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USS、中古自動車買取専門店「ラビット」等の低迷により減収減益

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2017年5月12日に行われた、株式会社ユー・エス・エス2017年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

2017年3月期決算説明会

安藤之弘氏:本日はお忙しいなか、2017年3月期決算説明会にご参加いただきましてありがとうございます。ユー・エス・エスの安藤です。

昨年度の新車販売を振り返りますと、登録者は、新型モデルの投入などにより、若干増加しています。とくに今年に入ってからは強含みで推移いたしています。

一方、軽自動車は自動車税の増税の影響などにより、若干弱含みとなり、新車販売全体では前年比102.8パーセントの507万台となっています。

オートオークション市場につきましても、中古車輸出の低迷なども影響し、出品台数、成約台数ともに前年並みで推移いたしました。

当社の業績でございますが、第2四半期の決算発表で申請した業績計画に対しては、売上高、利益項目ともに上回ることができました。配当につきましては、17期連続増配の1株あたり年間46円40銭を予定しています。

2017年3月期 連結業績概要

まず2017年3月期連結累計期間の業績をご説明いたします。

売上高は前期比97.9パーセント、計画比100.6パーセントの671億円。

営業利益は前期比93.9パーセント、計画比102.2パーセントの323億円。

経常利益は前期比93.7パーセント、計画比102.2パーセントの329億円。

親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の減少により、前期比101.9パーセント、計画比103.2パーセントの229億円となり、昨年11月に発表した修正計画に対して、売上高、利益ともに上回り、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、6期連続で過去最高益を更新することができました。

2017年3月期 営業利益増減分析

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営業利益の変動要因を分析したスライドです。オートオークション事業における出品成約台数の減少や減価償却費の増加に加え、中古自動車買取販売、リサイクル事業の低迷などが、減収減益の主な要因です。

セグメント売上・利益の状況

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セグメントごとの売上・利益についてはご覧のとおりです。各セグメントの詳細につきましては、後ほどご説明申し上げます。

連結貸借対照表・キャッシュ・フロー要約

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連結貸借対照表です。自己資本比率が約80パーセントと、高水準でございますが、迅速の設備計画、M&Aなどを投資の意思決定ができるように、引き続き財務の安定性を確保してまいります。

一方、資本効率の視点から、配当の基本方針として、連結配当性向を50パーセントに引き上げたことに加え、自己株式取得などの株主還元を進めた結果、総還元性向は84パーセントとなる予定です。

連結キャッシュ・フローの計算書でございますが、静岡会場やアール名古屋会場の建設代金の支払などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは48億円となりました。

財務活動により支出したキャッシュ・フローは135億円ですが、これは配当金の支払いが111億円、自己株式の取得による支出が82億円などです。

減価償却費は設備投資の増加などにより、前期比138.2パーセントと大幅に増加して、45億円となりました。

市場動向(グラフ)

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ここからは自動車流通市場の動向をご説明したいと思います。ご覧のスライドは、過去3年間3ヶ月単位で新車、中古車、登録台数、中古車の輸出台数、オートオークション仕様の出品成約台数をグラフ化したものです。

グラフをご覧いただきますと、国内の自動車全体が昨年後半までで底打ちし、今年に入ってからは徐々に回復傾向にあると思われます。

あとは、オートオークション市場に影響が大きい中古車輸出台数は、今年に入って、前年同期比を上回っており、これから徐々に回復していくものと期待しています。

オートオークションのセグメント①

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次に、オートオークションのセグメントについてご説明いたします。

出品台数、成約台数ともに前期実績を下回りましたが、二輪車オークションを運営するジャパンバイクオークション、通称JBAと申しますが、新規の連結にしたことにより、売上高は前期比100.4パーセントの528億円となりました。

営業費用につきましては、前期に完成した名古屋会場の立体駐車場、または今期の静岡会場建て替え、アール会場の新築移転などにより、減価償却費が大幅に増加し、営業利益は前期比95パーセントの318億円となりました。

オートオークションのセグメント②

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こちらのスライドはUSSのオートオークションの実績です。左下のグラフにある市場シェアについては、2016年1月から12月で32.5パーセントとなっています。

