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スタートトゥデイ、3Q営業利益64.3%増の192億円 ZOZOTOWN「ツケ払い」に手応え

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2017年1月31日に行われた、株式会社スタートトゥデイ2017年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

2017年3月期第3四半期決算ハイライト

柳澤孝旨氏(以下、柳澤):それでは、弊社の第3四半期の決算の概況を説明させていただきます。まず2017年3月期第3クオーターの概要をご説明します。

商品取扱高ですが、前年同期比+32.3パーセントの1,480億円。営業利益は前年同期比+64.3パーセント増の192億円。営業利益率は13パーセントで、前年同期比で2.5パーセントの改善という結果になりました。

非開示ですけど、会社の計画に対しましては、商品取扱高・営業利益ともに上回るかたちで着地をしております。

当期新規出店合計商品取扱高

ZOZOTOWN事業、こちらはZOZOUSEDを除いたかたちになりますけど、商品取扱高の成長率をグラフ化したものになります。

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この第3クオーターも前年同期比で高い成長率を維持できているという状況です。要因は3つございます。

1つ目は、前期および当期ともにブランド様に新規出店を大量にしていただいておりますけれども、こちらが商品取扱高に反映されていると。

2つ目は、引き続き当期も実施しておりますが、ブランドクーポンおよびリターゲティング広告。こちらを含む効率的なプロモーションを実施することによって、そちらの影響も出ていると。

3つ目は、支払期限を注文日から最大で2ヵ月後とする「後払い決済サービス」を昨年(2016年)11月から導入しております。これによる効果。

この3つが大きな要因となっております。

ツケ払い(「後払い決済サービス」)、これは昨年11月に導入しておりますが、主にクレジットカードを保有されていない若年層の方をターゲットにした決算手段と位置づけております。

具体的な数字はまだ申し上げられないんですけど、導入してから多くのユーザー様に利用していただいている状況ですけれども、中長期的な取扱高の拡大という点については、まだ導入して間もないということもあって、現時点ではまだわかりません。今後の利用動向を見たうえで、判断していきたいと思います。立ち上がりとしては上々という状況です。

営業利益の増減分析(対前年同期比)

続きまして、営業利益の増減分析です。

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まず昨年、117億4,000万のところから、取扱高の拡大により37.9億円の増加。もう1つは粗利率の改善によって25.7億円の増加。一方でプロモーション費率が下落している関係で、12.1億円の増加と。

粗利率の改善の要因ですけど、こちらは2つございます。

まず1つ目が配送ポリシーの変更を実施したこと。

それとZOZOプラチナム・ZOZOプレミアムの有料会員制度の導入によって、こちらの会費と配送ポリシーの変更による送料の収入は、我々の売上でまいりますと「その他売上」というかたちで計上しております。

これが増加したことによって、売上=粗利というかたちで、粗利率が上昇しているという状況になっています。

2つ目が、粗利率の高いZOZOUSED事業の比率が上昇していることが大きな要因としてあげられます。

プロモーション費率の下落要因ですが、前期はTVCMを実施していることと、もう1つはポイントプロモーションを積極的にやったと。

一方で今期はそういうことをとくにやっておりませんので、ここが大きな差になっているという状況です。

結果として、営業利益は117.4億円から192.9億円、前年同期比で64パーセント増という結果で終わっております。

こちらはお手元(の資料)にはないと思いますけど、この表は第3クオーター累計の段階の商品取扱高と営業利益の進捗状況になっております。

15年3期、16年3期は実績。17年3期は当期計画に対する進捗という状況です。

ご覧いただいたとおり、第3クオーター累計では、進捗としては順調に推移していると。営業利益に関しては87.1パーセントという達成率になっております。

ただし、これは後ほどご説明するんですけど、プロモーション費用が未消化の部分がかなりありまして、これを第4クオーターのほうに利用する予定であるという状況だけご説明したいと思います。詳細は後ほどご説明します。

連結財政状態

続きまして、貸借対照表、バランスシートになります。

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今まで違う部分がいくつかあって、1つが流動資産の部分の売掛金の増加です。こちらが11億円から247億円と。2016年3月期末に比べて増加しています。

1つは取扱高の増加による季節要因があるんですけど、1つは先ほどご説明した「ツケ払い」です。こちらの導入によって、売掛金が増えているということになっております。

もう1つのポイントとしては、固定資産の部分の投資等の増加の部分です。これは2つございまして、1つは物流センターの保管スペースの拡張です。保管スペースを拡張したことによって、敷金等が増加している部分があります。もう1つはマイナー投資先への追加投資を実施しておりまして、その分が増加したと。この2つが固定資産の投資等の部分の増加要因になります。

