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デフレ脱却には米中貿易問題を解決するしかない? 日本は再び成長期に入れるか=伊藤智洋

日中・日米貿易額の推移を見れば、日本の物価が上がらないのは「あたりまえ」だとわかります。米中貿易問題の解消こそがデフレ脱却の糸口になります。(『少額投資家のための売買戦略』伊藤智洋)

※本記事は有料メルマガ『少額投資家のための売買戦略』2018年10月28日号を一部抜粋・再構成したものです。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。今月配信済みバックナンバーや本記事で割愛した全文(日経平均・NYダウの今後のシナリオ、予測の仕方)もすぐ読めます。

プロフィール:伊藤智洋(いとうとしひろ)
証券会社、商品先物調査会社のテクニカルアナリストを経て、1996年に投資情報サービス設立。株や商品先物への投資活動を通じて、テクニカル分析の有効性についての記事を執筆。MS-DOS時代からの徹底したデータ分析により、さまざまな投資対象の値動きの本質を暴く。『チャートの救急箱』(投資レーダー社)、『FX・株・先物チャートの新法則[パワートレンド編]』(東洋経済新報社)など著書多数。

物価が上がらないのは当然?日本の成長力は中国に吸い取られた…

真の日中友好はこれから

26日、7年ぶりとなる日中首脳会談が開かれました。両首脳は、日中関係を新たな段階に進めていくため、戦略的意思疎通の強化が重要との認識で一致し、幅広い分野における対話や交流を深めていくことで合意。外務省のホームページには、日中首脳会談の概要が掲載されています。

米中貿易問題がクローズアップされ、米中に対する日本の役割ばかりが強調されていますが、今回の安倍首相の訪中は、中国へ進出している日本企業に対して、不自由をなくすための協議が行われたと考えられます。

具体的には、人民元クリアリング銀行の指定(人民元での決済を銀行間で円滑に行うために必要なもの)、日中社保協定の早期発効(国際間の人的移動に伴う課題の解決)、(福島原発事故にともなう)日本産食品の輸入規制問題、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、日中韓FTAのルール作りなどが挙げられます。

これだけ多くの日本企業が進出しているにもかかわらず、日中社保協定などは、こんなことも決まっていなかったのかと、あらためて確認させられました。

日本は中国に生産性を吸い上げられた?

日本の90年代後半からのデフレ不況の主因は、政府、日銀の政策判断の間違いだと言われています。景気が鈍化している、景気の伸びが想定通りになっていない状況で、財政、または金融を引き締めて、景気の腰を折り、世界全体で急激な金融緩和をしている状況で、日本だけが緩やかな緩和しかしなかった等の政策のミスが指摘されています。

ただ、デフレの要因には、中国に日本の生産性が吸い上げられたことが少なからず影響していると考えられます。

次の図表は、日米・日中の貿易額の推移になります。1990年代後半から、日中貿易額が急速に拡大して、2003年頃から逆転し、米中貿易額よりも日中貿易額が大きくなっていることがわかります。

日中、日米貿易の推移

日中、日米貿易の推移

次の図表は、日中貿易額の推移です。98年頃から、急速な伸びを示しています。

日中貿易額の推移

日中貿易額の推移

次の図表は、中国における日本企業現地法人数の推移です。2000年以降、急速に拡大していることがわかります。

中国の日系企業の推移

中国の日系企業の推移

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