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AOITYOHold Research Memo(1):統合1期目の業績は計画を上回る増収増益を実現

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■要約

AOI TYO Holdings<3975>は、(株)AOI Pro.と(株)ティー・ワイ・オー(TYO)の経営統合により設立された共同持株会社である。主力のテレビCMの企画・制作を始め、広告主直接取引やオンライン動画などのデジタルコンテンツを軸とした「ソリューション事業」などを手掛けている。業界大手2社の経営統合によりテレビCM制作においてはトップシェアを握る。

インターネットを中心としたメディア(媒体)やデバイス(スマートフォンやタブレットなど)の多様化に加え、通信速度やデータ解析、VR(仮想現実)※1やAR(拡張現実)※2などの技術革新の進展など業界環境が大きく変化するなかで、これまでのテレビCM制作では大きな成長は見込みにくくなる一方、広告に関連する事業領域は、その手法や構造変化を伴いながらも拡大していくものと予想されていることが経営統合に至った背景である。経営資源の結集及び有効活用により、スケールメリットやシナジー創出を実現し、新たな価値創造と事業拡大のスピードを速めるところに狙いがあると考えられる。

※1 VR(仮想現実)とは、仮想世界を含めたあらゆる体験を、時間や空間を超えてまるで現実世界のように表現する技法やその手法のこと。
※2 AR(拡張現実)とは、現実世界で人が感知できる情報に「何かの情報」を加え、現実を「拡張」表現する技術やその手法のこと。


2017年12月期の業績は、売上高が前期比※18.5%増の70,473百万円、営業利益が同35.0%増の4,619百万円と期初予想を大きく上回る増収増益となった。「広告映像制作事業」が堅調に推移したほか、成長領域と位置付ける「ソリューション事業」が大きく拡大した。利益面でも、増収効果や「広告映像制作事業」の利益率改善により大幅な営業増益を実現した。利益率改善が進んだところに、プリントレス※2の遅行が重なったことが、とりわけ利益面での大幅な計画超過につながったと言える。また、統合効果の進捗についても、成長領域への積極投資や業務効率化などで一定の成果を残すことができたと評価できる。

※1 前期実績値は、AOI Pro.及びTYOの暦年ベース(プロフォーマ、12月期ベース)連結業績の単純合算数値を使用。
※2 従来、各放送メディアへ入稿するためにテレビCM素材を記憶媒体へ複製(プリント)して納品しており、その複製にかかる売上・利益が計上されていたが、オンラインでのデータ送稿へ移行するためプリント売上が減少していくことが見込まれている。2017年10月からスタートしたが、ここまでは進展が遅い。


2018年12月期の業績予想について同社は、売上高を前期比0.7%減の70,000百万円、営業利益を同17.7%減の3,800百万円とプリントレスによる影響や成長領域への先行投資などから、業績は一旦踊り場を迎える見通しである。減収予想となっているのは、プリントレスの加速や働き方改革への対応(受注コントロール)による「広告映像制作事業」の売上減少が主な理由である。一方、成長領域である「ソリューション事業」やM&Aを推進する「海外事業」は拡大する見通しとなっている。利益面では、利益率改善幅が前期ほどではないためプリントレスによる影響を利益率改善でカバーしきれないことや、成長領域への先行投資により営業減益となる想定である。

同社は、中長期的な成長イメージとして、「ソリューション事業」と「海外事業(中国・東南アジア)」が業績の伸びをけん引する方向性を描いている。一方、従来の主力事業である「広告映像制作事業」は、採算性重視の徹底及び効率化を図り、プリントレスに対応した筋肉質な組織づくりを進めながら着実な成長を目指す方針である。また、2021年12月期の目標として、ROEを12%以上、EBITDAを80億円(2018年12月期のEBITDA予想50億円を基準とした3年間の平均成長率17.0%)と掲げている。

弊社でも、同社が拡大を図る「ソリューション事業」の領域は、ポテンシャルの大きな市場である上、同社が培ってきた映像制作における経験や知見が差別化要因として生かせることや、同社の信用力(ブランド力)及び財務力が大きなアドバンテージとなる可能性が高いと評価している。足元では、利益率改善などに進展がみられるが、経営統合や成長領域への積極投資が具体的にどのような成果を生み出していくのか、特に、新たな価値創造の部分(VR技術やデータ活用など)に今後も注目したい。

■Key Points
・AOI Pro.とTYOの経営統合により設立された共同持株会社であり、テレビCM制作においては業界トップシェアを握る
・統合1期目となる2017年12月期の業績は計画を上回る増収増益を実現
・利益率の改善に加えて、プリントレスの遅行がプラス要因となった
・2018年12月期はプリントレスの加速や先行投資などにより、業績は一旦踊り場を迎える見通し
・「ソリューション事業」や「海外事業」が中長期的な業績の伸びをけん引

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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