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TATERU、2Q売上高は前年比141.2%の373億円 当初予算を35%程上回り好調

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2018年8月10日に行われた、株式会社TATERU2018年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

2018年12月期第2四半期ハイライト

高杉雄介氏:第2四半期のハイライトを、CFOの高杉からご説明いたします。

第2四半期、売上高は前年同期比141.2パーセント、営業利益は前年同期比で119.9パーセントという結果になっております。

累計としましては、TATERU会員増加数は1万3,749名で、成約数としては累計第2四半期で509件となっております。少し見にくいのですが、(各数値の)下に括弧書きが付いており、昨年(2017年)第4四半期で連結子会社化しましたインベストオンラインという会社の数値となっております。

こちらを除きますと、従来のTATERUとしましては、会員増加数が1万1,127名。成約数は460件。コンバージョンとしましては、4.1パーセントぐらいを維持できているというかたちになっております。

連結損益計算書

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損益計算書のほうは、今回は売上高が373億円でした。もともと予算が276億円でしたので、97億円の上振れをしております。35パーセントほど上回りましたので、今回、業績修正の発表をいたしました。

営業利益は23億円です。昨年(前年同期)が19億円ですので、19.9パーセントの増加になっています。

売上高

TATERU、2Q売上高は前年比141.2%の373億円 当初予算を35%程上回り好調

売上高はずっと堅調に推移しており、第2四半期時点としては過去最高水準を達成して、226億7,317万円になっております。

セグメント情報

TATERU、2Q売上高は前年比141.2%の373億円 当初予算を35%程上回り好調

セグメントについてです。今期からセグメント分けをしておりまして、「TATERU Apartment」事業以外の「TATERU Funding」や民泊事業の「TATERU bnb」、そしてIoTを手がける「Robot Home」も黒字化しております。

連結貸借対照表

TATERU、2Q売上高は前年比141.2%の373億円 当初予算を35%程上回り好調

貸借対照表についてです。今回、純資産が142億円増えております。主な理由としては、(2018年)5月に実施いたしました海外募集の新株発行。こちらで132億円を獲得しております。

この結果、自己資金比率が、従来の43.6パーセントから67.4パーセントへ上昇しております。

業績の見通し

TATERU、2Q売上高は前年比141.2%の373億円 当初予算を35%程上回り好調

そして予算になります。今回、中間で上方修正しておりますが、期末のほうはそのまま据え置かせていただいております。よって、通期予算としては760億円の売上高、営業利益で71億円、経常利益で70億円、これを据え置きとさせていただいております。

海外募集による新株式発行

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海外募集になりますが、この(2018年)5月に新株発行を行い、132億円を調達しております。主な資金意図としましては、既存事業および新規事業における事業拡大資金であったり、企業としてさらなる成長とシェア拡大のための投資および出資資金と考えています。

また、借入金が現在50億円ぐらい残っておりましたので、こちらの返済資金というかたちになっております。

新株予約権の発行及び業績達成条件

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ただ、今回資金調達しているのですが、昨年(2017年)、新株予約権を発行した際に業績達成条件を付けております。今年(2018年)で言えば70億円(超過)。来年(2019年)の営業利益でいえば100億円(超過)。再来年(2020年)が125億円(超過)というところです。こちらに関しては、この資金がなくても十分達成可能ではあったのですが、その上を取りにいくために、132億円を調達したかたちになっております。 

第2四半期の業績に関しては、以上になります。

事業の展開①

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古木大咲氏:株式会社TATERUの古木でございます。早速ではございますけれども、成長戦略についてお話をさせていただきたいと思います。

まず、先日発表させていただきましたけれども、来年(2019年)の株主総会の承認を経て、持株会社制に移行する予定でございます。持株会社に移行することによって、今後M&Aなどをより推進しやすくするような事業体制にしていきたいと思っております。

TATERUグループ正社員職種別構成比

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それから、弊社は「不動産×テクノロジー」をテーマにしており、社員の2割がITエンジニアです。

攻めのIT経営銘柄2018

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先日(2018年5月に)、経産省および東京証券取引所が選定する「攻めのIT系銘柄」にも選ばれております。