商品取扱高の推移(四半期)

続きまして、商品取扱高の四半期推移です。

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第3四半期の商品取扱高は615.9億円ということで、前年同期比38.3パーセント増というかたちになっております。

内訳なんですけれども、ZOZOTOWN事業が597億円になりました。前年同期比44パーセント増。

さらにこれ(ZOZOTOWN事業)の内訳にいきますけれども、受託ショップが555億円、前年同期比43パーセント増。買取ショップは0.3億円、−73パーセント。ZOZOUSEDが41億円、こちらは63パーセント増。BtoB事業が16億円、−45パーセントというかたちになっております。

受託ショップ好調の要因は、お話ししたとおりなんですけど、ZOZOUSEDのほうは引き続き高い成長率を維持できているという状況になっております。

要因としていくつかあるのですが、2016年の11月から洋服の下取り割引サービス、我々では買い替え割と呼んでますけど、こちらを開始しております。

これはどういうものかというと、お客様が商品をご購入していただく際に、注文内容の確認ページで、お客様の購入履歴のなかから下取りに出したいアイテムを選択していただくと、その場でその下取り金額分を割引するサービスです。

何度も買ってらっしゃれば、何か新しいものを買うと。今持っている服のリストがあって、それを下取りに出すと査定されて、その金額を、今買おうとしている新品の商品から直接割引するいうサービスとなっています。

これがわりと順調に機能しておりまして、お客様に好評をいただいていると。こういったZOZOTOWNのデータベースを活用して独自のサービスをZOZOUSEDのほうで展開することによって、新商品、新品の購入促進と流通商品のラインナップの拡張というのを目指していこうというふうに思っております。

これはブランド様にとっても、新しいものを買うために下取りに出して、値引きした古い服を売ってもらって、新しいものを買っているので、ブランド様にとってもプラスになるといったサービスでございます。これは当社ならではなのサービスかなと思っています。

売上高の推移(四半期)

続きまして、売上高の四半期推移です。これはネットセールスのほうです。

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第3クオーターの売上高221億円、前年同期比では44.3パーセント増となっております。

前年同期の伸び率が、商品取扱高と比べて大きくなっているんですけど、こちらの1つが、ZOZOUSEDのビジネスが伸びていると。ZOZOUSEDは取扱高=売上高、ネットセールスになりますので、そのぶん売上のかさ上げがされていると。

もう1つは先ほどもお話しした配送ポリシーの変更と有料会員です。こちらの会費の部分が売上に計上されると。これが伸びている関係で、この売上高のほうも取扱高に比べて、伸び率が高くなっているということでございます。

営業利益・営業利益率(対商品取扱高)の推移(四半期)

続きまして、営業利益の四半期推移になります。

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営業利益は前年同期比83.8パーセント増の87億円というかたちになっています。対商品取扱高の利益率、第3クオーターだけで見ると、14パーセントとなりました。

これは先ほどお話しましたとおり、粗利率の改善とプロモーションのコストが減少しているという要因で、こういう結果に終わっております。

販管費推移(四半期)

続きまして、販管費の四半期推移のグラフになります。

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第3クオーターの販管費は113億円と、対商品取扱高対比と前年同期比10.6パーセントに対して、第3クオーターは18.4パーセントというかたちで減少しております。

要因としては、折れ線グラフにあるとおり、プロモーションコストが前年と(比べて)1.7パーセント減少しているというかたちになっています。

先ほどもお話したとおり、第3クオーター終了時点では、当初見込んでいるプロモーションコストを使っておりませんので、予算未消化というかたちになっています。

この当期は配送ポリシーの変更による送料の増収部分。先ほどお話ししましたとおり、配送ポリシーを変更したことによって、「その他」に売上が上がるかたちになっております。この増収した部分もプロモーションに投下していこうと考えております。

おそらく通期でプロモーションの費用だけを見ると、商品取扱高に対して、2.5パーセントから3パーセントぐらい。通常我々は2パーセントで予算を設定しているんですが、送料収入が増収した分をプロモーションに使おうと考えております。

おそらく対商品取扱高2.5から3パーセントぐらいが目安として考えられるかなと思っています。したがって、第4クオーターはプロモーションの投下は大きくなると考えています。

