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【第3回】『変動金利が上がったら借り換えよう』はNG!失敗する可能性大の理由とは?

image03(短期プライムレート、政策金利、変動金利の遷移グラフ。短期プライムレート、政策金利は日銀公式サイト、変動金利は住宅金融支援機構【フラット35】より引用し、マネーボイス編集部で作成)

まず、変動金利型の金利は「短期プライムレート」というものにほぼ連動します。短期プライムレートとは、銀行が会社に短期でお金を貸し付ける時のベース金利のことをいいます。

そして、この短期プライムレートは日銀の政策金利に連動します。政策金利とは、日本銀行が銀行にお金を貸す時の金利のことです。

つまり、日銀が政策金利を変更しなければ、変動金利型の金利はほとんど変わりません。事実、銀行の変動金利型の店頭表示金利は、2009年頃から変わっていません(実際の適用金利は各金融機関の割引幅によって多少変動しています)。

一方、全期間固定金利型や、10年など比較的長めの当初固定金利型の金利は、長期金利に連動します。長期金利は、金融市場で金融機関が取引をする過程で、資金の需要量と供給量のバランスだけでなく、将来の物価の変動などに対する予想などによって水準が決められていきます。要するに長期金利は「金融市場が決めている」と言ってよいでしょう。

つまり、住宅ローンにおける「変動金利型」と、それ以外の「全期間固定金利型」や「長期の当初固定金利型」の金利では、連動する金利が異なっているのです。ここが、まず重要なポイントです。

次のポイントは、長期金利は日銀の政策金利よりも早めに動くということです。
日銀は、政策金利を変更する前に、金融政策の方向性についてある程度の説明をします(専門用語で「フォワードガイダンス」といいます)。
その理由は、金融政策の透明性を高めることと、実際に政策金利を変更したときに、金融市場に大きなショックを与えないようにするためです。

また、長期金利は、国内外の景気動向や物価、為替レートなどさまざまな要因に左右されますが、フォワードガイダンスの影響も大きく受けます。「大体この時期には政策金利が変わりそう」ということが、事前に金融市場の動きやフォワードガイダンスからなんとなく予測できるようになっていますので、そうした予測が固まっていくにつれ、景気動向や物価などの変動要因を見越した長期金利が金融市場で形成されていくわけです。

つまり、政策金利が実際に変更される前に、変更されるであろうという“予測”をもとに、先に長期金利が動くため、変動金利型の金利が上昇する前には、全期間固定金利型や長期の当初固定金利型の金利は、すでに上がっていることになります。

金利が決められる流れ


直近で日銀が政策金利を引き上げたのは、2006年7月ですが、当時、長期金利は2006年3月あたりから上昇し始め、全期間固定金利型や長期の当初固定金利型の金利は連動して上昇していきました。しかし、変動金利型が引き上げられたのは2006年10月だったのです。

このように、過去の事例から見ても、変動金利型の金利が上昇しそうになったら固定金利型に借り換えるという作戦は、「絵に描いた餅」になってしまう可能性が高いのです。

低金利の固定金利型に借り換えるためには、長期金利が低位安定しているうちに借りなければなりません。現状、日銀が2016年前半には2%のインフレ目標が達成できるという見通し(=フォワード・ガイダンス)を述べている以上、そう遠くない時期に、長期金利が上昇すると想定しておく方が無難ではないでしょうか。

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文/松岡賢治
金融ライター、ファイナンシャル・プランナー。シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。
企画/制作 まぐまぐ

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