事業の展開②

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現在、TATERUは4つの事業で動いております。1つは、アパートオーナー向けのアパート経営プラットフォーム「TATERU Apartment」です。それから不動産クラウドファンディングの「TATERU Funding」。そして民泊事業の「TATERU bnb」。4つ目が、IoT事業の「Robot Home」でございます。

今期から新規事業の3つ、クラウドファンディング、民泊、IoT事業も黒字化していますので、今回の説明に関しましては、この4つの事業について説明をさせていただきます。

アパートプラットフォーム事業①

TATERU、2Q売上高は前年比141.2%の373億円 当初予算を35%程上回り好調

まず主力の事業「TATERU Apartment」でございます。

こちらは、よく大東建託さんと比べられますが、それとはまったくモデルが違います。例えば、土地を持っているオーナーさんが、土地を持ったまま亡くなった場合に、相続が発生したら相続税がかかってしまいます。そういった(ことが発生しないように、該当する)方々にアパートを建ててもらって、借り入れを起こしていただき、相続税対策をする。大東建託さんのモデルはこういったものですので、基本的に土地のオーナーさんというのは、年齢層の高い、高齢の方々がターゲットになります。

それに対して、TATERUは相続税対策ではありません。あくまで不動産投資や資産形成でございます。年収1,000万円前後の30代~40代の会社員の方々で、資産形成をしたいといった方が対象です。

土地を持っている必要はありません。土地を持っていない方々に土地(の情報)を提供して、土地を買っていただき、アパートを建てて、それを経営をして資産形成をするというモデルになっております。

この「TATERU Apartment」のサービスを受けるには、まず無料で会員登録していただくかたちになります。会員登録はお名前、住所、生年月日、お勤め先や年収欄など、さまざまな項目を入力します。それから、我々から土地のご紹介といったサービスを受けていただきます。

現在、会員の方も順調に増えており、会員数が15万6,108名です。この中で、実際にアパートのオーナーさんになった方が、1,954名です。このオーナーさまたちが今(アパートを)所有していて、弊社が管理している物件が、2万846戸となっています。

ひとつのアパート(の戸数)は8部屋から9部屋になりますから、棟数にしますと2,500~2,600棟ぐらいになっています。1人あたりがだいたい1.5棟ぐらいのアパートをオーナーとして所有しているかたちになります。また入居率も非常に高く、98パーセントです。

アパートプラットフォーム事業②

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「TATERU Apartment」には5つの強みがございます。

まずは、土地のマッチングによって弊社の在庫を圧縮しているというところでございます。

(スライドの中段の図が)従来型を示しておりますが、従来は、不動産業者向けの土地を購入して、在庫として抱えます。そしてそこに建物を建てて、在庫として抱えて会員の方に売るというモデルでした。しかし弊社は、基本的に土地を買いません。

土地情報の段階で、この土地にはこういうアパートが建ちますというプランニングをして、30数年間でどれぐらいの収益が出ますといった収支シミュレーションを添えて、土地情報、建物のプラン、収支シミュレーションの状態といった情報だけを会員さまにご紹介します。

そして会員の方が「この土地を買ってアパートを経営をしたい」と思うのであれば、直接会員の方が土地を買って、その土地の上にアパートを建てて、管理をするというモデルです。

しかし、弊社は土地をマッチングするだけでは収益にはならないのです。(そこで、)土地をマッチングした段階で、2つの条件をつけています。1つは建築の受注です。オーナーさまから弊社に必ず建築の受注をいただくという契約になっています。

これによって、1棟あたり5,000万~6,000万円くらいの売上が上がってきます。そして粗利益が約20パーセント強ぐらいございます。

もう1つの条件は、管理を必ず弊社に委託していただくこと。アパートが完成したあとの管理を弊社が行うのですが、収益は1部屋あたりの年間売上が8万円。粗利は6万円です。

1棟がだいたい9部屋ぐらいありますから、1棟あたりの年間売上が60万~70万円ぐらい、粗利が50万円前後となり、こちらがストック収益になるというようなモデルでございます。

