものの、商品構成を見直したこと、デジタルマーケティングのシフトにより、感動パンツやエアリズム、ブラトップなどのコア商品が話題を集めることができ、下期から増収に転じております。

また、値引きに頼る商売から脱却し、通期の粗利益率は改善いたしました。店頭の在庫水準を見直したことによって、人件費、物流費も大幅に改善しております。

【海外ユニクロ事業】各エリアの業績トレンド②

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次に東南アジア・オセアニア地域も計画を大幅に上回り、営業利益は前期比で倍増いたしました。

東南アジア・オセアニア地区は経営基盤がさらに強化されたことから、今後出店を加速していくことによって、よりいっそうの事業拡大が見込まれると考えております。

詳細につきましては、後ほど上席執行役員の守川よりご説明をさせていただきます。

営業利益は501億円で37パーセント増と、計画を上回る増収増益を達成いたしました。米国は計画通り、赤字幅が半減いたしました。

デニム、UTなどのコア商品やコラボ商品の情報発信が成功し、既存店売上高は増収となりました。

また、地域の特性に応じた商品構成を見直したことで、値引き率が改善し、粗利益率が上昇いたしました。加えて経営改革が進み、経費比率も大幅に改善しております。

カナダ事業につきましては、2016年秋に2店舗、2017年10月のバンクーバーに出店し、順調な売上となっております。

【海外ユニクロ事業】各エリアの業績トレンド③

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次にヨーロッパは計画通りの増収。営業利益は若干の増益となりました。ロシア、フランスを中心に欧州全体で合計20店舗の出店と、前期比で出店数が大幅に増えたことによる経費増で営業利益で見ますと、若干の減益となっております。

なお、2017年9月にスペイン初の店舗をバルセロナにオープンし、好調なスタートとなっております。

【グローバルブランド事業】 2017年8月期 実績

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セグメント別、最後でございますが、グローバルブランド事業についてご説明いたします。

グローバルブランド事業の売上収益は全体で3,401億円。前期比3.5パーセント増。営業利益は140億円。47.5パーセント増と、計画は下回ったものの、増収増益を達成いたしました。

これは、セオリー事業が大幅な増益となったこと、J Brand事業の減損損失が縮小したことによります。

グローバルブランド事業のなかで、まずジーユーですが、売上は1,991億円。同6パーセント増。営業利益は135億円。同39パーセント減と売上利益ともに計画を下回る結果となりました。

デザインブラウスやビッグシルエットトップス、デザインボトムス、パジャマ、シューズなど、好調な商品に欠品による機会ロスが生じた一方で、想定したほどのヒットにならなかった商品もあり、既存店売上高は3パーセントの減収となりました。

既存店売上高が17パーセント増とハードルが高かったことも減収の一因であると考えております。売上が計画を下回ったこと、円安による減価率の上昇により粗利益率が低下いたしました。

デジタルマーケティングへのシフトにより広告宣伝費が減少したものの、物流費や人件費が増加したため、経費率は上昇しております。

なお、ジーユーの海外事業につきましては、3月に香港に初出店をして成功を収めています。中国および台湾の収益性も大幅に改善してきております。

次にセオリー事業は計画を大幅に上回る増益となりました。これは米国のセオリーブランドが好調なことに加え、プラステブランドの収益性が回復したことによります。

コントワー・デ・コトニエ事業は経費削減を進めたことで赤字幅を縮小してきてます。プリンセス タム・タム事業は赤字が継続しております。

J Brand事業も赤字が継続し、減損損失36億円を計上いたしました。

【連結】 2017年8月期末 B/S

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ここからは2017年8月期末のB/Sについてご説明申し上げます。資産の合計は1兆3,884億円と、前期末比で1,503億円増加いたしました。

また、資本合計は7,620億円と、1,643億円増加をしております。詳細につきましては次のスライドでご説明しております。

【連結】 B/Sのポイント(前期末比)

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B/Sのポイントといたしまして、流動資産が1,530億円増加した要因についてご説明いたします。

