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あすか製薬、上期は増収増益 「新たな治療の道」リフキシマが市場に浸透拡大

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2017年11月22日に行われた、あすか製薬株式会社2017年度上期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

2017年度上期決算説明会

丸尾篤嗣氏:みなさん、おはようございます。本日は大変ご多忙の中、あすか製薬株式会社の決算説明会にお越しいただきまして、ありがとうございます。私は、社長(山口隆氏)の説明に先立ちまして、2017年度上期の決算の概要についてご説明したいと思います。

損益計算書(連結)

前期、2017年度上期の売上高は、250億5,400万円。前年同期比で7億3,700万円のプラスとなりました。上期の売上で見ますと、初めて250億円を超えたという結果となっています。

売上原価は、152億3,100万円。原価率は60.8パーセントです。前年同期の原価率が61.8パーセントですので、1ポイントの改善となりました。

この結果、売上総利益は98億2,200万円。前年同期比で5億3,400万円のプラスとなりました。

一方、販売費及び一般管理費は、79億4,900万円。これは、ほぼ前年と同水準となっております。

この結果、営業利益は18億7,200万円・経常利益は19億9,300万円となり、前年同期比で5億円強の増益となっています。

最後の当期純利益は、16億4,300万円。前年同期比で3億6,700万円のプラスとなりました。

この上期に関しましては、増収増益の決算という結果になっています。

事業別売上高(連結)

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こちらは、連結の事業別売上高です。

売上全体の約90パーセントを占める医療用医薬品は、227億500万円。前年同期比で6億8,400万円のプラスとなりました。増加額の7億3,700万円の大半を、この医療用医薬品で占めています。

次に、動物用医薬品です。これは売上全体の約9パーセントですけれども、22億3,200万円。前年同期比で6,300万円のプラスとなりました。

そして、その他の項目です。この中には検査事業、それから健康食品事業等が含まれます。売上高は1億1,600万円。前年同期比で1,000万円のマイナスとなり、微減という結果になっています。

主要製品売上高

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こちらは、医療用医薬品の売上高を領域別・製品別に見たものです。

これを見ておわかりの通り、今回の売上増のリード役となったものが、まず内科の「カンデサルタン類」です。これは全部、AG(オーソライズド・ジェネリック)です。売上高は68億4,300万円。前年同期比で8.2パーセントのプラス、約5億円の増収となっています。

それから、「リュープロレリン」。売上高は20億7,000万円。前年同期比で8.7パーセントのプラスとなっています。

そのほか、新製品が売上の増加に貢献しています。産婦人科の「ルテウム腟用坐剤」。売上高は2億1,400万円。前年同期比で64.1パーセントのプラスとなっています。

それから、(内科の)「リフキシマ」です。これは昨年(2016年)の11月に発売となっています。後ほど社長のパートで説明がありますけれども、全国の大学病院を始め、着実に採用が進んでおります。これにより、売上高は3億3,300万円で、(全体の)売上増加に寄与するという結果になっています。

営業利益増減分析(対前同)

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こちらは、前期の営業利益の増減について、対前年同期で分析を加えたものです。

まず、2016年度上期の営業利益は13億3,200万円。

これに対して、売上総利益の増加は5億3,400万円。これは先ほどご説明した、売上の増加にともなうものです。

次が、研究開発費。これが若干減少していて、営業利益を8,400万円押し上げております。研究開発費の減少要因ですけれども、これは予定していたスケジュールが若干下期にズレ込み、このような結果になっています。

それから、減価償却費の増加。これは、営業利益に対してマイナス4,500万円の寄与でございます。有形固定資産につきましては、減価償却費が減少しているのですけれども、新規導入品の無形固定資産販売権の償却等が進み、このような結果になっています。

それから、PMS(製造販売後調査)費用の増加。これは、営業利益に対してマイナス1億400万円となっています。主な理由が、リフキシマの発売にともない、それにかかる全例調査を行わなければいけないということです。これにより、前期はPMS費用が増加したという結果になっています。

その他販管費は、7,100万円の減少となっています。着実な効率化・合理化策の結果として、営業利益を押し上げる要因となっています。

以上の要因・結果をもちまして、2017年度上期の営業利益は18億7,200万円ということで、前期に比べて約5億円の増加となっています。

貸借対照表(連結)