会員さまのメリットを説明します。従来ですと、土地をデベロッパーが購入して、そこの土地の上に利益をのせていくというかたちになりますから、中間マージンが発生しているわけです。これに対して、弊社は土地を直接買えるため、中間マージンを省くことができるということになります。

また弊社のメリットをご説明します。(一般的に)土地を取得してアパートを建てているモデルですと、棚卸期間が7ヶ月間ぐらい必要なんです。

前期の通期売上が670億円で、棚卸回転を7ヶ月ぐらいで計算しますと、391億円の土地や建物の在庫が必要になります。しかし弊社の場合は61億円ということで、330億円ぐらい圧縮できていることになります。

このあたりが不動産にテクノロジーを使うことによって(もたらされる恩恵で)、従来であれば、不動産会社は売上を伸ばせば伸ばすほど、キャッシュも赤字になっていく傾向にありました。しかし、弊社の場合は売上を伸ばしても、全部キャッシュになっていき、当期利益がそのまま翌期に積み上がっていくようなモデルにしております。1つ目の強みは、この土地のマッチングでございます。

アパートプラットフォーム事業③

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2つ目は、アプリやWebでワンストップサービスが受けられるということです。アパートを経営することになったあとは、清掃の報告、送金明細書の報告、さらに確定申告などもWebやアプリでできるようになっています。

アパートプラットフォーム事業④

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3つ目の強みは、デジタルマーケティングを通じて、アパート経営をしたいオーナーさまを集客している点です。社内に5名のデジタルマーケッターがいまして、彼らが自社開発したデータマネジメントプラットフォームを使って、効率的に集客をしています。

不動産は非常に高額な商品ですので、インターネットを使って集客する場合は広告コストがすごくかかります。業界的に言いますと、一人の会員を獲得するのに、だいたい10万円ぐらいかかると言われている中で、弊社は2万円と、非常に安価に会員を獲得できております。

また不動産は高額なため成約するのも難しいわけです。インターネット経由でのコンバージョンレートが業界平均1パーセントと言われている中で、弊社は4~5パーセントと高いコンバージョンレートを維持しております。

(これが実現できているのは)データマネジメントプラットフォームもそうですが、不動産とテクノロジーを組み合わせて集客した後も、CRMやマーケティングオートメーションツールを使って、効率的に営業しているからです。

土地と建物を合わせて1億円ぐらいの予算ですが、その成約を得るのに、弊社はわずか50万円の広告費でそれを実現できるモデルになっております。

アパートプラットフォーム事業⑤

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強みの4つ目は、自社開発によるIoTのアパートを用意できること。こちらの商品の内容につきましては、後ほどIoT事業のところでご説明いたします。

これは当然差別化になりますし、オーナーさまに販売するときも、単なる既存のアパートに投資をするのではなく、「IoTのアパート」に投資ができるということで、差別化項目になっています。

アパートプラットフォーム事業⑥

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強みの5つ目です。弊社は土地マッチングから始まる収益性の高いモデルでございます。先ほどもお伝えしましたとおり、弊社は土地をマッチングするだけでは儲かりません。建物の受注、賃貸管理の受注は必ず弊社にいただくかたちになっており、それで収益を上げております。

以上が、アパート経営のオーナー向けのプラットフォーム「TATERU Apartment」についてでした。

アパートプラットフォーム事業 成約数の推移

TATERU、2Q売上高は前年比141.2%の373億円 当初予算を35%程上回り好調

なお、こちらの図が成約数になりますが、順調に伸ばしております。

成約してから売上が上がるまでのリードタイムは、7ヶ月になります。具体的に言いますと、まず土地の契約と建物の契約、そして賃貸管理の契約をしていただいて、かつ融資が通ってからでないとこの成約数にカウントされません。

