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「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

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2016年11月2日に行われた、株式会社フジ・メディア・ホールディングス2017年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

2017年3月期 第2四半期 決算説明会

嘉納修治氏:嘉納でございます。本日はお忙しいところ、みなさまご出席をたまわりまして、誠にありがとうございます。

初めに、上期の連結の業績でございます。

2ページにございますように、売上高は3,276億円、営業利益は133億円、最終利益は127億円と、増収、大幅な増益で、5月に発表した予想に対しましては、売上高が未達であったものの、利益面では大きく超え、とくにセグメントとしては、下の表にございますように、都市開発事業が大きく貢献をいたしました。

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5ページにポイントを記載しておりますけれども、放送事業セグメントのフジテレビは、放送収入が見込を下回ったものの、イベントでは『トーテム』、映画では『ONE PIECE』、そして『暗殺教室』など、その他事業が計画以上の利益をあげ、また、番組制作費を含む営業費用全体を着実にコントロールすることでカバーし、ほぼ予想通りの利益を確保することができました。

「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

フジテレビの番組制作費削減の影響を受けた制作事業以外のセグメントは、全体的に堅調でございます。

とくに都市開発事業につきましては、グランビスタホテル&リゾートは、和歌山のリゾートホテルの耐震工事や台風の影響で減益となりましたけれども、サンケイビルが札幌の土地や五反田のビルの売却などにより、予想を大幅に超える業績をあげ、セグメント全体では増収、増益となりました。

業績予想の修正ポイント

続いて、通期の業績予想を修正いたしましたので、ご説明をいたします。資料では25ページになります。25ページの赤枠のところが、修正後の予想でございます。

「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

今回、フジテレビの営業利益予想を75億円に下方修正いたしましたが、都市開発事業、生活情報事業など、上期の上振れ分を上方修正し、連結の営業利益の予想は272億円から変更しておりません。

フジテレビの放送収入が苦しい時には、それ以外の各事業が支えるという、当社が目指してきた事業ポートフォリオの成果があがっていると考えております。

経常利益、当期純利益につきましては、上期で当初予想より上振れした、投資事業組合運用益や受取配当金の増加分を加味してございます。

予想の内容ですが、フジテレビの放送収入について、下の赤枠の通り、タイムは10月改編セールスの状況などを踏まえて、下期の予想を引き下げました。

スポットは秋口からシェアが大きい化粧品、トイレタリー、そして、医薬品、医療用品などの出稿が好調で、10月は前年を上回り、その先も年内の広告市況は概ね良好に推移すると見込まれるものの、期初に期待した視聴率の改善が少し厳しい状況、ままならないので、下期の予想を下方修正してございます。

この上期も、関東地区のスポット総額は前年を超えており、媒体価値を伴っておりますので、視聴率の向上によってシェアを高めることが喫緊の課題であるということは言うまでもないと考えております。

一方、この下期にフジテレビは、上期同様、その他事業で利益を積み上げるほか、全社的なコストコントロールで、放送収入の減収の影響を最小限に留める計画でございます。

番組制作費・視聴率の課題

番組制作費につきましては20ページにございますが、投下すべきところにはメリハリをつけて投下してまいりますけども、期初の計画よりも若干削減し、年間で前年より数パーセント程度少ない水準で運用する方針でございます。

「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

業績向上のための最重要課題である視聴率の現状ですが、ちょっと30ページに飛びます。

まず、ノンプライムの帯番組は、一定の成果が得られつつあると考えております。昼の『バイキング』では、視聴者から支持される企画を見出しつつあり、次に続く『グッディ』へのシームレスな視聴習慣が形に表れてきております。

「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

一方、プライムタイムは、まだ手応えを得るまでには至っておりませんが、10月改編では課題となっている週末を中心に、バラエティ番組を強化いたします。

日曜19時からの枠では、古舘伊知郎さんが出演する2時間の新番組『フルタチさん』が、今週末の6日にスタートいたします。

先だって、10日ぐらい前ですが、ニッポン放送で放送され、部分的に連携いたしました『古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD』の反響などから、大いに期待ができるのではないかと考えております。

また、19時枠も大幅に改善してスタートできましたし、火曜日はドラマとバラエティの時間枠を入れ替え、内容も変更、強化した効果が徐々に出てきていると、楽しみにいたしているところでございます。

これからも若者層など、フジテレビのメインターゲットから支持される番組を作り、ヒット番組を生み出し、一つひとつ積み上げていく挑戦を続けてまいります。

ところで、10月からビデオリサーチ社の視聴率調査で、録画・再生によるタイムシフト視聴率の測定が始まりました。

調査世帯が増加し、リアルタイム視聴と合算した総合視聴率という、新しい新たな指標が発表されるようになりました。

しばらくはデータを蓄積し、分析することになりますけれども、今までより詳しいデータが得られることで、番組制作の担当者にとっては大いに励みになると思いますし、広告主のほうでも参考になり、改めてテレビのメディアパワーというものを確認いただけるのではないかと思っております。

