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米強気相場は最長記録を更新中【フィスコ・コラム】

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2009年から続く米国株の強気相場の日数が、これまで過去最長だった1990年代を上回り、記録を更新中です。足元では米中貿易交渉の不透明感が広がっているものの、ファンダメンタルズでみれば、なお上昇基調が継続する見通しです。


4月のNY株式市場ではS&Pやナスダックが連日のように過去最高値を更新し、米国株の強さを見せつけました。実際、ダウの4月の高値が3月末比+2%だったのに対し、S&Pは+4%、ナスダックは+7%と大きく上値を伸ばしています。アメリカの強気相場は1990年10月-2000年3月の3452日間がこれまでの最長記録でしたが、2009年3月から現在まで続く相場が5月に入って記録を塗り変えました。


強気相場とは、一般的に株式市場などの上昇トレンドが続く相場環境を意味します。調整を繰り返しながらもトレンドが崩れず、過去最高値の更新が繰り返される状態です。20%超下げる弱気相場の後、相場が反転して継続的に上昇すると強気相場入りしたと考えられます。今回の場合は、2008年のリーマン・ショックからわずか半年後に株価が持ち直し、足元の状況に至ったことがわかります。


これほどの長期的な上昇トレンドが続いていましたが、現在はやや足踏み状態となっています。米中貿易交渉の行方が混とんとして、決裂すれば貿易戦争につながりかねないことが背景にあります。トランプ大統領が対中関税の方針を出したことで、5月7日の取引ではNYダウは600ドルも下げる場面があり、終値で2万6000ドル台を、ナスダックも節目の8000ポイントを割り込んで引けました。


また、アメリカのイランとの緊張で地政学リスクが意識されやすいことも、株買いをちゅうちょさせる要因となりそうです。イランのロウハニ大統領は5月8日、核開発をめぐる英独仏などとの合意に基づく義務の履行を一部停止する方針を発表しています。それと前後して、アメリカ政府は中東に空母と爆撃部隊を派遣。イランの核開発は抑えきれない状況です。


米国株の強気相場は、ファンダメンタルズ的にはさらに継続しても不自然ではありません。足元の経済指標をみると、今年1-3月期の国内総生産(GDP)は+3.2%と昨年の好調時に並ぶ強さを示しています。失業率が昨年のピーク時を下回るなど雇用情勢も再び改善。労働参加率の低下が指摘されていますが、広義の失業を示すU6失業率も最低水準のため、景気の再拡大が株価を押し上げる余地はあります。


もちろん、強気相場は未来永劫に続くわけではありません。株価の高値警戒感や過熱感から投資家に警戒感が広がると、上昇トレンドは終わります。そうした状況下ではしばしば利上げなどが強気相場からの転換のきっかけになります。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が2015年から金融引き締めを実施しても、今回の強気相場にあまり影響はありませんでした。


4月30日-5月1日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の後、パウエル議長は「インフレ低下は一過性の要因」と発言。市場はそれをタカ派姿勢と受け止めました。それでも、FRBの年内の利上げ回数ゼロと大方の見方に変わりはありません。トランプ大統領はFRBの引き締め政策に批判を強めており、利下げ観測も根強く残ります。足元でトランプ大統領の支持率が高まっていることも、アメリカの強気相場に有効に作用するでしょう。

※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。


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