右側のグラフは、USSとUSSを除く市場平均の成約車両金額の推移です。

USSとUSSを除く市場平均は引き続き、大きな差が開いておりますが、これは良質が事故車がUSSに多く出品されている傾向が引き続き続いていることを示しています。USSの業界内における競争力は、十分確保されておると思っています。

オートオークションのセグメント③

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次に手数料の推移についてご説明いたします。グラフは四半期単位でございますが、4月から3月までの累計でご説明いたします。

まず1台あたりの出品手数料でございますが、前期比と比べ、55円マイナスの5,326円となりました。マイナスの要因といたしましては、USSの中では一番たくさん競りをやっております、東京会場、キャンペーンの増加などによるものです。

次に1台あたりの成約手数料でございますが、前期比と比べ110円プラスの8,072円となりました。

このプラス要因といたしまして、名古屋会場など、コーナー体系を見直しをしたことなどにより手数料単価の高いコーナーへの出品が増加いたしたものです。

次に1台あたりの落札手数料ですが、前期と比べ292円上昇し、1万1,922円となりました。プラス要因としては、2015年7月より商談手数料ならびに衛星テレビおよびインターネットの落札手数料の料金を値上げした、見直しをしたことによるものです。

外部落札比率につきましては、オークション会場へ投資効果もあり、来場されて、競りに参加される会員様も増加しておりますが、今後も50パーセント前後で推移していくものと思われます。

オートオークションのセグメント④

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こちらのスライドは年間の会場別のオークション実績です。

名古屋会場、4年前に新会場を設立いたしまして、いまだにその効果が出ています。好調に推移しています。東京会場、九州会場は、開催数の減少を考慮しても、若干伸び悩む結果となりました。

オートオークションのセグメント⑤

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ご覧のスライドは2014年度から今期までの月次のオークション実績です。

中古自動車等買取販売のセグメント

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続きまして、中古自動車と買取販売のセグメントについてご説明いたします。中古車買い取り専門店を運営しているラビットは、取扱台数の減少、台あたりの粗利益が減少したことなどにより、売上高は前期比85.8パーセントの58億円。営業利益は前期比32.4パーセントの1億2500万円と減収減益となっています。

続いて、事故現状車買取販売事業は取扱車両の価格が上昇したものの、台あたりの粗利益が減少したことなどにより、売上高は前期比107.1パーセントの35億円。営業利益は前期比77.9パーセントの7,700万円と増収減益となっています。

これも非常に同業他社がたくさんありまして、買取に対しても非常に苦労しておるというのが現状です。

その他のセグメント

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次に、その他のセグメントについてご説明いたします。リサイクル事業のアビズは、下期に親族スクラップ相場が上昇したものの、取扱台数の減少に加え、当社から賃貸して、工場の土地、建物を自社で、所有、取得したことにより、取得関連費用が発生し、売上高は前期比96.6パーセントの45億円、営業利益は前期比67.2パーセントの1億1,400万円と、減収減益となっています。

中古車の輸出手続き代行サービスを行っております、USSロジスティクスインターナショナルサービスは、中古車の輸出の低迷などにより、取扱台数を大幅に減少したことから、売上高は前期比75.2パーセントの3億9800万円、1100万円の営業損失が出ています。

2018年3月期 連結業績予想

ここからは通期の業績の予想についてご説明いたします。

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新車販売の見通しでございますが、新型モデル導入などによって、前年並みの水準で推移するものと思われますが、需要サイトの影響がある中古車輸出市場についても、本格的に回復するかどうか、見通しがしづらい状況であると思います。

このような市場環境から、2018年3月期のオートオークションの事業計画は、出品台数、前期比、102パーセントの240万台、成約台数、前期比107パーセントの152万台、成約率を63.3パーセントと設定いたしています。

これらを反映した連結業績予想は、売上高、前期比102.4パーセントの688億円、営業利益は前期比103.1パーセントの334億円、経常利益は前期比102.7パーセントの339億円。親会社、株主に帰属する当期純利益は、前期比101.3パーセントの232億円を計画いたしています。

2018年3月期 営業利益増減分析(予想)

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ご覧のスライドは、通期の営業利益の変動要因です。

オートオークションにおける出品台数の増加や、2016年9月に実施いたしました、インターネット会員の月会費の値上げなどが主な増益の要因となっています。

2018年3月期 セグメント別業績予想

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ご覧のスライドは各セグメントの業績予想となっています。

市場環境認識と中期的な価値創造に向けた戦略

ここからは中期的な戦略についてご説明申し上げます。

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29ページの中長期的な市場認識とUSSの戦略をご説明させていただきます。

