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鈴木、スマホ用電子部品の拡大等で通期は増収増益 売上・経常益は過去最高に

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2018年8月24日に日本証券アナリスト協会で開催された、株式会社鈴木2018年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

成長の軌跡

鈴木 教義氏:これより、2018年6月期決算説明をさせていただきたいと思います。資料にしたがいまして進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、まず2018年6月期の業績説明です。成長の軌跡ということで、2008年の6月期以来、売上、また経常利益ともに最高に達することができました。売上高で271億900万円、営業利益で21億9,300万円ということで、2018年6月期が終わりました。

連結損益計算書

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次に、連結損益計算書です。部品セグメントは、電子部品がスマートフォン向け需要で拡大、自動車電装向け電子部品コネクタは、堅調を維持いたしました。また、中国の子会社は、自動車電装向け部品コネクタ比率を高めて、業績が改善しています。

機械器具のセグメントにつきましては、各市場で機器が好調で、売上高が増加しております。よって、2018年6月期におきましては増収増益ということになっております。

連結事業別セグメント情報①

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連結事業別セグメント情報につきましては、まず、上の数字がセグメント別の売上高と計画と実績です。これは、途中で予算計画を直していますので、トータル的に増減はほぼ予定どおりです。また、前年と比べますと、それぞれのセグメントが、それぞれプラスに転じまして、合計で14.3パーセント増えております。

連結事業別セグメント情報②

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連結事業別セグメント情報ということで、ここにセグメント別の売上高構成比を掲載しています。まず、電子部品コネクタが50パーセント、自動車電装部品コネクタが27.7パーセント。その次、自動機器が8.5パーセント、医療組立が7.6パーセント、金型が6.1パーセントということで、このような状況になっております。

連結貸借対照表

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連結貸借対照表につきましては、財務体質は健全な水準を維持しています。大きく変わったのは、流動資産の中の現金および預金のところが増えており、これについては資金調達をした関係です。

また自己資本比率が、(対前年で)65.7パーセントから66.2パーセントということで、先ほど言いましたように、健全な状態ではないかなと思っております。

連結キャッシュフロー計算書

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キャッシュフローにつきましては、ここに書いておりますとおり、営業活動によるキャッシュフローが24億3,600万円。投資活動によるキャッシュフローが、マイナス31億2,200万円。フリーキャッシュフローが、マイナス6億8,600万円。財務活動によるキャッシュ・フローが24億5,100万円。現金及び現金同等物に係る換算差額がマイナス6,000万円。現金及び現金同等物の増加額が、17億500万円。現金及び現金同等物の期末残高が、29億9,600万円ということになっております。

モノ作りNo.1を目指して:電子部品コネクタ

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それぞれのセグメント別の状況について、ご説明をさせていただきたいと思います。まず、電子部品のコネクタについてです。スマホにつきましては、スマホだけでなく多機能端末も含めて、前期の好調要因は北米スマホ向けのコネクタ部品の増産がありました。また、第2四半期でとくに増加をしております中国向けスマホは、期をとおすと、対前年比で減少となりました。

市場全体としての期の後半、スマホ関連事業は、上含みに見られておりましたが、当社のようなコネクタ部品供給事業においては、競合他社数が減少傾向にありましたので、一定量の受注ができたと思っております。また今期につきましては、スマホ向けは前期比較で多少減ると考えております。

今期のポイントは、来期モデルの落ち込みとなる下期において、立ち上げに向けたアイテムの確保の活動を精力的に展開したいと考えております。来期、2019年モデルでの本格量産において、貢献していきたいと思います。

中華系スマホにつきましても、今期よりインサート成形を含む複合加工部品としての供給を予定しており、対前期比での拡大を予定しています。

コネクタで自動車関連のものにつきましては、着実に増加しており、お客さまから今後も順調に拡大していくと聞いております。またICのテストソケットにつきましては、設備投資的な色合いが強い事業ですので、安定的な受注によっては、上振れの可能性があるのではないかと思います。車載とスマホ……とくに車載向けの伸びを期待しております。

次に、製品特性上、今回のテストソケットは特殊な材料加工、熱処理、また表面処理が必要となり、大きな付加価値がつきますので、私どもとしては、大変魅力のある製品群と考えております。

こちら(のスライド)にグラフがありますが、2018年6月期は多機能端末が大変伸びました。自動車が13.6という数値となり、2017年と比べてパーセンテージが下がっていますが、生産数量としてはほぼ同じくらいです。あまりにも多機能端末が伸びていますので、パーセンテージとしては下がっておりますが、量としては、ほとんど変わりないとご理解いただければと思います。

モノ作りNo.1を目指して:機械器具(自動機器)

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次に、機械器具(自動機器)についてです。ここの円グラフにありますように、2018年は自動車関連が55パーセント、医療関連が23.8パーセント、その他こちらに書いてあるようなバランスになっております。今期も自動車関連、また医療機器が大変伸びていくと考えております。

この自動機械器具関係……今回は自動化をキーワードとして、FA市場は活況を呈しておりますので、当社においても成長の著しい部門と捉えております。また先ほど言いましたように、自動車関連は、これまで開発改良を重ねてきたワイヤーハーネス向けの自動機器である接圧機を本格的に量産に移行して、売上に大きく貢献しました。

