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クリレスHD Research Memo(5):IFRS適用に伴って減損損失が一時的に増加

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■クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の決算動向

2. 2019年2月期決算の概要
2019年2月期の業績(IFRS基準)※1は、売上収益が前期比2.4%増の119,281百万円、営業利益が同34.9%減の3,975百万円、税引前利益が同37.4%減の3,688百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同51.8%減の1,321百万円と増収減益となった。また、売上収益、利益ともに期初予想を下回ったほか、2019年1月11日付けの修正予想※2に対しても、利益面ではさらに下振れる着地となっている。

※1 2019年2月期通期業績からIFRS(国際財務報告基準)へ移行。
※2 地震や天候不順の影響、人件費の増加等により、期初予想を減額修正。具体的には、売上収益を125,000百万円から120,000百万円へ、営業利益を7,600百万円から5,700百万円へ、税引前利益を7,400百万円から5,600百万円へ、親会社の所有者に帰属する当期利益を4,000百万円から2,900百万円へと修正している。


前期出店分(70店舗。内、M&Aによる増加2店舗)が通年寄与したことや新規出店89店舗(内、M&A等による増加29店舗)が増収要因となった。ただ、売上収益が期初予想を下回ったのは、地震(関西地区や北海道地区)や天候不順(大型台風の上陸や猛暑等)の影響に加え、新規出店の一部を戦略的に抑制したこと、業態変更を実施した一部の店舗において業績改善効果が想定を下回ったことなどが理由であり、既存店売上高も前期比96.7%(期初予想は98.1%)にとどまった。出退店等の実績は、新規出店89店舗(内、M&A等による増加29店舗)、撤退29店舗、業態変更37店舗、改装18店舗となり、2019年2月末のグループ総店舗数は925店舗と900店舗を突破した。

利益面でも、原価率は食材価格の上昇があるなかでほぼ想定内にコントロールできたものの、売上収益の下振れによる利益の減少や人件費が想定以上に増加したことにより、期初予想を下回る営業減益となった。また、修正予想をさらに下回ったのは、IFRS適用に伴って減損損失が一時的に増加したことが理由である※。もっとも、減損損失の増加は、IFRS適用に伴い、減損損失基準が厳格化したためであり、決して資産の収益性自体に大きな変化が生じたものではない。

※減損損失などの影響を排除した「調整後EBITDA」は前期比12.1%減の10,814百万円と減少したものの、修正予想を上回る着地となっている。なお、同社では、今後重視する指標として「調整後EBITDA」を使用する方針である。「調整後EBITDA」=営業利益+その他の営業費用−その他の営業収益(協賛金収入除く)+減価償却費+非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)により計算。


各カテゴリー別の業績は以下のとおりである。

(1) CRカテゴリーは、売上収益が前期比4.3%増の45,633百万円、カテゴリーCF※1が同9.0%増の5,417百万円と増収増益(CF増)となり、総じて堅調に推移したと言える。前期出店分(31店舗)が通年寄与したことや新規出店38店舗(内、M&A等による増加17店舗)が増収要因となった。特に、(株)イクスピアリから直営飲食事業(17店舗)を譲り受けたクリエイト・ベイサイドの連結化※2並びに「東京ミッドタウン日比谷」のフードホール(HIBIYA FOOD HALL)の一括運営受託が大きく貢献したほか、和カフェ業態等を観光立地へ積極的に出店。ただ、既存店売上高については、人気の高い「しゃぶしゃぶ」業態やタピオカブームを背景として「デザート王国」等が好調であったものの、「ビーフラッシュ」が一部苦戦したことから、前期比97.0%(期初予想97.1%、修正予想97.6%)にとどまった。利益(CF)面については、原価及び人件費コントロールが奏功し増益となった。

