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ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

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2018年2月8日に行われた、株式会社ネクソン2017年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

2017年第4四半期決算発表会

オーウェン・マホニー氏(以下、マホニー):ネクソンの2017年第4四半期決算発表会にご参加いただき、ありがとうございます。ライブ配信にてご参加の方々にも、御礼申し上げます。

今日は、過去最高の通期業績となる2017年度の業績をご報告できることを、大変嬉しく思います。

2017年通期の売上収益は前期比25パーセント以上。営業利益は2倍以上、当期純利益は約3倍、各々伸びました。牽引役は各地域の主力タイトルと、昨年に配信を開始した新作ゲームでした。過去最高の第4四半期売上収益と営業利益を記録しました。

詳細は植村が後ほど説明をいたします。

『アラド戦記』の業績

2017年の『アラド戦記』の業績も好調で、事業成長を強く推進しました。今年は中国でのサービス開始10周年を迎えます。この息の長い強固な伸びは、エンターテインメント業界でよく見られる傾向とは異なり、Software as a Service的な安定収益をもたらし、同業者を驚かせています。

サービス開始以来、短期的なリターンではなく、長期的成長を優先してきました。当社がユーザーに対するサービスを、ほかの何よりも優先してきたがゆえの業績結果です。

『アラド戦記』は前期比で売上成長率2桁台を記し、昨年も2桁パーセント台で伸びたことを考えますと、目を見張る結果となりました。

全体感と規模を掴んでいただくために、他業界と比較してみましょう。ちなみに、1977年に始まったスターウォーズシリーズは歴代最大の映画シリーズで、推定累計興行収入は90億ドルです。

一方、『アラド戦記』の累計総売上高はそれを超えており、配信開始からまだ10年ほどです。

(2018年)2月1日に実施した、中国の『アラド戦記』の旧正月アップデートは好スタートを切り、次回の四半期説明会で結果報告をすることが今から楽しみです。

『メイプルストーリー』の業績

2017年は『メイプルストーリー』にとっても、結果を出せた1年で、グローバル売上収益は前期比で2桁台の成長率でした。

『アラド戦記』同様、『メイプルストーリー』の長期的成長はネクソンの重要な姿勢の表れです。好業績を継続できたのは、ライブ運用チームが長期的視点を持ち、短期的収益を追求せず、常に多くのユーザーを魅了し続けることに注力してきたからです。

ユーザーにとっての長期的価値創造を優先することで、今までずっと株主の方々に、しっかりした安定的リターンを提供してきました。ゲームおよびそのライフサイクルに対する他社とは異なる弊社の姿勢を象徴しています。

第4四半期を含む昨年度の好業績は、足元の数ヵ月、数四半期に下した決断の結果ではなく、1年以上前に行った苦渋の選択の賜物です。

『Choices: Stories You Play』

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ではここで、当社が最近行った決断を少しご説明します。今後の成長を後押しするものです。

すでに発表の通り、『Choices: Stories You Play』を手がけたカリフォルニアの開発会社、Pixelberry Studiosを第4四半期に買収しました。

(Pixelberry Studiosの)統合は順調に進んでおり、当社の高度なデータ分析プラットフォームとPixelberry Studiosのゲーム運用サーバーを統合しつつあります。第4四半期において『Choices: Stories You Play』は好調で、本年も良いスタートを切りました。

『Choices: Stories You Play』は、まだ十分なサービスが提供されていないセグメントに向けた、ゲームと物語を融合させた、まったく新しい形態のマスメディアです。

『Choices: Stories You Play』とPixelberry Studiosは、革新的な発想を具現化し、ゲーム・メディア業界の進歩そのものを象徴しています。

多くのゲーム会社が、既存の特定のゲームプレイヤーありきのイノベーションに基づくビジネスモデルの模倣に躍起になっている中、当社は、継続的な成長は、常に新しい発想を生み続け「ゲームとは何か」を自問することよりのみ可能であると信じています。

安定収益を生むビッグタイトルを持つがゆえに、当社は次のヒット開発にリスクが取れます。

ゲーム業界における多くの大ヒット作と同様、『Choices: Stories You Play』もシンプルな映像の裏に、想像を超える奥深い世界が存在しています。

『OVERHIT』

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

次にご紹介するのは『OVERHIT』です。

(2017年)11月28日に韓国で配信を開始しました。『OVERHIT』は、『HIT』を開発した韓国の会社で、(当社の)パートナーであるNAT Gamesが開発しました。韓国での早期の(良好な)結果に大変満足しております。日本での配信を皮切りに、ほかの地域にも展開していく予定です。