それから3ヶ月後にオーナーさんが土地を購入します。そして、その土地の上に4ヶ月かけてアパートを建てます。4ヶ月後に、弊社では建物の売上が一括で計上されます。

ですから、成約してから7ヶ月後に建物だけの売上である5,000万~6,000万円が計上され、その後は賃貸管理の収益が発生するというかたちになっております。

弊社は2015年に上場しまして、その時の年間の引き渡し棟数は約300棟でした。正確には、326棟ですね。そして2015年に、約300棟引き渡したところから、200棟ずつ引き渡しを増やしていきます。そうして順調に増えていき、翌年の2016年が引き渡し棟数500棟。2017年は引き渡し棟数が700棟となっております。

そして今年(2018年)が900棟となっています。こちらの赤色になっている(スライド右側のピンク色のグラフの)部分の受注が、おおよそですが今年の引き渡しになります。正確に言いますと7ヶ月のリードタイムですから少し異なりますが……今年の引き渡し900棟に対して、現時点での成約がすでに900棟を軽く超えている状態ですので、今後の業績に関してもとくに問題はないかなと思っております。

それから(グラフの数字の下の)括弧書きは、昨年(2017年)の第4四半期に子会社化したインベストオンラインという会社の数字です。

インベストオンラインは未上場会社で、アパート経営のコンサルをしている会社です。実績PERが10倍ぐらいで、弊社がM&Aをしました。こちらが東京23区で年間100棟ぐらいのアパートを受注しており、こちらの(数値)も入ってきております。

以上のように「TATERU Apartment」は非常に順調に成長しております。

IoT事業①

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続きまして、IoT事業です。

こちらは1部屋あたり17万5,000円でオーナーさまに販売しており、Amazon Echoのほかに5つの機器を販売しております。

また弊社が運用するため、運用費として1部屋あたり1,000円の料金をいただくかたちになっています。IoT事業の今期の売上と利益を別の視点から述べますと、今年(2018年)仮に900棟を引き渡したとします。1棟8部屋ですと、7,200室になります。

IoT事業②

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現在、このIoTの商品に関しましては、導入するかしないかをオーナーさまが選べるのですが、100パーセント販売できております。1部屋あたり17万5,000円のため、7,200室に販売すると、IoT事業だけで売上が12億円です。

粗利益は1部屋9万円ほどありますから、「7,200室×9万円」で、年間6億円から7億円ぐらいになります。弊社にはITエンジニアが20名強ぐらいいますから、年間の販管費として3億円から4億円ぐらい使っても、ここだけで営業利益が3億円から4億円ぐらい出るようなモデルになっております。

入居者からもオーナーさまからも好評でございまして、他社の不動産会社さまからも、販売してくれないかという話がきております。早ければ(2018年)年末、遅くとも来年(2019年)から、こちらのIoT商品は外販をしていく予定でございます。

このIoT商品は、弊社ではあえて自社開発にしています。そうすることで、2つのメリットがあります。1つは、自社で開発することによって、賃貸住宅で使いやすいような設計ができる点です。

もう1つは、自社開発することで製造コストを下げられるため、IoT事業として利益を伸ばしていける点です。こういった戦略になっています。

IoT事業③

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このIoTを導入したアパートには、入居者に向けた3つのポイントがあります。1つ目は「使いやすさ」です。今、海外ではIoT機器を導入したアパートが出てきています。例えば、スマートスピーカーを導入したアパートです。

Googleのスマートスピーカーを部屋に設置して、IoTと連携したアパートですよというかたちで賃貸情報を出しているというものが海外では増えています。よく話に出てくるのはスマートスピーカーの設定自体がなかなかできないというものです。

しかし弊社では、入居する前に弊社ですべて設定しておくため、(入居者にとって)非常に使いやくなっています。

まずはこの(スライドの)ように、部屋に入ると設定済みのタブレットがあります。こちらから部屋の照明やエアコンを調整できます。その他、セキュリティなども全部使えるようになっています。

また、入居者にはアプリをインストールしていただき、メールアドレスとパスワードを入力していただければ、今度はアプリで使えるようになります。そうすると、例えば夏場の暑い時期であれば、外出先で部屋の温度を確認して、帰る前に事前にエアコンをつけたり、またセキュリティをかけておいて、外出先でも不審な侵入者がいたら通知を受けるといったこともできます。