※1 カテゴリー別の数値管理については、従来は日本基準に基づく経常利益をベースに算出した「カテゴリー利益」を表示してきたが、IFRS適用に伴って、調整後EBITDAをベースに算出した「カテゴリーキャッシュ・フロー(カテゴリーCF)」に変更した。
※2 2018年3月1日に、イクスピアリから直営飲食事業を譲り受け、イクスピアリが新設分割により設立した(株)クリエイト・ベイサイドの株式を100%取得。クリエイト・ベイサイドは、複合商業施設イクスピアリ内のレストラン(9店舗)及びフードコート(8ブース)を運営しており、ノンコア事業の切り離しを対象とするM&Aとして位置付けられる。


(2) SFPカテゴリーは、売上収益が前期比2.5%増の37,751百万円、カテゴリーCFが同15.1%減の4,538百万円と増収減益(CF減)となり、売上収益、利益(CF)ともに期初予想を下回った。もっとも、2期連続で新規出店を戦略的に抑制したことや、積極的な業態変更(26店舗)などの戦略的投資により緩やかな増収及び減益となったところは想定どおりである。前期出店分(20店舗)が通年寄与したことや新規出店18店舗(FC3店舗を含む)が増収要因となった。特に、主力の「磯丸水産」や新業態「五の五」などを繁華街立地に新規出店するとともに、2本目の柱となってきた「鳥良商店」を業態変更により積極出店した。一方、売上収益が期初予想を下回ったのは、新規出店の一部を抑えたことや、業態変更による業績改善効果が想定を下回ったことが理由であり、既存店売上高も前期比97.0%(期初予想は99.5%、修正予想は97.0%)にとどまった。利益(CF)面についても、原価率はほぼ前期並みに抑えたものの、業態変更コストが想定を上回ったことや時給単価の上昇等による人件費の増加や諸経費の増加等により、期初予想を下回る減益(CF減)となった。

(3) 専門ブランドカテゴリーは、売上収益が前期比1.5%増の33,659百万円、カテゴリーCFが同25.3%減の2,205百万円と増収減益(CF減)となり、売上収益、利益(CF)ともに期初予想を下回った。前期出店分(15店舗。内、M&Aによる増加2店舗)が通年寄与したことや新規出店25店舗(内、M&Aによる増加10店舗)が増収要因となった。特に、「Mr.FARMER」(EW)やベーカリー「JEAN FRANCOIS」(GBC)を「HIBIYA FOOD HALL」へ出店したほか、「あずさ珈琲」(KR)や「TANTO TANTO」(LG)等、専門性の高い業態を好立地に出店。2018年1月に連結化したRN(2店舗)や2018年12月に連結化したYZ(10店舗)による上乗せ分も含まれている。一方、売上収益が期初予想を下回ったのは、地震や度重なる台風等の天災により関西基盤のKRが苦戦したことが主因であり、既存店売上高も前期比95.%(期初予想98.0%、修正予想95.6%)にとどまった。利益(CF)面についても、地震や台風等の影響により売上収益が減少したことにより、特にKRの原価や人件費等のコストコントロールが難しくなり、期初予想を下回る減益(CF減)となっている。

(4) 海外カテゴリーは、売上収益が前期比5.4%増の2,987百万円、カテゴリーCFが89百万円のマイナスと増収減益(CF減)となり、カテゴリー損失を計上した。新規出店6店舗に加え、事業譲受2店舗※1が増収に寄与。シンガポール、香港、台湾に「しゃぶ菜」や和カフェ業態の「紅葉茶屋」を出店している。特に、シンガポールが好調であり、既存店売上高も前期比96.5%(期初予想94.3%、修正予想96.8%)と期初予想を上回った。一方、利益(CF)面については、IFRS適用に伴うCreate Restaurants NY Inc. (CRNY)※2の連結化や2店舗の事業譲受に伴うコストの発生等により減益(CF減)となった。

※1 2018年12月よりニューヨークにある和食店「蕎麦鳥人」及び「炙り屋錦乃介」がグループイン。
※2 ニューヨーク現地法人であるCRNYは店舗苦戦により赤字となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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