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ジェイテック Research Memo(4):建築・介護など人手不足が深刻な分野に力注ぐ

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■今後の展望・課題

1. 経営理念の施策
ジェイテック<2479>は、技術職知財リース事業の強化を維持しながら、新規事業である「グルくる(R)」と、派遣・請負事業のすそ野拡大において積極的な戦略を展開するとし、「技術者の地位向上と業界最高の収入を実現し、創造的個人経営集団を形成させる」という経営理念に基づいて施策を打ち出している。

経営理念の施策として具体的に挙げているのは「新しい業務領域への継続挑戦」、「人材採用と人材育成」、「自社開発及び販売の促進」の3点だ。

まず、「新しい業務領域への継続挑戦」に関しては、少子高齢化や引き続き旺盛な開発事業など、技術者派遣業界を取り巻く環境を踏まえて、人手不足が深刻な業界をターゲットにしている。

具体的には、2019年4月に出入国管理法が改正され、「特定技能」在留資格が新設され、それに伴い、介護、外食、建設など人材不足が深刻な14分野に外国人労働者が就業可能となったことで、そこから外国人労働者の活用に取り組むという。中でも介護業では30万人、建設業では21万人、今後5年間で人材が不足するとみられ、同社はこの2分野に注力する構えだ。

介護では、既にこれまでの営業活動によって、高級施設から庶民的施設など幅広い受け入れ先の準備を整えている一方、「特定技能」外国人労働者の活用推進については、現地送り出し機関や日本語学校との連携など独自のネットワークを築いており、これらを活用して介護ビジネスの拡大に取り組む。

他方、建築に関しては、主要取引先であるLIXILに加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後も続くインフラ整備や首都圏の再開発における需要取り込みを推進。既に、建設分野では東京都で一般建設業許可を取得しており、自社設計施工案件の受注にも努める。こちらも、介護と同様に独自のネットワークを活かして、「特定技能」外国人労働者の活用推進に注力する方針だ。

「人材採用と人材育成」ついては、人手不足により、人材獲得競争が激化する中にあっても、同社は高い採用基準を緩めることはしない。時代に左右されることなく、高付加価値のサービス品質を提供することを心がける。2019年4月には、採用市場や経済・国際環境など、最新の情報をいち早く入手するために、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)に加入した。

「自社開発及び販売の促進」では、派遣会社向け勤怠管理クラウドサービス「staff-one」の販売を進める。同社のシステムを、7万社あると言われる派遣会社に提供する訳だが、単に収益アップの事業としてだけではなく、同社が進めるM&Aにも活用する考え。さらに、ここでは後述する「グルくる(R)」の拡販も目指す。

2. 技術職知財リース事業の展望
収益基盤で重きをなす技術職知財リース事業は、極めて高度な技術を持つテクノロジストに関して、もともと同社は景気が悪化した際に大量の優秀な技術系人材を採用して育成し、業績を伸ばしてきた。しかし、最近の決算動向でも明らかなように、大手メーカーの業績が堅調となっている現状では優秀な人材確保は極めて困難な状況にある。リーマンショック直後には100人に及ぶ優秀な人材を確保した時期があったものの、現在は思うように人材が確保できない。高いレベルを擁するため、好景気下では優秀な人材を採用するのは難しいと言える。

しかも、働き方改革によって残業が減少していることも、同社の業績にマイナスに作用する。高い技術力に対する評価がアップしたことで、単価は上昇傾向にあるものの、時間数が減っているため、売上高が伸び悩んでいる状況だ。

こうしたなかで、先述したようにIoT関連で伸び白を作っていく。とくに、工場の無人化進展に絡んでビジネスチャンスが大きくなりそう。というのも、会計や発注といった業務に対応が可能なオフィス系のエンジニアは多いものの、搬送など工場の業務に精通した制御系のエンジニアは少なく、こうしたいわゆるファームウエアの分野で、同社のテクノロジストが活躍する余地が広がりそうだ。その意味でもIoTの進展が収益環境を変える可能性もある。

さらに、景気動向についても、長い目でみれば、停滞する局面も出てくるため、中長期的な経営戦略とは別に、短期的な収益面では、リセッションが待たれる状況だ。

3. 「グルくる(R)」の今後
2015年3月にリリースされた店舗における注文支援システム「グルくる(R)」の今後についても期待がかかる。

「グルくる(R)」は、来店客が自分のスマホを店内にあるQRコードにかざすか、NFCタグにタッチするとスマホに店内の商品リストや価格、商品の説明が表示される。同時にそこから商品を注文することもできる。いわゆるセルフ注文システムだが、従来のように店舗にタブレットを置き、そこから注文する場合に比べ、店側の投資が格段に低く済むようになる。タブレットの場合は小規模の場合でも導入の初期費用に数百万円かかる一方で、「グルくる(R)」は原則として初期投資が不要である。使用料も、商品の数や、店舗の規模には関係なく月額1万円で済む。さらに、13言語での対応が可能となっている点も大きなポイントで、インバウンド消費に対応できるシステムだ。翻訳費用は別途かかる。

新規事業も「人手不足」がキーワードになっており、「グルくる(R)」も開発当初は、アルバイトや従業員の確保が難しい小規模飲食店向けに開発したが、インバウンド消費の活況で市場が注目した。その結果、現在では、当初の対象だけでなく、観光地の名所案内や、みやげ物店のほか、大型専門店への導入も視野に入っている。

今後の拡大のカギを握るのがキャッシュレス化の進展だが、「グルくる(R)」の導入は加速度的に増える可能性もある。

「グルくる(R)」は、注文管理装置及び注文管理手法に関して2016年1月に特許を取得し、技術の先進性も認められた。加えて、クラウド対応のサービスであるほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて全国に無料Wi-Fiが整備される予定であることなどから、あらゆる店舗での注文の際に標準的に使われる「社会インフラ」への育成を目指す。五輪後に広がる可能性を秘めていると言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

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