IoT事業④

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ポイントの2番目は「セキュリティの高さ」です。実は、日本は空き巣の被害がすごく多く、年間4万件、1日あたり107件の空き巣が起こっております。弊社(が関わっている物件)も、昨年(2017年)だけで十数回、空き巣に入られています。こういったところに対して、セキュリティ対策を施しています。

空き巣の侵入経路としましては、窓や玄関です。玄関の締め忘れで、意外と普通に玄関から入ってくるパターンもあります。そこで弊社のセキュリティ対策をご紹介すると、玄関にはスマートロックが付いており、扉を閉めたら30秒後に必ずオートロックがかかるようになっています。よって、玄関の締め忘れがありません。

そして、バルコニーの窓にはセンサーが付いており……こちらはマグネットと加速度センサーです。例えば、勝手に窓が開くとマグネットが反応して、侵入者が入ってきましたという通知を飛ばします。また窓が開かなくても、窓を叩くと加速度センサーが反応しまして、「侵入者を検知しました」と入居者に通知が来るようになっています。

弊社のアパートの入居者の6割は女性で、20代の単身者が多いです。最近、空室を案内してくれている仲介業者さんから(このセキュリティの仕組みが)非常にご好評をいただいています。その理由は、20代の女性が部屋を借りるときは、保証人になるお父さんやお母さんたちが一緒に部屋を見に来るからです。

何のセキュリティもない2階建・3階建のアパートを見に行って、その後で弊社の物件のような……扉はオートロックで締まりますし、セキュリティシステムも付いたIoTが充実したアパートを見ると、親御さんたちも「こっちの方が安心だね」ということになります。その意味で、セキュリティ(の高さ)は入居者にご好評いただいております。

IoT事業⑤

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最後に、利便性の高さです。先ほどもありましたが、外出先から室内の温度を確認して、エアコンをつけたり消したりできます。また日本では賃貸住宅で初めてAmazon EchoとAPIで連携しています。ですので、音声コントロールで部屋の家電などを調整できます。

人間が部屋の中にいるときは、4つの定型アクションがあると言われています。外出、それから帰宅したとき、そして起きたとき、寝るときです。

こういう4つの定型アクションそれぞれにおいて、このスマートスピーカーを便利に使えるように設定できます。例えば外出するときに、エアコンを消して、電気を消して、テレビを消してという3つの作業をしますよね。Amazon Echoのアプリを使って、エアコンと電気とテレビを一度に消すという設定をすれば、Amazon Echoに「行ってきます」と一言声をかければ、すべて同時にオフになります。

「この言葉を言ったら、(IoT機器を)こう動かしたい」という設定自体をAmazon Echoのアプリでできます。こうして便利に使える理由は、Amazon EchoとAPIで連携しているからです。

最近、IoT機器は賃貸住宅でも導入しているところが多いのですが、他の会社と何が違うのかというところをご説明します。

先ほどお話しした部分なのですが、(今、IoTを導入している賃貸住宅は)入居者にとって便利なものなのです。

しかし賃貸経営には実際に複数のプレイヤーがいます。1つは賃貸のオーナーさんです。それから、賃貸管理会社さんもいます。我々はIoTを使って、(入居者以外も満足できる)新たな賃貸経営のプラットフォームを作りたいと思っております。

具体的に言いますと、例えば現在、弊社が管理している賃貸物件が空室になり、入居者が退去したとします。そうすると、弊社の社員が神宮前のオフィスから、(新たな入居希望者に物件を)内見してもらえるようにするため、鍵を持って横浜の物件まで行って、横浜の物件のキーボックスに鍵を入れて、そして帰ってくるという、まさに半日がかりの作業をしているわけです。これについても、賃貸住宅にスマートロックさえ付けておけば、鍵を持っていく作業がなくなるわけです。

例えば、昨日退去したのであれば、その日の(深夜)12時以降には、部屋を「スマート内見」できるようになります。ですから、鍵を持っていく必要がなくなるわけです。

また空室期間中も、実際の鍵ですと、どの賃貸業者が入居希望者を案内しているかはよくわかりません。可視化されていないんです。それが、このスマートロックを使うことによって……例えば今日、アパマンさんが部屋を案内してくれた、エイブルさんが部屋を案内してくれたなど、そういう内見状況を管理会社も把握することができます。その情報自体は、当然オーナーさまにも共有できます。