また、ワイヤーハーネスにおけるアルミ線材の適用拡大が具体的に進行しまして、接圧機の周辺機器となるアルミの防食が量産に移行しています。今期は新規開発の期間にもあたりますので、前期と同基調でありながらも、販売を予定しています。車載向けで、これから新しいアイテムにも着手していきたいと考えています。

医療関連につきましては、医療器具製造事業を省力化・省人化する目的で、先ほど言いました自動化を進めていく方向で考えております。それぞれのアイテムの自動化対象工程をこれからスケジュール化して、計画的に自動化を推進しているところです。今期および来期以降も、各工程の省力化に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えています。

成長分野① 新たな事業の確立

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次に、新しい事業の確立ということで、Tier1向けの車載部品ビジネスについて、2次電池向けの部品の数字をここに記載しております。今回、前期の中で資金調達をさせていただいた対象の2つの案件について、説明いたします。

まずは、新たな事業分野ということで、ここにグラフもございますが、車載向けに関する新規の部品事業を目指してまいります。従来からの事業であるコネクタメーカーや、各社に向けての車載コネクタ用部品の供給およびワイヤーハーネス等の自動車向け電装部品とはまったく異なる仕向け先、客層の事業を目指してまいります。

実際に、2次電池向けの部品の事業がこれにあたります。実際にスライドにあるような数字で伸びてまいりますし、加えて、何社かのアイテムもお話をいただいていますので、このアイテムを増やし、数字を達成していく予定です。

このように、金型の技術の応用と特殊加工、複合加工、そしてインサート成形のノウハウなど、私どもの技術を総合的にご提案して、新たな客先・新しい技術で取り組んでいきたいと考えています。

成長分野② 有力となる事業の拡大

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もう1つの成長分野であります、医療組立についてです。これは、私どもの業界としては、景気の変動に一番左右されない医療機器の組立部門ですので、大変重要なポイントであるとも捉えています。

ここに書いてありますように、アイテム1とアイテム2がともにカテーテルに関する医療器具でございます。需要は時間とともに増加しますので、景気の変動に左右されないと考えています。

また、医療器具加工の各工程は、これからロボット化・自動化がますます必要になりますので、この医療関係の同セグメントであります自動機器・機械器具とのコラボレーションが、これからますます必要になると考えています。

この数字につきましては、ある程度お客さまからいただいた数字として捉えていますが、景気の流れとしても今まで下振れはなかなかなく、だいたい上振れていく方向にあると考えています。

自社ブランド装置 LEDフリップチップ実装機 量産への取組み①

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次に、新市場への取り組みということで、今LEDの市場が大変話題になっていますが、左の青で描かれたグラフのように、LEDのチップが求められている生産数量が、これからますます増加してまいります。

自社ブランド装置 LEDフリップチップ実装機 量産への取組み②

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それに向けて、このページにありますように、私どもは業界最速のLEDのフリップチップの実装機(の試作機の製造を開始しました)。この工法は直接LEDを基盤に、ACPの接合専用……ACPとは科学的に導通性のある接着剤ですが、それによって基盤に搭載する技術を使って、量産型の試作機の製造を開始しています。

これを、お客さまからいただいた基盤……とくに韓国・中国のお客さまに実際に指示されたものを搭載して、評価をしていただいてる最中です。これについては、ますますこれから用途が高まりますので、新しい分野・新しい技術として取り組んでまいりたいと思います。

私どもはこれまで、位置決めの技術……昔ありましたSMTやディスペンサーによる位置決めの技術は、私たちは昔から持っていました。これによって新しい分野への取り組みとして、受注活動を前向きに進めていきたいと思います。これは、前の13ページ(の円グラフ)にあるように、中国や台湾、韓国がLEDの製造元になりますので、海外での営業活動がメインとなってまいります。

通期連結業績見通し セグメント別

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最後に、今期の見通しでございます。こちらに書いておりますように、トータルで285億700万円で、前期比プラス5.2パーセントで取り組んでまいりたいと考えています。セグメント別の売上・構成比については下の円グラフをご覧ください。今期のポイントは、医療器具の増産体制の構築、また車載向け部品の量産開始ということで取り組んでまいりたいと思っています。

通期連結業績見通し

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連結の見通しでございます。売上高が285億700万円、営業利益が20億2,400万円、経常利益が19億5,300万円、当期純利益が10億8,200万で、売上は5.2パーセントのプラスですが、当期純利益についてはマイナス8パーセントという状況になっています。

先ほど言いましたように、私どもとしては、前期がスマートフォン中心にあまりにもよかったため、どうしてもマイナスに見られがちです。しかし、今期もいろいろな今までの技術(を活用して)、お客さまに評価されて新しい事業をスタートできる、その準備の年として考えていますので、今期も前向きな数字として取り組んでまいりたいと考えています。

株主還元について

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最後に、株主還元についてです。配当につきまして、昨年は2円記念配当として増えていますが、また安定配当11円を想定しています。また株主優待につきましては、ここでまた見直すということで、ここに記載したとおりに実行してまいりたいと思っています。

私どもは、金型技術を中心に、今までと同じように基礎固めをし、新しい分野へ提案しながら、売上とともに収益も改善して伸ばしていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

以上をもちまして、私ども株式会社鈴木の2018年6月期の決算説明を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

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