fbpx

リネットジャパン Research Memo(2):ネットと宅配便を活用した「リユース事業」と「リサイクル事業」(1)

マネーボイス 必読の記事



■会社概要

1. 事業概要
創業以来の主力である「ネットリユース事業」は、インターネット専業の「ネットオフ」ブランドで買取・販売サービスを手掛けている。リユース市場の拡大、ネット化の進展などを追い風としながら、中古本を中心とした幅広いジャンルをワンストップで取り扱う利便性の高さやローコストオペレーションなどにより、会員基盤は国内最大級の約276万人に上る。

一方、2014年より開始した「ネットリサイクル事業」は、小型家電リサイクル法の許認可取得により、「リネット」ブランドにて宅配便を活用した回収サービスを提供している。全国の自治体と提携し、行政サービスの一環として展開していることや各種サービス収入による独自のプラットフォームに特徴があり、いわゆる「都市鉱山」として知られている潜在市場の大きさ、参入障壁の高さ、国民の意識の高まりなどにより新たな成長ドライバーとして位置付けられる。2018 年11月末の連携自治体数は175(対象人口3,933万人)にまで拡大してきた。

また、2018年9月期より本格参入した「カンボジア事業」は、成長と規模が期待できる領域で、1)車両販売事業、
2)マイクロファイナンス事業、3)リース事業、4)人材送出し事業の4つの事業を展開している(そのうち、マイクロファイナンス事業とリース事業は2019年9月期より業績貢献の見通し)。

2018年9月期における事業別売上構成比率では、「ネットリユース事業」が76.6%を占めており、安定収益源となっている。一方、足元では「ネットリサイクル事業」の伸びに加え、「カンボジア事業」が急拡大しており、リネットジャパングループ<3556>の収益構造は大きな転換点にある。

各事業の概要は以下のとおりである。

(1) ネットリユース事業
「ネットオフ」ブランドによる自社サイトを通じて、ユーザーから中古本、CD、DVD、ゲームソフトのほか、ブランド品、貴金属、カメラ、フィギュア等、幅広い商品の買取申し込みを受け付け、宅配便で集荷後、査定額を指定口座に支払う「宅配買取」を行う一方、買い取った商材を自社で運営するインターネット中古書店やアマゾンなど提携会社の運営サイトを通じて販売する「eコマース」を組み合わせた事業である。実店舗を構えず、インターネットと宅配便を活用したインターネット専業であるとともに、2つの大規模な商品センター(延べ4,000坪)により大量の在庫品をさばく体制を構築している。

(2) ネットリサイクル事業
「リネット」ブランドによる自社サイトを通じて、ユーザーからの申し込みにより、直接、不用となった使用済小型電子機器等を有償で宅配回収するとともに、パソコンや携帯電話を廃棄する際に個人情報漏えいを懸念するユーザー向けのデータ消去サービスなどのオプションサービスも有償で提供している。また、回収した使用済小型電子機器等はリユース販売、もしくはこれらの部品に含まれるレアメタルを中間処理会社に売却するプラットフォーム型の事業(各プレイヤーをつなぐことでバックヤードを介在しない事業モデル)である。2014年1月に小型家電リサイクル法の認定事業者免許を取得して参入した。宅配便を活用した回収スキームでは現状同社が唯一の存在である。

(3) カンボジア事業
経済発展の著しいカンボジアにおいて、ビジネスの成長と規模が期待できる3つの領域、すなわち、自動車関連市場、ファイナンス市場、人材関連市場において、1)車両販売事業、2)マイクロファイナンス事業、3)リース事業、4)人材送出し事業の4つの事業を展開している。さらには、人材育成を中心として、カンボジア政府、日本政府、JICAとの共同により、カンボジア国内における国際協力活動にも参画している。カンボジア事業は、同社の新たな成長の柱として位置付けられ、今後、更なる事業拡大や社会貢献に向けて強化を図っていく方針である。

1) 車両販売事業
2017年11月15日に設立したRENET JAPAN(CAMBODIA)CO.,LTDにより車両仕入・割賦販売を手掛けている。中古の車両・農機具に対する旺盛な需要を背景として、足元で大きく拡大している。

2) マイクロファイナンス事業
2018年2月13日にフランスのNGO団体が運営するカンボジア国内のソーシャル・マイクロファイナンス機関であるChamroeun Microfinance Plc.(以下、チャムロン)の株式を取得(100%)し、貧困層へのマイクロファイナンス事業へ参入した(2018年6月13日付でカンボジア中央銀行より承認)。チャムロンは、カンボジア国内で21店舗を有しており、職員数208名、借り手数25,267名、総資産約15.1百万ドル、貸付総額12.1百万ドルの規模を誇る。なお、連結化は2018年10月1日より開始される(ただし、バランスシートの連結は2018年9月末から)。

3) リース事業
2018年8月14日にSBIホールディングス<8473>との共同にて、カンボジアにおけるリース会社ELIN Leasing Plc.(以下、エリン)の株式の取得(出資比率は同社51%:SBIホールディングス49%)に合意し、需要の大きな車両リース事業にも参入した。現在、カンボジア中央銀行へ申請手続き中である。2019年春頃の事業開始(連結化)を予定している。