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連結のバランスシートです。こちらのスライドは、(資料の右側)2017年度上期末の結果を(資料の左側)2016年度末の結果と対比したものです。

総資産は672億6,500万円。対前期末比で11億3,800万円の増加になっています。

内訳を見ますと、流動資産が8億600万円の増加。これは主に、売上増加にともない、売掛債権や在庫が増加したことによるものです。

総資産は増加となっています。いちばんの要因は、投資その他の資産が8億5,200万円増加したということ。これは主に、保有している株式が株価上昇にともない、残高が増えたことによるものです。

一方、負債項目は流動負債・固定負債ともに、減少になっています。流動負債につきましては、買掛金は増加したものの、未払いの法人税の納付にともない、全体では減少しました。また、固定負債につきましては、借入金の返済等が主な減少要因となっています。

この結果、純資産は419億6,600万円。前年度末比で24億5,400万円の増加となっています。

自己資本比率を見ますと、今期末が62.4パーセント。前期の59.8パーセントに比べて、約2ポイントの増加になっています。

2017年度予想(連結)

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私のパートの最後ですけれども、今年度の連結の業績予想です。

売上高が500億円。営業利益が20億円。経常利益が21億円。当期純利益が18億円。年初の見通しを変えていません。今後、通期につきましては随時精査を行いまして、必要に応じて見直しを行いたいと考えています。

私のパートは以上です。どうもありがとうございました。

本日の内容

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山口隆氏:それでは私から、今年度の上期の総括及び下期以降の我々の取り組みについて、お話をさせていただきたいと思います。

まずは、上期総括。それから、重要なリフキシマの進捗状況。それから、産婦人科・甲状腺領域(スペシャリティ領域)における我々の取り組み。開発のパイプライン。そのような順番で、お話をさせていただきたいと思います。

2017年度上期の総括

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先ほど専務の丸尾から話をさせていただきましたけれども、業績については非常に順調に進んでいます。カンデサルタンAG・リュープロレリンといったジェネリック医薬品が牽引している状況です。

リフキシマについても、あとでご説明いたしますけれども、着実な採用を進めておりまして、非常に現場に浸透し始めているところです。

また、このような活動をするための、営業を中心にした組織改革を進めて、より我々がアクティブに活動できるようなシステムを作っています。

「今後は活動をリフキシマ、産婦人科領域へシフト」ということで、当面はジェネリック医薬品が、売上構成比の大きなシェアを占めておりますけれども、我々としては経営資源を新薬、それからスペシャリティ領域へシフトさせていくという戦略を立てていきたいと思っております。

リフキシマ発売後の状況

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まず、リフキシマについてご説明します。

非常に順調に推移しています。売上は約3億円ということで、順調に市場へ浸透いたしまして、すでに全81大学病院に採用されています。それから、全肝疾患診療連携拠点病院の採用も進みました。非常に短期間で進んだということは、とても大きな成果であったと思います。

(リフキシマは)専門の雑誌にも「新たな治療に道」と、採用率も高い薬ということで紹介もされました。非常にいいかたちで、市場に浸透しているところです。

我々としては、この下期の(2017年)12月に、長期処方の解禁という目標がございます。それを迎えて、さらなる市場浸透を図っていくということで、活動を活発に行っていきたいと思っております。

適正使用情報の収集

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適正使用情報の収集です。非常に症例数が集まりまして、先ほどの長期処方の解禁にあわせて、しっかり収集をしている状況です。

産婦人科領域での協業促進

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次に、スペシャリティ領域のご説明です。今、産婦人科領域での取り組みがメインで進んでいます。

(スライドにあるように)我々としては、これだけの製品を持っております。主に、緊急避妊薬の「ノルレボ」、子宮筋腫・内膜症のリュープロレリン、不妊症-排卵誘発剤のルテウム腟用坐剤といった製品が、非常に大きく伸びてきております。

そこへ、ノーベルファーマ株式会社さんとの協業が始まっておりまして、「ノベルジン」(低亜鉛血症治療薬)が発売になっております。

それから、後ほどご説明しますが、(月経困難症を適応とする)「NPC-16」という、ノーベルファーマさんが開発しているものについても、我々と一緒にビジネスを展開していこうということで契約をして、進めていきたいと考えております。