『Durango: Wild Lands』

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

最後に、2週間前に韓国で配信を開始した『Durango: Wild Lands』のゲームプレイ動画をご覧ください。

『Durango: Wild Lands』は素晴らしいスタートを切っています。事前登録者数は250万人に達し、韓国におけるネクソンのゲームの中で過去最高の数となりました。これは韓国の人口の5パーセントに相当します。

課金は比較的少なく、かつ、フィーチャリング前でしたが、Apple、Googleのアプリストアでのローンチ直後に、4位にランクインしました。

『Durango: Wild Lands』は先駆的なゲームで、モバイルでプレイできるフルオープンワールドMMORPGです。恐竜が生息する原始的な異世界が舞台で、プレイヤーは生き残りをかけて、探検や狩り、協力、戦いをしながら、ほかのプレイヤーたちと一緒に、または敵対して社会を築きます。

『Durango: Wild Lands』はモバイルゲームの定義を大きく変えるゲームです。世界中どこを探しても同じようなゲームはありません。当社の開発チームが業界の慣習、ジャンルといった枠組みを超えて、絶えず異なる視点を持ってゲーム開発に取り組んだ姿勢が反映されています。

2018年は、当社が期待する数々のゲームが世界中で配信されます。

経営/組織変更

これらのゲームの立ち上げや継続的な成長を支えるため、幾つか経営体制の変更を行いました。

まず、Nexon Koreaの前CEOの朴智援を、ネクソングループのGlobal Chief Operating Officerに任命しました。韓国以外の地域を中心に、グローバル事業とオペレーションを総括します。そしてNexon Koreaの新CEOには、Nexon Koreaの前事業総括副社長の李政憲が就任しました。

(上記)2名は、ネクソンの成長に大きく貢献してきた優秀なエグゼクティブです。智援はNexon Koreaのゲームのラインナップを拡大し、ライブ運営の機能を再構築しました。政憲は、Nexon Koreaにおいて多くの重要なリーダーポジションを経験し、『FIFA Online 3』、『HIT』、『Dark Avenger 3』、『AxE(アックス)』、『OVERHIT』など、さまざまなモバイルゲームのローンチを成功へと導きました。

これは、ゲームのラインナップを拡大していく中で、組織の機能強化のために行った経営体制の変更です。

最後に、欧米事業について触れたいと思います。(当社は)欧米のユーザーベースに向けて、より良いサービスを提供するため、欧米組織を集中化し、一部の事業を統合しました。

これまで、欧米事業は3つの組織がゲーム運用を担っていました。北米のPCゲーム配信を行うNexon America、欧州のPCゲーム配信を行うNexon Europe、そして北米・欧州のモバイルゲームの配信を行うNexon Mです。

この度、Nexon AmericaとNexon Europeを統合しました。今後、欧米のPCとコンソールゲームの配信は、すべてNexon Americaを通して行っていきます。また、欧米のユーザーに合ったゲーム開発を行うため、昨年、カリフォルニア州アーバインにOC Studio(オーシー・スタジオ)を設立しました。

今後、欧米におけるゲーム配信をNexon MとNexon Americaの2つの拠点で行い、ゲーム開発はBig Huge GamesとPixelberry Studiosに加えて、OC Studioで行っていきます。

私たちの業界を取り巻く環境は、急速に変化しています。今後数年間で、事業を大きく変え得る技術も進展しています。私たちはこれらの変化に迅速に対応する必要があります。今回の組織変更によって、その足場を築けると考えています。

では次に、CFO植村から第4四半期および通期の業績、2018年第1四半期の業績見通しについて説明します。

2017年 業績概要

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

植村士朗氏(以下、植村):それでは、2017年度業績の説明に移ります。2017年度通期の売上収益は、会計基準ベースで前期比28パーセント増加の2,349億円となりました。一定為替レートベースでは、前期比25パーセントの増加となりました。

