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【第1回】今後、金利上昇は免れない!? 住宅ローンの借り換えは最後のチャンス?

現在、住宅ローンの金利は、ほぼ過去最低水準となっています。
具体的には、変動金利型でいちばん低いものは0.570%、当初固定金利型(10年)では0.960%、全期間固定金利型(35年)では1.610%(2015年7月時点・MONEY VOICE編集部調べ)で、これは、住宅ローンを新規で借りる人はもちろん、すでにローンを組んでいる人にとっても、今こそ別のローンに借り換えるチャンスといえるでしょう。

今が借り換えのチャンスであるといえる最大の理由は、今後、住宅ローンの金利に大きな影響を及ぼす長期金利(以下、金利)が上昇する可能性が高くなっているからです。

金利が変動する要因はいろいろとありますが、ここ1~2年で、おもな要因がいずれも金利を上昇させる方向に、足並みが揃いつつあります。

おもな金利の変動要因としては、以下の6つが挙げられます。

image
それぞれの要因がどうなると金利がどのように変動しうるのか」を表にまとめてみました。

【金利と変動要因の関係】

image02(MONEY VOICE編集部で作成)

そこで、現在、これらの変動要因がどうなっているのかチェックしてみましょう。

まずは、金利変動に最も強い影響がある①物価動向について。
国内の消費者物価指数は、1999年以降、基調的にマイナスとなる「デフレ」の状態の年が数年にわたり続いていました。しかし、2014年に2.7%と大きく上昇しており(グラフ参照)、明らかに金利上昇要因になっています。ViewAttachmentImage
国内の消費者物価指数の推移(前年比:%)データは総務省の「全国消費者物価指数 2015年4月分」より

お次は②景気動向
景気動向を表す代表的な経済指標であるGDP(国内総生産)は、2014年の実質ベースで、ほぼ前年比で横ばいとなりました。
ただし、2015年1-3月期は、年率換算で+3.9%と高い成長率となっています。つまり、総じて、緩やかな経済成長が続いていると見られ、金利に対しては中立要因といえるでしょう。

③金融政策については、現在、日本銀行は「量的金融緩和」という政策を実施しています。この政策は、金利を低下または抑制することを目的としており、強力な金利低下要因として作用しています。

また、④為替レート⑤株価は、安倍政権による経済政策『アベノミクス』により、大幅な円安になるとともに、株価は大きく上昇しました。今後も円安・株高は続くという見通しが有力で、いずれも金利上昇要因となっています。

さらに、⑥海外金利は、日本の金利に大きな影響のある米国金利がすでに上昇に転じており、金利上昇要因になります。さらに米国は、現在経済が好調なため、年内にも政策金利の引き上げを実施すると見られており、上昇が加速する可能性があります。

6つの要因を、金利への影響別にまとめると、以下のようになります。

【金利上昇要因】 ①物価動向 ④為替レート ⑤株価 ⑥海外金利
【金利低下要因】 ③金融政策
【中立要因】 ②景気動向

6つのうち、4つが上昇要因となっています。

そこで、改めて金利の動きを見てみましょう。

(※出所 日本相互証券 新発10年国債終値ベース)

過去10年間の動きを見ると、現在の金利が極めて低い水準になっていることがわかります。冒頭で記したように、住宅ローン金利が過去最低水準になっているのは、長期金利が同じく過去最低水準になっているからなのです。

しかし、過去1年間の動きを見てみると、やや様相が変わってきます。

(※出所 日本相互証券 新発10年国債月末終値ベース)

2015年1月に過去最低となって以降は、少しずつ上昇しているのです。これは、前述した、上昇要因が影響していると想定されます。

現在、金利が低位安定状態にあるのは、なんといっても、の日銀の金融政策が強く影響していることが識者の一致する見方です。
しかし、日銀は、インフレ率(=物価上昇率)が、消費税の影響を除いて、前年比プラス2%程度の水準で安定的に推移する可能性が高まれば、量的金融緩和を終了すると宣言しています。
つまり、物価がこのまま上昇基調を維持すれば、量的金融緩和の終了により、強力な金利低下要因がなくなるわけです。そうした見通しが現実味を帯びれば、金利は大幅に上昇してもおかしくはありません。

そのインフレが実現する時期ですが、今のところ、日銀は2016年前半と予想しています。金融市場では、もっと遅くなるのではないかという見方が優勢ですが、それでも何年も先のことではありません。重要なのは、来年にも金利が大きく上昇する可能性があるということなのです。過去の推移を見ても、長期金利のトレンドは、いったん変わると、かなりの長期間にわたって継続されます。したがって、今年から来年にかけてが住宅ローンの借り換えのチャンス、しかも、ラストチャンスとなる可能性が高いのです。次回からは借り換えによってどれくらいお得になるのか具体的な事例について説明していきましょう。

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文/松岡賢治
金融ライター、ファイナンシャル・プランナー。シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。
企画/制作 まぐまぐ

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