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エノモト Research Memo(1):微細加工の技術で広がる中期成長イメージ

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■要約

エノモト<6928>は、大手電子部品メーカーで、リードフレームやコネクタ用部品といった精密部品を製造販売している。顧客のニーズに応じた高機能なカスタマイズ品の開発や微細加工の精密プレス金型に強みがある。また、日本、中国、フィリピンの3ヶ国で事業展開しており、どの生産拠点においてもほぼ同様の製品を同様の高い品質で一貫生産することができる。顧客は家電や自動車、IT機器の内部で使われる半導体パッケージやコネクタなどの電子部品メーカーで、製品群別売上高構成比はIC・トランジスタ用リードフレーム35.7%、オプト用リードフレーム13.9%、コネクタ用部品46.3%、その他4.1%となっている(2019年3月期)。なお、用途別の売上高構成比は車載向け32.96%、モバイル向け27.93%、民生・産機・その他向け37.67%である(2019年3月期)。

リーマンショックなどの影響から2013年3月期に当期純損失となったのを機に、同社は構造改革をスタートした。老朽化したシンガポール工場の解散や不採算の事業所・工場の閉鎖などを行う一方、東京証券取引所1部上場を目指して経営の盤石化を図った。ガバナンス面での構造改革では、執行役員制や監査等委員会制を導入して意思決定のスピードアップやリスク管理体制の強化を進めた。さらに、無理・無駄をなくすワークフローの改善や新規事業も開発なども進めた。2017年に東京証券取引所第2部へ上場、2018年には東京証券取引所第1部への指定を受けた。人材採用や外部プロジェクトへの参画などにおいて、既に東証1部上場企業としてのステイタスの恩恵を受け始めたもようで、経営の盤石化はさらに進んでいる。

2019年3月期の業績は、売上高21,047百万円(前期比4.8%減)、営業利益1,131百万円(同32.4%減)となった。車載向け部品が引き続き堅調、ウェアラブル向けの新規需要も獲得したが、上期に好調だった競技場や広告向け大型ディスプレイが下期に低迷、5Gへの移行期にあるスマートフォン向けコネクタも厳しかった。製造工程の自動化や効率化を進めたが、スマートフォンの量産効果の方が相対的に大きかったことから減収減益となった。2020年3月期業績見通しについて、同社は売上高21,000百万円(同0.2%減)、営業利益1,200百万円(同6.0%増)を見込んでいる。車載向けは引き続き堅調、ウェアラブルは需要拡大、大型ディスプレイも下期には回復を見込む。ただし、前期の低迷からスマートフォンの前提が保守的になったという印象がある。計画必達の気持ちを示したものと思われる。

コネクタは、スマートフォン向け需要が頭打ちになるなか、新たにウェアラブル市場が拡大、車載用も引き続き堅調が予想されている。2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向けて大型ディスプレイなどインフラ需要もある。同社は、微細加工の精密プレス金型など強みとなる技術を生かして、そうした需要を取り込んでいく計画である。また、自動車1つを取ってみても、IoT化や安全性強化、自動運転、電気自動車、軽量化など、今後求められる技術水準はますます強まりそうである。同社はスマートウォッチ向けに、実用としては最小クラスの微細コネクタを供給している。強まる要求に合わせて技術を高度化できる、同社のような企業も数少なくなってきた。要求に応えられる企業として、同社の中期的な成長イメージは大きく広がりそうだ。

■Key Points
・車載用精密部品など微細化に強みの電子部品メーカー
・2020年3月期はスマートフォン需要の変動から抜け出す
・技術的要求が強まるほど中期的な成長イメージが広がる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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