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ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

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2018年11月5日に行われた、株式会社ダイセル2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

1. 2019年3月期 第2四半期 業績①

札場操氏:2019年3月期第2四半期の決算のご説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

まず、この業績のハイライトで、売上高・営業利益・当期純利益を示しております。当第2四半期の世界経済は、米中貿易摩擦の影響が懸念される中、米国や日本などで景気の回復が続きました。当第2四半期の業績は、合成樹脂や有機合成の販売量が増加したこと、販売価格の改定などによりまして増収となりました。しかし、原燃料価格の上昇や研究開発費の増加などにより、営業利益は減益となりました。5月に公表いたしました業績予想に対しましては、売上高はほぼ予想どおり、各利益は予想を上回っております。

1. 2019年3月期 第2四半期 業績②

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連結損益計算書でございます。当第2四半期の売上高は2,352億円。エンジニアリングプラスチックや有機合成品、機能品などの販売数量が増加したことや、原燃料価格上昇に伴う販売価格の改定などにより、前年同期比62億円の増収となりました。うち、為替の影響はマイナス10億円です。為替レートは、前期が1ドル111円、当期は110円でございます。

営業利益は295億円。原燃料価格の上昇に加え、たばこフィルター用トウの市況軟化や、インフレーターの販売品種構成の変化、研究開発費の増加などにより、前年同期比20億円の減益となりました。このうち、為替の影響は4億円です。

営業外損益は、為替損益の改善などにより、前年同期比11億円改善の27億円となりました。経常利益は、前年同期比9億円減益の322億円。特別損益は、プラス28億円。固定資産売却などに関するもの以外に、特別利益では政策保有株式売却による、投資有価証券売却益を30億円、受取保険金で、昨年の大竹工場火災事故の利益保険を10億円計上しております。また、特別損失で、先般の台風が主なものですけれども、自然災害に伴う損失を6億円計上しています。

以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比28億円増益の224億円となりました。

1. 2019年3月期 第2四半期 業績③

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

セグメント別の売上高・営業利益は資料のとおりです。セルロースと火工品は減収減益。有機合成は増収増益。合成樹脂は増収減益となりました。各セグメントの状況につきましては、後ほどご説明させていただきます。

2. 2019年3月期 業績予想①

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

通期の業績見通しです。通期の見通しでは、エンプラを中心に販売数量増加を見込むものの、たばこフィルター用トウの市況軟化や、インフレータの販売品の品種構成の変化、今後の成長のための研究開発費の増加などによりまして、当初から増収減益となる見通しを発表しておりました。

これらの要因に変更はないものの、有機合成・火工品の第2四半期までの業績が見通しを上回ったことや、第3四半期以降の酢酸市況の前提見直しなどを織り込みまして、通期業績の見直しを上方修正いたしました。

営業利益、経常利益の減益は変わらないものの、減益幅が縮小しております。親会社株主に帰属する当期純利益は、増益となる見通しです。

2. 2019年3月期 業績予想②

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

セグメント別の売上高の、営業利益の通期予想は、資料のとおりです。第2四半期までと同様に、セルロースと火工品は減収減益。有機合成は増収増益。合成樹脂は、ほぼ横ばいですけれども、増収減益となる見通しです。

3. 設備投資/減価償却

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

設備投資と減価償却です。この推移は、資料のとおりでございます。通期では、期初計画どおり設備投資額440億円、減価償却費300億円を予定しています。期初に計画していました、今後の成長のために、中長期の視点で必要となる基盤整備の投資、販売拡大に寄与する投資を着実に進めております。

今期の設備投資の主な案件といたしましては、有機合成セグメントのCOプラント(一酸化炭素)の更新、火工品セグメントの、中国でのイニシエータ製造設備の建設や、インフレータの能力増強などがあります。

4. セグメント情報①

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

それではセグメントごとに(ご説明いたします)。まずはセルロースでございます。セルロースの期初の通期予想では、たばこフィルター用トウの市況軟化の影響によりまして、減収減益の見通しとしていました。当第2四半期の売上高は420億円。前年同期比30億円の減収です。

