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フォーバル Research Memo(1):2019年3月期第2四半期の進捗率は売上・各利益ともに前年同期以上の進捗

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■要約

フォーバル<8275>は、「中小・中堅企業の利益に貢献する次世代経営コンサルタント集団」を旗印に事業展開している。IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングを得意とし、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング等を行う。従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換した。このビジネスモデルの転換が成功し、2018年3月期まで営業利益は10期連続の増益を達成している。情報化や経営改善、海外進出など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。

1. 事業概要
アイコンサービスを軸に成長するフォーバルビジネスグループが事業の柱である。フォーバルビジネスグループでは、中小企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサル、海外進出支援、人材・教育、環境などの経営コンサルティングサービス、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次ぎなどを手掛ける。アイコンサービスは定期訪問と遠隔サポート・状態監視を組み合わせた効率的な支援が特徴である。支援は、自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、近年はOEM展開(パートナーの販売会社によるサービス)が大きく伸びている。サービス自体の粗利率が高く、端末(パソコン、タブレット、携帯電話、プリンター、コピー機など)やネットワークの状態監視から得られたビッグデータから様々な改善提案を行うことにより関連商材が拡販できるという副次的効果が大きい。結果として、アイコンサービスの売上高とフォーバルビジネスグループ及び同社全体の営業利益には高い相関性がある。このほかに、同社には、情報通信から環境、人材・教育、海外進出まで中小企業向けの幅広い事業セグメントがある。

2. 業績動向
2019年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比8.3%増の26,552百万円、営業利益が同12.5%増の1,355百万円、経常利益が同11.8%増の1,389百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同26.7%増の890百万円となり、売上高は堅調、各利益は2ケタ成長となった。売上高に関しては、全セグメントで増収を達成した。特に光回線サービスやISPが順調に拡大したフォーバルテレコムビジネスグループの増収幅が大きく、次にアイコンサービスが順調に拡大するフォーバルビジネスグループが続いた。モバイルショップビジネスグループ、総合環境コンサルティングビジネスグループ、その他事業グループでも増収を達成した。営業利益に関しては、増収効果により売上総利益が同9.1%増となり、販管費において人件費増(社員同90名増加)や経費増(業務委託費、支払販売コミッション等増加)があったものの同8.6%増にとどまった結果、増益となった。特にフォーバルテレコムビジネスグループの利益成長が全社の増益に大きく貢献した。また、総合環境コンサルティングビジネスグループは構造改革が進捗したために、前年同期のセグメント損失から黒字転換を果たした。アイコンサービスが順調に拡大するフォーバルビジネスグループは堅調に利益を稼ぎ出している。

2019年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比3.2%増の53,000百万円、営業利益が同5.1%増の3,000百万円、経常利益が同4.7%増の3,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.9%増の1,830百万円と増収増益を予想している(期初予想から変化なし)。主力のフォーバルビジネスグループが好調に推移し全社を引っ張る構造は2019年3月期も続く見込みだ。その中でアイコンサービスは販売会社経由の導入(OEM)を増やす戦略である。フォーバルテレコムビジネスグループは上期の勢いのまま好調に推移する予想。総合環境コンサルティングビジネスグループの反転攻勢により懸念材料はなくなった。売上高の第2四半期進捗率は50.1%(前年同期は47.8%)であり、上期は順調な進捗だった。2018年10月から連結された(株)第一工芸社(半期の売上高で約500百万円規模)の売上高も上乗せされるため上振れる可能性が高い。営業利益に関しても第2四半期進捗率は45.2%(前年同期は42.2%)と前期よりも進捗が良い。同社の事業は約4割がストック型ビジネスであり、期末に向けて売上・利益が積み上がる傾向にある。2019年3月期は11年連続増益に向けて視界良好である。

3. 成長戦略
同社は、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)を経営の重要課題と捉え、独自のアプローチで数々の取り組みを行ってきた。

E:環境においては、太陽光発電システム、LED、蓄電池等の販売の事業活動を通じて環境問題に取り組んでいる。また、社内の取り組みとしても、自社オフィスでのLED化やサテライトオフィス・フリーアドレスデスクの導入、営業車の削減などの施策を順次実行し、資源節約を推進している。

S:社会においては、本業である中小企業の情報化支援を通じて、政府の方針である「Society 5.0(IoTやAIなどの技術革新を通じて社会課題が解決された社会像)」や「働き方改革」に貢献してきた。また、同社は過去から利益の一部を東南アジアの人材育成機関「CIESF」に寄付してきた。ベトナムの職業訓練校では2018年には600名前後の卒業生を輩出し、社員研修においては東南アジア4ヶ国で延べ1万人を超える人材を教育し“グローバルな人づくり”に貢献する。

G:ガバナンスにおいては、情報セキュリティの普及・教育、パワハラ、セクハラ等の研修及び相談対応を通じて、軽視されがちな中小企業のガバナンス向上を支援している。この分野においても、まずは同社社内で導入し、その効果の検証を事前に行ってきた。自社においてはオフィス安全管理措置を徹底する。具体的には、組織(規定、組織運用など)、人(セキュリティ教育など)、物理(監視カメラ、認証、施錠など)、技術(パスワード、セキュリティソフトなど)の4つである。

4. 株主還元策
同社は、配当による株主への利益還元を重要な経営課題の1つとして認識している。過去の実績では、安定的な利益成長を背景に6期連続の増配を続けており、配当性向は30%前後を維持してきた。2019年3月期の1株当たり配当金は年間で22円、配当性向30.1%を予想する。過去2年は、期初の配当予想を第4四半期に上方修正している。

■Key Points
・定期訪問と遠隔サポートを組み合わせた独自の“アイコンサービス”を軸に成長するフォーバルビジネスグループが柱
・2019年3月期第2四半期は全セグメントが前年同期比で増収。各利益は2ケタ成長。フォーバルテレコムグループが特に好調
・第2四半期進捗率は売上・各利益ともに前年以上の進捗。2019年3月期は11期連続増益を見込む
・ESG(環境、社会、ガバナンス)への重層的な取り組み。M&A、資本業務提携により将来の成長への布石を打つ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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