通期の営業利益は905億円となり、会計基準ベースでは前期比123パーセントの増加。一定為替レートベースでも前期比123パーセントの増加となりました。

当期利益は568億円となりました。会計基準ベースで前期比182パーセントの増加。一定為替レートベースで前期比191パーセントの増加となりました。

第4四半期 業績ハイライト

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

続いて、当第4四半期の業績説明に移ります。なお、詳細は配布資料の2017年第4四半期決算説明資料に記載がありますので、そちらをご確認ください。

売上収益は、会計基準ベースで前年同期比22パーセント増加、一定為替レートベースで14パーセント増加の527億円となりました。営業利益は118億円、また、四半期損失は22億円となり、それぞれ当社の業績予想を下回る着地となりました。

主に中国の『アラド戦記』が四半期を通じて好調であったことにより、売上収益は当社業績予想レンジの上限値での着地となりました。

利益率の高い中国の『アラド戦記』が好調であったことや、人件費およびCSR活動に関わる寄付金が計画を下回ったことなどにより、費用が想定を下回ったことが、営業利益に対しての増益効果となりました。

一方で、主に子会社に掛かるのれん、パブリッシングタイトルに係る前払いロイヤリティ、および、ゲームIPの減損損失の発生により、営業利益は当社業績予想を下回りました。

また、22億円の四半期損失が発生し、当社の業績予想を下回りました。主な要因は、当第4四半期中に米ドルに対して韓国ウォン高が進行したことで、米ドル建ての現金預金および売掛金について為替差損155億円が発生したことによるものです。

中国/韓国 – ハイライト

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

当第4四半期の中国の売上収益は、業績予想を上回りました。主に、『アラド戦記』が四半期を通じて好調であったことによるものです。当第4四半期は、大型アップデートの実施はありませんでしたが、複数のゲーム内イベントを開催し、ユーザーから好評でした。

例年、第4四半期の売上収益は、夏休みや国慶節などの影響で、季節的に強い第3四半期との比較で減少します。(当年度も)季節性により、第4四半期の中国『アラド戦記』の売上収益、ARPPU、MAU、課金ユーザー数は、いずれも前四半期比で減少いたしました。前年同期比では、売上収益、ARPPU、課金ユーザー数は、いずれもプラス成長しました。一方で、MAUは微減となりました。

また、『アラド戦記』に加えて、(2017年)9月にオープンβプレテストを開始した『メイプルストーリー2』が、前年同期比での、中国の売上収益の成長に寄与しました。

第4四半期の韓国の売上収益は、業績予想レンジの下限となりました。PCオンラインゲームの売上収益は、前年同期比で減少しました。『アラド戦記』(の売上収益)が前年同期比で減少したことが主な要因です。これは、2016年下半期に実施した大型アップデートの効果によって好調であった、前第4四半期との比較によるものです。

一方で、モバイルゲームの売上収益は、(2017年)11月28日に配信を開始したモバイルゲーム『OVERHIT』、『AxE』および『Dark Avenger 3』の寄与により、前年同期比で大きく成長しました。

前年同期比でのモバイルゲームの売上収益の増加が、PCオンラインゲームの売上収益の減少を上回ったことから、韓国事業全体の売上収益は前年同期比で成長しました。

日本/北米/欧州及びその他の地域 – ハイライト

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

第4四半期の北米事業の売上収益は、当第4四半期より新たに連結子会社となったPixelberry Studiosの寄与により、前年同期比で成長しました。Pixelberry Studiosの買収は11月下旬に完了し、当第4四半期では約1ヶ月分の損益を連結対象としています。

2018年度第1四半期 業績見通し

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

次に、2018年度第1四半期の業績見通しの説明に移ります。

2018年度第1四半期の売上収益は、会計基準ベースで前年同期比10パーセントから20パーセントの増加。一定為替レートベースでは(前年同期比)5パーセントから15パーセントの増加となる、819億円〜898億円のレンジを予想しております。

日本、欧州およびその他の地域においては、前年同期比で減収が見込まれます。一方、主に中国における事業の好調や、Pixelberry Studiosの寄与による北米の売上収益の増加が見込まれることから、全体では前年同期比で増収を予想しています。営業利益は、451億円〜523億円のレンジを予想しております。四半期利益は、404億円〜463億円のレンジを予想しております。