4) 人材送出し事業
2018年4月12日にカンボジア技能実習生の日本への送り出しを行う現地法人として、現地のパートナー企業とMETREY HR Co.,Ltd(同社出資比率36.5%)を設立した。カンボジア政府の要請により、カンボジア政府が管轄する職業訓練学校内で「機械整備コース」を開講し、人材育成を行ってきたことがきっかけである。日本及びカンボジア両国でのニーズが高い自動車整備士の育成・送り出しからスタートし、将来的には、現地 労働・職業訓練省が管轄する全国39 校をつなぐビジネスモデルへ発展させるとともに、自動車整備士だけでなく幅広い職種に拡大していく。

2. 企業特長
(1) 成長モデル
「ネットリユース事業」の収益源は、買い取った中古品の販売によるものである。したがって、会員数の拡大と商材の確保が業績の伸びをけん引する。特に、大量の商材(在庫品)をいかに効率的に集めるか(買取数の拡大)が大きなカギを握っている。「ネットリサイクル事業」は、3つの方法による複合型の収益モデルとなっている。すなわち、回収した小型家電による1)資源売却収入や、一部リユース再販による2)商品販売収入のほか、ユーザーからは宅配回収料金に加え、パソコンデータ消去など3)各種サービス収入※をオプション課金として徴収する。したがって、全国の自治体との連携により、いかに利用者を増やすかということが重要な戦略となっており、提携自治体数の拡大と回収率(利用率)の向上が業績の伸びをけん引すると言える。特に、プラットフォーム型の「ネットリサイクル事業」にとって、収益性の高い各種サービス収入が重要な収益源となるところにポイントがある。

※ パソコンデータ消去(パソコンのデータ消去作業代行及び消去証明書発行を行うサービス)、データ引越サービス(回収したパソコン内のデータをUSBメモリ等へ移行し、返却するサービス)、ダンボール事前送付(回収専用ダンボールの事前送付サービス)、代引き払い(回収ドライバーへの現金払い決済サービス)など。


一方、「カンボジア事業」については前述した4つの事業により構成されるが、車両販売台数(車両販売事業)や車両リース件数(リース事業)、貸付総額(マイクロファイナンス事業)、送り出し人数(人材送出し事業)などが、主な成長ドライバーと考えられる。

同社は、3つの事業をともに伸ばしていく方針であるが、安定収益源である「ネットリユース事業」で稼いだ利益や強みを成長分野である「ネットリサイクル事業」や「カンボジア事業」へ先行投資する事業ポートフォリオにより成長を加速する戦略である。特に、経済成長の著しいカンボジアでの4事業が同社の成長を大きくけん引する見通しとなっている。

(2) 事業モデルの優位性
a) ネットリユース事業の強み
1) ローコストオペレーション
同社が得意とする書籍、メディア商材は、単価が安く、大量の物流を捌く必要があるため、商品センターのオペレーションが重要である。同社は、トヨタ生産方式を導入したローコスト運営を徹底するとともに、中古独特の精緻なオペレーションを構築しており、これが同業他社にとって簡単には追随できない障壁になるとともに、ネット大手が同社と提携戦略をとる理由となっている。また、他社との提携は、規模の経済により効率性をさらに高める好循環につながっている。

2) システム査定による高在庫回転
書籍・メディアでは、100万点以上の商品データベースを構築し、「市場での人気度」と「在庫数」を反映した買取・販売価格のコントロールを実施している。これにより、適正な在庫コントロールが可能となり、年25回以上※の高在庫回転や人気商品における同業他社以上の高価買取を実現している。

※ 書籍メディア売上高÷期中平均の在庫金額。


3) ワンストップ買取
ネット専業の競合企業はカテゴリー特化型が多いなか、部屋の片付けシーンに応えるサービスとして、本を中心とした幅広いジャンルをワンストップで取り扱っている。これにより、売り手に対する利便性の高さと買い手に対する豊富な品ぞろえを実現している。

b) ネットリサイクル事業の強み
1) 参入障壁の高さ
本サービスへの参入には、難関と言われている小型家電リサイクル法の認定事業者免許の取得が必要である。同社グループも2014年1月に認定事業者となった。認定事業者の中心は中間処理業を営むリサイクル会社(現在は同社を含め50社程度)となるが、異業種から参入するとともに、佐川急便(株)との提携により宅配便での回収スキームを展開するのは現時点で同社が唯一である。また、全国をエリア対象とした第1号の認定※を受けたことから、宅配便による広域回収とインターネットによる回収の効率化を生かし、他社に先駆けて規模の経済を追求することが可能となった。他の認定業者(中間処理業者)とは協業の関係(回収した商品の売却先)となることから、現状において競合はなく、新規参入者にとっても、許認可の取得、宅配便会社及び全国自治体との連携、規模の経済などの面で参入障壁の高い事業モデルと言える。

※ 一般廃棄物及び産業廃棄物処理について全国約1,700の都道府県及び市区町村ごとの許認可が不要という特例を受けている。


2) 全国自治体との連携
全国の自治体との連携により、本サービスを行政サービスの一環として展開するとともに、「広報誌」や「ごみ分別表」などを通じて宅配回収の告知・普及を進められるところも大きなアドバンテージと言える。2018年11月末の連携自治体数は175、対象人口3,933万人(全人口のカバー率31%)まで拡大している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

記事提供:

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー

ついでに読みたい