成長分野における取り組み

それでは次に、メディアを取り巻く環境が変化する中、どのような分野に注力し、成長させていくのか、お話をしたいと思います。

言うまでもありませんけれども、いわゆるメディアというジャンルでは、ハード面の進化とともに送り手、受け手が多様化し、さらに受け手側は、タイムシフト、プレイスシフトと、利便性を重んじる傾向が強くなってきています。

しかしながら、いずれにしても、送るソフトなりコンテンツという情報がなければ、成立しないものです。

それも、とくにマネタイズできるのは、観たい、聞きたい、知りたいというニーズのあるコンテンツです。したがって、当社グループは新しい技術も取り入れ、あらゆるコンテンツ制作力を常に強化していくつもりであります。

テレビの視聴環境は、デバイスの多様化によって大きく変化しておりますが、引き続き、圧倒的多数の方々に視聴されておりますので、フジテレビは視聴者にも広告主にも支持される番組を放送することでシェアを上げ、まず放送収入を確保してまいります。これがまず第一です。

そして、地上波に加え、衛星や有料放送、配信など、多様なメディアを活用して、番組やコンテンツの収益を最大化していくつもりであります。

そこで、成長分野での取り組みですが、32ページにありますように、フジテレビの配信プラットフォーム、FODは、有料と無料のハイブリッドという、ユニークな総合プラットフォームとして地位を確立し、収益性を伴って成長を続けております。

「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

年間の売上高は、60億円をうかがう水準となり、事業収支で数億円の利益を生み出しております。

8月からは、新たに定額制サービスのFODプレミアムを加え、一層の成長を目指しております。

また、無料の広告付き配信では、独自に視聴データを収集し、分析をしておりまして、今後、広告主のマーケティングニーズに応える、新たな広告媒体としての可能性について検討をしております。

さらに、配信のビジネスでは、国内外のさまざまなプラットフォームがサービスを展開してきておりますが、昨年、フジテレビはNetflixから要請を受け、ドラマの『アンダーウェア』や、リアリティショー『テラスハウス』のシリーズを制作いたしました。

引き続きその後もフジテレビに加え、共同テレビジョンなど、グループ各社にもNetflixのほか、Hulu、Amazonプライム、AbemaTVなど、いろいろなジャンルの制作依頼があり、中でも、その主要な番組については、制作・著作の権利を当社グループが確保いたしております。

その他、グループ各社では、VRであるとかARであるとか、4Kであるとか、いろんな映像制作も進めております。

また、ラジオにつきましても、ワイドFMがスタートしたことにより聴取者が増加しており、radikoによるエリアフリー、タイムフリーの聴取者の拡大傾向も勘案いたしますと、配信とコンテンツの組み合わせで、新しい芽の出る可能性があるメディアであると思っております。

いずれにしても、フジテレビをはじめ、当社グループが培ってきた制作力が期待されていることに他ならないと思いますので、技術的な新しい流れも取り入れ、良質なコンテンツを提供し、収益につなげていきたいと考えております。

中期計画の達成に向けて

次に、34ページ、35ページをご覧いただきたいんですが、放送関連以外のジャンルについて、当社グループは「人と人をつなぐものはメディアである」という考えで事業展開をしております。

「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

そのような中、都市開発事業のサンケイビルとグランビスタですが、手堅い収益が見込まれるオフィスビル事業と、インバウンドで伸びしろが期待されるホテル・観光・リゾート分野で設備投資を進めており、来年度以降から順次改行して、収益に貢献してくることを見込んでおります。

「フジテレビが苦しい時には、それ以外の事業が支える」フジ・メディアHD 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

都市開発の分野で、規模の拡大と経営の安定を両立させるには、財務的な均衡と規律の維持が重要であります。保有資産の売却、入れ替えなどで、投資余力を創出するなど、リスクのコントロールには万全を期してまいります。

その他、映像音楽事業のポニーキャニオンでは、パッケージビジネスに頼らない事業構造への転換を目指しており、とくに産業規模が1兆8,000億とも言われるアニメ分野を開拓しております。

ポニーキャニオン所属の女優の上白石萌音さんが、アニメ映画『君の名は。』の主演声優を務め、ブレイクしており、また、自社制作した『クロムクロ』はNetflixを通じて、世界に配信をしております。

出資比率の高い『聲の形』は20億円を超える興行収入をあげ、ポニーキャニオン所属のaikoの歌う主題歌もヒット。そして、さらには新規ビジネスとして声優の学校を開校するなど、新たな分野で大きな成長を目指しております。

なお、アニメに関しましては、フジテレビも大型企画を進めております。今、一部をご紹介いたしましたけれども、このように構造改革と成長分野の育成を進め、併せて新規事業領域の獲得も行っていくことにより、当社グループの成長を目指していくつもりでございます。

今、フジテレビは、視聴率の向上と費用体質の改革によって、早期に収益力を回復させるべく、全力をあげているところでございますが、フジテレビ以外の連結各社の営業利益合計では、今期は197億円と過去最高を見込んでおり、連結全体の業績を支えております。

そして、中期的には、フジテレビ以外で250億円程度の営業利益を目指したいと考えております。

どうぞ今後とも、当社グループの成長、発展にご支援をたまわりますようお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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