オーナーさまは、1億円ぐらいの借金を背負ってアパート経営をしていますから、空室状態はすごく不安なんです。ただ、内見状況が可視化できるだけでだいぶ変わるはずです。例えば空室になった際、現状では、1週間のうちにその部屋が何回案内されているのかまったくわかりません。

しかし弊社の物件であれば、1週間のうちに何件の案内があったかがわかります。例えば5件ぐらい案内があれば、今のまま募集していても大丈夫かな(近い内に借りてもらえるな)という判断ができます。逆に1週間のうちに1件も内見がないということであれば、家賃が高い、敷金が高いなど、何か条件変更する必要があるといったことを検討できます。そうしてデータを可視化することで、オーナーさま自身が、投資の判断をできるようになるというメリットがございます。

IoT事業⑥

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こちらの商品につきましては、すでに「Apartment kit for Owner」で、一部のオーナーさまに提供しておりますし、弊社でも実際の管理に使っております。今後の展開として、まずはIoT機器を(2018年)年末から来年(2019年)頭に外販しますが、来年以降ぐらいには、こういうIoT機器と賃貸管理システムをつなぎ込んだ商品の販売をしていきます。

IoT事業⑦

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それから、IoTに関しては最後になりますけれども、現在、オートロックのシステムを作っています。外出先からオートロックを開けられるようにするシステムです。こちらは、もう商品が完成しております。

また先ほどありました、窓の締め忘れがわかるシステムも作っています。窓にはクレセントがありますが、クレセントの位置を加速度センサーで把握します。すると、外出したときに窓の締め忘れなどがわかるといった仕組みです。

何が言いたいのかと言いますと、そういう新しいIoT商品を作ることで、またオーナーさまにその商品を販売でき、どんどんアップサイドが取れます。IoTの事業に関しても、外販も行いますし、新しい商品を作ることで、営業利益が倍に成長したといったレベル以上に、まだまだ拡大していく余地がございます。

クラウドファンディング事業①

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続きまして、不動産クラウドファンディングです。

会員の獲得が非常に好調でございまして、現在6万人の会員を獲得しております。

どんなクラウドファンディングかと言いますと、キャピタル型のクラウドファンディングです。まず、クラウドファンディングでユーザーからお金を集めてきて、そのお金で土地を買います。そして建物を建てます。完成しましたら、その建物を「TATERU Apartment」のオーナーさまに売却して、その売却益からクラウドファンディングのユーザーにお金を配当して、残りを弊社が得ることになります。

現在の配当に関しては、年利で3パーセントから4パーセントほどです。ファンドの期間は4ヶ月ぐらいですから、例えば1億円の募集をして、年利3、4パーセントで4ヶ月ぐらいの運用となると、1棟あたりの配当は100万円程度です。ただ、アパートを売却したときの利益は1,000万円程度ありますから、その1,000万円程度の売却益から100万円だけを配当として出して、残りが弊社の売上になるというかたちです。非常に収益性が高いモデルでございます。

「単純に銀行から借りた方がいいのでは?」という声もあります。しかし、クラウドファンディングを使うことによって、不動産デベロップのリスクをヘッジできることがあります。どういうことかと言いますと、例えば銀行から100億円のお金を調達してきて、100億円分の不動産を買ったとします。しかし、リーマンショックのような事態が起きて、この100億円の不動産の価値が70億円になってしまいました。すると30億円の減損処理をしなければいけません。そうなると、我々のPLにマイナス30億円と入れることになります。

しかしクラウドファンディングの場合、例えば100億円分の不動産を購入しようと考えたときに、我々は1,000万円しか出資しません。残りの99億9,000万円はクラウドファンディングから集めてきます。そして、さきほどと同様に100億円分の不動産を購入しました。そこでリーマンショックのようなことが起こったとしても、弊社の損失は1,000万円です。このように、リスクを軽減できるのです。