そのようなことで、今後もプレゼンスの向上を着実に進めていくことを、我々の戦略の1つとしています。

甲状腺領域の活動

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甲状腺領域については、我々は97パーセント以上のシェアを持っております。「チラーヂン」「メルカゾール」「プロパジール」という製品で、現在は68億円の売上を達成することができました。

これを、将来的には100億円まで持っていこうと考えております。今後甲状腺領域において、しっかり戦略を立て、スペシャリティ領域として取り組んでいきたいと考えています。

我々は非常に社会的責任のある仕事をしているので、今後もしっかりと取り組んでいきたいと考えております。安定供給・安定生産ということが1つの大きな目標になり、それを達成していくことが、重要だと考えています。

そして、オーファンドラッグ、つまり希少疾病医薬品である新しいT4注射の製剤を投入していくことを考えております。

開発パイプライン

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開発パイプラインについて、ご説明いたします。

開発パイプラインにつきましては、まず「リファキシミン」。リフキシマの肝性脳症の小児の適応を現在準備中で、これを進めたいと考えております。

産婦人科領域においては、子宮筋腫の「ウリプリスタル」の開発は、フェーズⅢに入りました。早期に承認取得を目指すことがまず必要だと考えております。

それから「AKP-501(rFSH製剤)」もフェーズⅠを終了して、次の段階へいくかどうかを今考えているところであります。

先ほどのT4の注射剤も、医療上必要性の高い未承認薬ということで、開発が決定して、準備をしているところです。

それから、ノーベルファーマのNPC-16も、すでに申請の段階まできております。発売時には我々が協力して、マーケットを拡大させていくことを考えています。

次期新製品の開発パイプライン

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次期新製品の開発パイプラインのご説明です。開発パイプラインには、これから乗っていくということです。(まず)先ほどご説明した、ノーベルファーマのNPC-16でやっていきます。

今後、我々にとって重要な点は、「他社との提携」「適応拡大」「自社創製品の開発」「新しいテクノロジー」。この4つのキーワードを、しっかり組み立てていきたいと考えております。

適応拡大につきましては、リフキシマのIBDの適応について、今準備をしております。どういうかたちで進めるかということがかたまり次第、開発を進めていきたいと考えております。

それから自社創製品は、次年度には開発の段階に入ってくるだろうと思いますけれども、泌尿器のものが1つございます。しっかりしたかたちになりましたら、ご紹介できると思います。我々としても、期待しているものです。

新しいテクノロジーといたしまして、今年(2017年)TesoRxからの導入品、「THG-1001」を導入いたしました。テストステロンの補充療法ということです。新しいDDS(ドラッグデリバリーシステム)による補充療法ということで、展開していきたいと考えています。

それから、Pieris社からの導入品「PRS-080」は、貧血の治療剤ということで開発を進めています。いずれも、新しいテクノロジーを使った新薬でございます。そういうものを今後開発して、開発パイプラインに乗せていきたいと思っております。

生産性向上の取り組み

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「ASKA PLAN 2020」の進行中ですが、その中で、生産性の向上に取り組んでいます。効率化推進ということで、いわき工場の構築全社システムの構築を進めています。それから、働き方の改革ということで、多様な働き方に対応できるような人事制度を導入することにより、生産性の向上に取り組んでいます。

ASKA PLAN 2020 目標にむけて

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世の中では今後、いろいろな環境変化がありますけれども、我々としては今年度(2017年度)、売上高の計画数値に500億円を掲げております。そして中計では、2020年度に700億円という目標を立てております。その目標に向けてしっかりとやっていきたいと考えています。

あすか製薬グループ

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あすか製薬グループとして、本体のあすか製薬、検査を中心としたあすか製薬メディカル、それからあすかアニマルヘルス。このグループの中でしっかり目標を達成するように、がんばっていきたいと思っております。

先端の創薬を通じて、 人々の健康と明日の医療に貢献する

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最後のスライドです。我々の経営理念であります、「先端の創薬を通じて、人々の健康と明日の医療に貢献する」の実現を目指して、しっかり仕事をしていきたいと思います。まずは、今年度の目標達成に向けて、着実に取り組んでいきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

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