現金及び現金同等物は6,838億円と、前期末比2,983億円増加をいたしております。これは営業キャッシュフローが大幅に増加したこと。および、3ヶ月超の定期預金の取り崩しによるものです。

定期預金を取り崩したことで、短期金融資産は減少しております。また、たな卸資産は2,896億円と、196億円増加しております。

これは主に海外ユニクロ事業の店舗拡大に伴って、在庫が拡大したことによります。

【連結】 2017年8月期 キャッシュ・フロー

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次に2017年8月期のキャッシュ・フローについてご説明いたします。営業活動によりキャッシュ・フローが2,121億円による収入と大幅に増加した結果、2017年における現金及び現金同等物に係る加算差額は6,838億円となりました。

【連結】 2018年8月期予想 通期業績

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最後に2018年8月期の通期業績予想についてご説明してまいります。

2018年8月期も過去最高の業績となる見込みです。売上収益につきましては、2兆500億円。前期比10.1パーセント増。事業利益は2,050億円の11.4パーセント増。

その他収益・費用として50億円の費用を予想しております。このうち25億円は中国、米国などの海外ユニクロ事業の店舗閉店にともなう、除却損、閉店損です。

この結果、営業利益は2,000億円の13.4パーセント増となる見込みです。金融収益費用では前期から169億円のプラスとなっておりますが、今期の予想には期初の為替レートを1ドル110円を前提とし、現時点では為替差損益では見込んでおりません。

この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,200億円。0.6パーセント増を見込んでおります。

2018年8月期 セグメント別の業績予想(1)

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次のスライド、各セグメント別の業績予想についてご説明いたします。

まず、全体の業績を大きく牽引していく海外ユニクロ事業についてです。大幅な増収増益を見込んでおり、売上金額は初めて国内ユニクロ事業を上回る見込みです。

営業利益の水準も、国内ユニクロ事業に迫る勢いです。エリア別ではグレーターチャイナ、東南アジア・オセアニア地区が引き続き大幅な増収増益を見込んでおります。

中でも東南アジア・オセアニア地区は今期は約40店舗の出店と、出店ペースを加速し、さらなる事業の拡大を目指していきます。

韓国・ヨーロッパ事業も増収増益を見込んでおります。また、北米事業につきましては、今期も赤字が半減するということを見込んでおります。

2018年8月期 セグメント別の業績予想(2)

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次に国内のユニクロ事業ですが、若干の増収増益を見込んでおります。既存店売上高は1.9パーセントの増収を見込んでおります。このうちEコマースは約30パーセント増収の計画です。

粗利益率は、値引率をコントロールしていくものの、原価率が上昇していくため、若干の低下を見込んでおります。

一方、経費削減策は引き続き強化をしていく計画で、とくに在庫水準の見直し、人件費、物流費の効率化を進め、さらなる経費削減を進めていく予定です。

次にグローバルブランド事業ですが、増収増益を見込んでおります。ジーユー事業につきましては、増収増益の見込みです。

今期は業績回復に向けて数値計画の制度と高めるとともに、期中企画商品、および追加生産商品の比率を大幅に拡大することで、ヒット商品の芽を逃さない体制へと変革を進めていきます。

また、これを実現するために、生産地の見直しも含め、生産リードタイムの短縮を進めてまいります。

これに加え、ロンドンのR&Dセンターと連携し、商品開発力の強化を図っていきます。また、今期は中国大陸を中心に、海外出店を約10店舗計画しており、ジーユーの海外事業についても拡大を進めていく予定です。

セオリー事業は引き続き大幅な増収増益、コントワー・デ・コト二エ事業、プリンセス タム・タム事業、J Brand事業は赤字幅が縮小する予定でございます。

2017年8月期 配当金予想

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配当金についてご説明させていただきます。

2017年8月期の配当金は期末配当金175円を含み、1株あたりの年間配当金、350円を予定しております。

2018年8月期の配当金につきましては、中間期末ともに175円、あわせて年間で350円。前期と同額の配当を見込んでおります。

以上で私からの説明を終わります。

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