当然、クラウドファンディングのユーザーは、リスクマネーであることを承知したうえでお金を出してくださっているわけですから、配当も行っています。かつ、我々もプロですから、損が出ることを前提にクラウドファンディングをやっているわけではありません。そのあたりは、オーナーさま方に投資判断していただくかたちにはなります。

クラウドファンディングを使うことによって……従来リコースローンとしてBSに載せている不動産はリスクを背負っていますけれども、(クラウドファンディングでは)そのリスクがほぼないようなかたちになります。

キャピタル型のクラウドファンディングになりますので、売却したときに弊社の収益が出ます。今年(2018年)は50ファンド売却する予定でしたが、非常に好調で、現在ファンド数を増やしており、少なくとも60から80ファンドくらいの売却になると思います。

よってクラウドファンディング事業は、60から80ファンドくらいの売却益がそのまま乗ってくるかたちになります。来年(2019年)に関しましては、100棟くらいを想定していたのですが、現在は150から200棟くらいを計画しています。ですので、クラウドファンディングをどんどん拡大させていきたいなと思います。

クラウドファンディング事業②

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ユーザーが6万4,902名もいるものですから……昔はこの1ファンド、(つまり)アパート1棟を1億円ずつくらいで募集していましたが、もはや1億円くらいですと3分程度で募集が完了してしまいます。そこで最近は、4棟、5棟、4億円から5億円くらいの単位で募集しています。4億円から5億円くらいのものが、1時間程度で募集が完了する、そのような状態です。

来年(2019年)はクラウドファンディングで、150棟から200棟くらいを想定しているという話をしましたが、資金に関してはまったく問題なく集まるかたちとなります。

それから、次のステップとしまして、昨年(2017年)12月に「TATERU Funding」という子会社を設立しました。この子会社では、金商法の二種免許(第二種金融商品取引業の免許)の取得と投資運用業への登録を目指していて、今度はキャピタル型だけではなく、木造アパートのREIT(リート)のようなクラウドファンディングを作ることによって、我々もそこを出口として使えるようになります。

例えば、僕らは80億円分のアパートを作って、100億円分を「木造アパートのREIT」に落としたら、その段階で20億円くらいアップフロントで利益が出ます。この100億円に関しては、クラウドファンディングのユーザーに落としていきます。その後、ここからフィー(報酬)を得ていくような、そういうビジネスを金商法の免許取得後、やっていくかたちになります。

民泊事業①

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最後、民泊事業です。今年(2018年)6月に法改正がありました。1つは、「民泊住宅宿泊事業法(民泊新法)」の施行です。もう1つは「改正旅館業法」になります。

「民泊新法」につきましては、年間180日しか貸し出しができません。しかし、こちらはこちらでメリットがあります。例えば、許可ではなく、届出だけで民泊ができるようになります。自宅を、夏休みや冬休みなどのバケーションの間だけ貸出したいという方々が、届出だけで民泊を実施できるものです。

一方「改正旅館業法」もすごく重要だと思っています。一言で言いますと、無人で(物件を)運用できるようになっています。従来ですと、旅館業法の許可を得るには10部屋以上必要でした。しかし改正後は1部屋からでも問題ありません。また改正前は、フロントを設置しなければならず、しかも有人でなくてはいけませんでした。それが改正法では、フロント設置義務がなくなり、無人でも問題ないということになりました。

よって、例えばマンションの1部屋で、そのマンションが共用の規則上、ホテル業として運用するのが禁止されていなければ、マンションの1部屋でも365日、民泊として運用できます。

民泊事業②

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こうした動きに対して弊社は、すでに無人で運営できるようにIoTのシステムを作って運用しています。具体的なフローとしましては、まず「SMART LOCK」「CHECK-IN PAD」「TRIP PHONE」の3つのIoT機器を部屋に置きます。