酢酸セルロースの売上高は横ばいとなったものの、たばこフィルター用トウの市況軟化による販売価格低下の影響や、販売の時期ずれなどによる販売数量の減少などにより、減収となりました。

当第2四半期の営業利益は、前年同期比24億円減益の86億円。減収要因に加えまして、原燃料価格上昇の影響などもあり、減益となりました。

通期では売上高827億円、営業利益146億円を予想しております。酢酸セルロースは、液晶フィルム用のTAC、たばこ用フィルター用の販売数量が、前年比で減少する見通しです。たばこフィルター用トウにつきましては、フル稼働を継続し、販売数量は前年並みとなる見通しです。

4. セグメント情報②

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

有機合成セグメントの期初の通期予想は、販売数量の増加や酢酸市況の上昇、そして昨年の過酢酸プラントの火災事故からの回復などにより、増収増益の見通しとしていました。当第2四半期の売上高は451億円。前年同期比60億円の増収です。

有機合成品・機能品は、販売数量の増加や酢酸の市況上昇、原燃料価格上昇に伴う販売価格改定などに加えまして、火災事故の影響を受けておりました過酢酸誘導体の販売回復もあり、増収となりました。

キラル分離事業は、カラムの販売が増加したことや、インドでの新規事業の成長などにより、増収となっております。

当第2四半期の営業利益は、原燃料価格上昇の影響を受けたものの、販売数量の増加や販売価格の改定などにより、前年同期比35億円増益の71億円となりました。

通期では、売上高917億円、営業利益149億円を予想しております。期初予想の増収増益要因に加えまして、年間を通じて酢酸市況が想定より高水準で推移することや、販売価格の改定などによりまして、増収増益幅が拡大する見通しであります。

4. セグメント情報③

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

合成樹脂セグメントにつきまして、期初の通期予想は、エンジニアリングプラスチックの販売数量が増加するものの、原燃料価格の上昇や、今後の事業成長のための費用増加などもありまして、セグメントでは増収、若干の増益の見通しとしていました。

当第2四半期の売上高は896億円。前年同期比59億円の増収です。エンジニアリングプラスチック事業が、自動車部品の需要増加などによる販売数量の増加や、原燃料価格上昇に伴う価格改定などにより増収となり、セグメントの増収に大きく寄与しました。

当第2四半期の営業利益は、原燃料価格上昇の影響などにより、ほぼ横ばいの119億円となりました。通期では、売上1,837億円、営業利益231億円を予想しております。好調な自動車生産を背景に、エンジニアリングプラスチックの販売が当初見通しより増加し、増益幅が拡大するものの、原燃料価格上昇の影響により、営業利益はほぼ横ばいとなる見通しです。

4. セグメント情報④

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

火工品のセグメントです。期初の通期予想は、インフレータの販売品種構成の変化や、将来のビジネス拡大のための研究開発費の増加、そして安全と品質確保など、収益基盤の強化のための費用増加などにより、減収減益の見通しとしていました。

当第2四半期の売上高は555億円。前年同期比26億円の減収。営業利益は、前年同期比18億円減益の98億円です。インフレータの販売数量は増加したものの、販売品種構成の変化などによりまして、減収減益となりました。通期では売上高1,127億円、営業利益169億円を予想しています。

インフレータの通常ビジネスで、期初予想以上に販売数量が増加する見通しであります。販売品種構成差によりまして、売上高は期初予想より減少するものの、営業利益は、販売数量の増加や原価低減などにより、増加する見通しとなっています。減収減益の予想は変わりませんが、減益幅は期初予想より縮小する予想としております。

5. 株主還元

ダイセル、2Qは増収減益 原燃料価格の上昇や研究開発費の増加が影響

株主還元についてです。中間配当につきましては、期初の発表どおり、16円とさせていただきます。年間の配当予想は、前期同額の1株あたり32円としています。5月に発表いたしました100億円、830万株を上限といたします自己株式取得につきましては、来年の3月末を期限として取得を進めています。

以上で、簡単ではございますが、2019年3月期第2四半期決算のご説明を終了いたします。

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