国内の新車販売ですが、電気自動車、自動運転技術など、さまざまなイノベーションが予想されますが、わが国の人口構造を見ますと、販売台数が拡大していく状況ではないと認識はいたしています。

このような状況下で、USSはオートオークション市場において、確実にシェアを拡大させていくことが重要と考えています。

当社は、中、長期的を見据え、総額200億円をかけて、収益の高い会場から順にオークション会場の新築、建て替え、最新鋭のオークションシステムの導入などを行ってまいりましたが、今後も継続的に設備投資を実施し、常に最新鋭で利便性の高いオークション会場を維持していくことで、圧倒的なシェアを確保していきたいと考えています。

経営戦略:設備投資の実績と計画

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ご覧のスライドは、設備投資の状況です。昨年5月に静岡会場の新築建て替えをオープンいたしました。

また、7月にアール名古屋会場の新築移転オープン、8月には横浜会場に最新鋭のオークションシステムを導入、また、今年の2月には東京会場に業界初の12レーン化を含む最新鋭のオークションシステムを導入し、すべて完了いたしています。

また、2018年3月期は、一昨日の5月10日、USS札幌会場が新築建て替えオープンいたしました。先だって、札幌行ってまいりましたが、4554台という、目標4000で組んでおりましたが、4000を上回る出品台数がありまして、盛大なオークションができたかなぁと、思っています。

また、来週5月の15日になりますが、もう1年以上前に途中失速しておりました北陸会場、こちらの新築移転を行う予定で、とりあえず15日に地鎮祭を行う計画をいたしています。なんとか10月くらいには北陸会場も新築移転でオープンをしていきたいと考えています。

JAAの株式取得について

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公表しております、JAAの株式取得の件でございますが、現在6月までには許可をいただけるよう、公正取引委員会と鋭意相談を進めておりますが、まだ今のところ具体的な審査の進捗や、株式取得後の事業計画につきましては、まだ決まっておりませんというか、発表ができない状況でございますので、本日ご説明は控えさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

財務と株主還元に関する基本方針

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次に、株主還元に関する基本方針でございますが、2017年3月期より、連結配当性向を50パーセント以上に引き上げました。

また、これに加え、今期も実施いたしましたが、自己株式の取得についても、資金ポジション、設備投資計画、株価などを考慮して、機動的に対応をしていきたいと考えています。中期的に、ROE、15パーセント以上の水準を目指していきたいと、これも、考えておるところです。

株主還元:配当政策

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次に、2017年3月期の年間配当金でございますが、冒頭ご説明いたしました通り、昨年5月に公表いたしました46円40銭の年間配当を維持して期末配当は1株あたり23円20銭を予定しています。

次に、2018年3月期の配当予想は、前期から60銭増配の1株あたり47円を予定し、18期連続増配を目指してまいりたいと思います。

株主還元:総還元性向

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ご覧のスライドは自己株式の取得を含めた総還元性向の推移です。

今期は84.2パーセントとなる予定です。

株主還元:株主資本利益率(ROE)

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ご覧のスライドはROEの推移でございますが、2017年3月期実績は14.7パーセント、2018年3月期の予想は、14.2パーセントとなりますが、引き続き継続的に15パーセント以上の水準を目指していきたいと考えておるところです。

事業成長と株主還元による企業価値向上サイクル

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ご覧のスライドは設備投資やエムアンドエーなどの事業成長投資と、株主還元のサイクルをまとめたものです。ご覧いただきたいと思います。

USSの社会的価値・経済的価値創造

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最後となりますが、ご覧のスライドは、当社の本業を通じた社会貢献と、経済的な価値創造をまとめた新たなページです。

当社の売上高のすべてが、中古車のリユース、リサイクルに関わる事業から生まれています。効率的なプラットフォームを構築し、効果高い収益性を実現できておると考えています。

今後も成長投資と株主還元のバランス、社会的価値と経済的価値の両立を目指し、今後も経営を進めてまいりたいと思っています。

私からの説明は以上となります。ありがとうございました。

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