一方の宿泊者は「Booking.com」などで弊社のアパートを予約します。そうしますと、その日だけ使える鍵の暗証番号を返信します。

宿泊者はそのまま現地に行って「SMART LOCK」にその暗証番号4桁を入れてもらえば、部屋の扉が開きます。それから室内に入りますと「CHECK-IN PAD」があります。これが「チェックインをしてください」とアナウンスしていますので、我々のコールセンターにつなげて、チェックインします。その際にパスポートのチェックが必要ですから、台座にパスポートを差し込んで、写真をカシャッと撮って送っていただきます。

その後は、この「TRIP PHONE」が役立ちます。すごく便利なもので、例えば、持ち運びができる無料のWi-Fi(ルーター)として使えます。さらに、英語、中国語など、コンシェルジュが5言語でチャットで対応してくれます。例えばレストランの予約や、公共交通機関の乗り換え案内なども、これで行えます。

では、我々の「TATERU bnb」はどのようにして収益を出していくのかと言いますと……例えば「TATERU Apartment」は、土地とアパートを用意することができます。それから投資をしたいという15万人の会員の方がいます。我々「TATERU bnb」は、15万人の会員の方々に、こういう無人のホテルアパートメントの投資物件の販売を始めています。

民泊事業③

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現在は福岡で行っていますが、立地がすごくいいのです。博多駅や天神駅も近いです。東京で言いますと、東京駅とか渋谷駅だと思いますが、この博多駅や天神駅から徒歩10分圏内。この10分圏内で、こういうアパートを建てるんです。これにIoT機器を導入して、無人で運用します。従来のアパートと何が違うかと言いますと、まず立地が違います。

家賃収入で得られる利益を考えると、採算が合いませんので、こんなにいい立地には建てられないんです。例えば博多駅から徒歩10分だとすると、アパートなら家賃は6万円くらいしか取れません。それを、こちらは1日の宿泊費を1万3,000円として貸し出すと、稼働率が8割を超えますから、月収でだいたい25万円くらいになります。

ですから、アパートよりも非常に収益性が高い。当然、リネンの交換などもありますが、それを含めてもアパートより格段に収益性が高くなります。よってこれに投資する方々は、まず立地は良くなります。

駅近くの狭小地は意外と空いている場合も多く、駅が近いため、土地の坪単価が高いんです。けれども、15坪や20坪といった小さい土地で、活用方法がなく……コインパーキング2台分など、たまに見かけますよね。でも、それだと固定資産税が圧倒的に高い。しかし、売りたいけれど売れないといった土地に、我々はどんどんこういった宿泊施設を建てています。最小15坪くらいでも建てることができます。

またオーナーさんのメリットとしましては、収益性の高さです。アパートですと、ネット利回りがだいたい4~5パーセントですが、この「TATERU bnb」のアパートに関しては、ホテル運用をすると稼働率75パーセントで、低めに見ても5.9パーセントです。弊社では、実際の稼働率が85~90パーセントですから、利回りも7パーセント程度となり、非常に高い利回りとなっています。

民泊事業④

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私どもは単純に、この無人のホテルアパートメントを販売して収益を上げているのですが「TATERU Apartment」よりも、さらに弊社にとって収益性が高くてですね……弊社の収益としましては、主に民泊コンサル費が1,000万円ほどです。それから「bnb kit」導入費、IoTシステム構築費などは、600万円くらいの売上になります。大まかに言いますと、ホテルアパートメントを1つ販売すると「TATERU Apartment」の倍くらいの収益が出ます。それから1棟当たりの管理業収入も「TATERU Apartment」では粗利で年間50万円くらいですが、民泊ですと200万円、つまり4倍くらいの収益になります。

「TATERU Apartment」は今年900棟を引き渡しして、営業利益が70億円くらい出ることになっていますけれども、(民泊事業であれば、その)半分の400~450棟くらいを販売すれば「TATERU Apartment」と同じくらいの収益が出るモデルになっています。

これが新規事業の3つ、クラウドファンディング、IoT、民泊でした。それぞれの営業利益は、今年は2億円から4億円くらい出ています。この中で、一番伸びてくるであろうものは、やはり不動産クラウドファンディングと、民泊だと思っています。

では、以上になります。どうもありがとうございました。

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