KPIの進捗

こちらからはZOZOの主要なKPIの説明をしたいと思います。まず、年間購入者数のご説明です。年間購入者数が578万人と。前四半期比ではプラス53万人。

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アクティブ会員が前四半期比でプラス36万人の342万人になっております。ゲスト会員が前四半期比でプラス17万人の236万人ということになりました。

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増加の背景は先ほどお話しているとおりで同じ要因なんですけど、ブランドの新規出店が多いということと、ブランドクーポンとリターゲティング効果。

もう1つはツケ払いの導入による新規の会員様の獲得に成功していると。このように非常に順調に会員数を伸ばすことができているということでございます。

モール出店ショップ数の推移

続きまして、ショップ数です。

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第3クオーター終了時点では934ショップというかたちになっております。第2クオーター末で比較すると、62ショップ増加というかたちになっています。

いくつか理由を挙げさせていただきますと、40歳前後の男性をメインターゲットとしたURBAN RESEARCHさんのROSSO MENというブランド、インテリア雑貨を扱っていらっしゃるFrancfrancさんが出店いただいたり、あるいはカラーコンタクトの取扱いも開始しています。

また、つい今月、2017年の1月にはGAPさんに出店いただけました。日本発でのECモール出店ということで、我々も注目をしている状況です。最初はキッズとレディースをメインに扱っているという状況でございます。

今後も一段とお客様が増えることによってニーズもどんどん多様化してきてるという背景を鑑みて、積極的に新しいブランドさんを誘致していこうと考えています。

アクティブ会員1人あたりの年間購入金額・年間購入点数

続きまして、アクティブ会員の年間購入金額と点数です。

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年間購入金額が48,275円。購入点数は10.5点ということで、購入点数はほぼ横ばいですけど、年間購入金額は若干減少しているという状況でございます。

これは第2クオーターでも同じご説明をしていると思うんですけど、既存会員と比較して、新規の会員流入がここのところ順調に獲得できているということで、新規の会員様の比率が上がってきていると。

どうしても新規の会員様が増えると、年間購入金額も、まだ1年目のお客様ですので、購入金額が低いということで、ミックスすると、その影響で下がっているという状況でございます。

現に既存の会員様だけを抜き出すと、既存の会員様に限定した年間購入金額は6万929円、年間購入点数は13.1点ということで、四半期比で増加という状況になっています。

従いまして、既存会員様がより順調に伸びていると。新規の会員様が増えている。獲得がうまくいっているということで、全部の平均をしますと横ばいになっているという状況でございます。

商品単価の推移

続きまして、商品単価は5,236円、前年同期比では-11.8パーセントということで、2016年の第3四半期以降、ほぼ1年、商品単価の前年同期比の比率が−2桁というかたちで下落が続いているという状況でございます。

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理由としては主に2つです。商品取扱高に占めるセール販売の比率およびZOZOUSEDの比率。ZOZOUSEDはどうしても商品単価が低いので、2つの比率が上昇している関係で、単価が下がっているというのが1つです。

もう1つはここのところ大量出店していただいていますけど、新しく出店いただくブランド様の商品単価が比較的低価格のブランド様に多く出店いただいているという影響で、商品単価が下落しているという状況です。

今期も多数新規ショップ、オープンしていただいてますけど、やはり中には低価格のブランド様というのも多く含まれておりますので、当面は商品単価の下落は継続するだろうと考えております。

会社としてのポリシーも、そういうブランドさんを増やすことによって、多様なお客様のニーズに応えていこうと考えておりますので、これは想定の範囲内であると考えております。

平均出荷単価の推移

一方で、出荷単価のほうでございます。

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出荷単価は10,143円ということで、前年同期比−4.8パーセントと。こちらも商品単価に引っ張られるかたちで下落はしております。

ただしオーダー当たりの購入点数というのが順調に増えてきているということで、下落幅は商品単価の下落幅に比べると、やや落ち着いているという状況です。

最後になりますが、17年通期の計画は据え置きというかたちで考えております。引き続きこちらのターゲットを目指して頑張っていこうと。

最後に、昨日、企業価値向上表彰優秀賞を受賞いたしました。ということで、今後も適切に情報発信をしていくことで、投資家のみなさまと建設的な対話を実現していこうと考えております。

その結果、企業価値をさらに高めていこうと考えておりますので、何卒よろしくお願いいたします。簡単でしたが、ご説明は以上になります。

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