2018年度第1四半期及び通期 地域別業績見通し

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

中国では主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』に対して、旧正月の時期に合わせたTier 1コンテンツアップデートを(2018年)2月1日に実施し、とても好調なスタートを切りました。旧正月アップデートの初動がとても強く、またアップデートに合わせたアバターパッケージ販売の売れ行きも大変好調であることから、売上収益が前年同期比で成長することを見込んでいます。

加えて、『メイプルストーリー2』の寄与も、中国の前年同期比での増収要因として見込んでいます。2018年の『アラド戦記』の主要アップデートスケジュールについては、2017年度から大きな変更はなく、四半期に1、2回程度のペースで実施する予定です。実施予定のアップデートについては、決算説明資料に記載がありますので、そちらをご確認ください。

韓国では、(2018年)1月にオープンβテストを開始、2月に正式ローンチをした新作PCオンラインゲーム『天涯名月刀(てんがいめいげつとう)』が、新たに売上収益に寄与することを見込む一方で、主に『EA SPORTS™️ FIFA Online 3』および『アラド戦記』などの主力タイトル(の売上収益)が、前年同期比で減少することが見込まれることから、PCオンラインゲームの売上収益は前年同期比で減少することが予想されます。

一方で、モバイルの売上収益については、2017年下半期に配信を開始した『OVERHIT』『AxE』あるいは、2018年1月に配信を開始した『熱血江湖 M』および『Durango: Wild Lands』の寄与により、前年同期比で売上収益が増加することを見込んでいます。

全体ではPCオンラインゲームの売上収益の減少が、モバイルの売上収益の増加を相殺することから、韓国の売上収益は前年同期比でほぼ横ばいとなることを予想しています。

日本では、主に『HIT』やブラウザゲームなどのモバイルゲームからの売上収益の減少が見込まれることから、前年同期比で減収を予想しています。2018年に複数のモバイルゲームのリリース予定があり、現在配信に向けて準備を行っています。

北米では、2017年11月に連結子会社となったPixelberry Studiosの寄与により、前年同期比で増収を見込んでいます。

欧州およびその他の地域では、主に欧州、アジア地域におけるモバイルゲーム『HIT』の売上収益の減少が見込まれることから、前年同期比で減収を予想しています。

2018年度第1四半期営業利益見通し

ネクソン、通期で過去最高、4Qで売上収益・営業利益で過去最高を記録 『アラド戦記』は2桁の成長率

2018年第1四半期における営業利益は、451億円〜523億円のレンジを予想しており、前年同期比で14パーセント〜32パーセントの増加となる見通しです。

対前年同期での増益要因としては、第一に、利益率の高い中国事業からの売上収益の増加です。第二に、2017年第1四半期で発生した減損損失27億円を、2018年第1四半期では見込んでいないことによる、その他費用の減少効果が挙げられます。

一方、対前年同期での減益要因としましては、第一に、主に韓国および北米地域における従業員数の増加、定期昇給、ストック・オプション費用の増加に伴う人件費の増加です。第二に、Pixelberry Studiosの主力タイトル『Choices: Stories You Play』や『Durango: Wild Lands』を含む新作タイトルのローンチに伴う広告宣伝費の増加です。

営業利益を予想レンジの上限で見た場合には、これらの減益要因よりも増益要因が大きいことから、営業利益は前年同期比で増加することが見込まれます。

株式分割に関するお知らせ

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最後に、本日開催の取締役会における、2つの決議事項についてご報告いたします。

1つ目は、株式の分割を行うことについての決議です。株式分割により、当社株式の流動性の向上および投資家層の拡大を図ることを目的とし、本年(2018年)3月31日を基準日として、同日最終の株主名簿に記録された、株主の所有普通株式を1株につき2株の割合をもって分割いたします。

監査等委員会設置会社への移行

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2つ目は、監査等委員会設置会社への移行に関する決議です。選任される監査等委員が取締役会の構成員となることにより、取締役会への監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制のさらなる充実を図ること、また、業務執行の決定権限を業務執行取締役に委任することにより、経営の意思決定の迅速化を図り、業務執行の機動性を向上することを目的としています。

監査等委員会設置会社への移行に伴う、取締役の人選および約款変更の内容については、決定後、速やかに開示いたします。これらの決議に関する詳細は、当社のIR Webサイトにて開示しておりますので、そちらをご覧ください。

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