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富士ソフト Research Memo(1):1970年設立の独立系大手ITソリューションベンダー

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■要約

1. 会社概要と事業内容
富士ソフト<9749>は、1970年5月設立の独立系大手ITソリューションベンダーである。そのルーツは、現在の同社代表取締役会長執行役員である野澤宏(のざわひろし)氏が自宅で自身に加え2名の社員とともに開業した株式会社富士ソフトウエア研究所であり、設立から半世紀近くを経た今、連結子会社28社、持分法適用非連結子会社2社、持分法適用関連会社2社で構成される連結従業員数16,000人超(2019年6月末現在)のグループにまで発展している。

報告セグメントは、SI(システムインテグレーション)事業、ファシリティ事業、その他の3つからなる。主力のSI事業では組込系/制御系及び業務系ソフトウェア開発を軸に多彩なソリューションメニューを提供、ファシリティ事業はオフィスビルの賃貸、その他はBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービス事業やコンタクトセンター事業、再生医療事業等を行っている。

2. コアコンピタンスは「技術力+提案力」
同社は、自社が顧客から選ばれる理由を「日々進化し続ける高い技術力と提案力にある」としている。自動車や半導体製造装置など極めて高い精度が要求される組込系/制御系ソフトウェアの開発を通じて得た先進技術ノウハウと幅広い業種向けへのソリューション提供で培われたシステム構築力、独立系ならではの柔軟なプロダクト提供力などに裏打ちされた「技術力と提案力」を自社のコアコンピタンスとすることへの納得度は高い。

3. 財務体質の強化を果たしつつ、リーマン・ショック前のピーク売上高を2期連続で更新
同社は、リーマン・ショック前のピーク売上高(2006年3月期)を2017年12月期に更新、続く2018年12月期も2ケタ増収を実現している。ピーク売上高更新まで実に10年余り要したわけだが、その間にフロー利益の回復だけでなく、財務体質の強化と成長ポテンシャルの増強が図られている点は高く評価できる。

具体的には、自己資本比率が2006年3月期末47.3%→2019年12月期第2四半期末54.5%、流動比率が同96.4%→同192.6%など、代表的な財務指標は大幅な良化を実現したうえで、2015年12月期以降の新卒中心の大量採用により、連結従業員数は同9,415人→同16,012人と1.7倍にまで拡大した。単体ベースの認定技術者比率(同社制度に基づく認定スペシャリストと認定プロダクトマネージャーの合計数が全従業員数に占める比率)も2014年12月末22.8%→2019年6月末27.5%と上昇しており、人材面から見た成長ポテンシャルは質・量ともに拡充されていることが読み取れる。

4. 足元業績は好調、2013年3月期以来となる中間期増配発表からは企業価値向上に対する決意がうかがえる
2019年12月期第2四半期(累計)の連結業績は、売上高が前年同期比12.8%増の113,556百万円、営業利益が同26.7%増の6,693百万円、経常利益が同19.5%増の6,825百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同12.6%増の3,736百万円と2ケタ増収増益での着地となった。

この実績を、2019年2月公表の期初会社計画との比較で見ると、第2四半期(累計)計画に対する達成率は、売上高が109.6%、営業利益が125.1%、経常利益が121.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益が118.6%となった。通期業績予想(売上高210,500百万円、営業利益11,700百万円、経常利益12,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,700百万円)に対する進捗率を見ても、売上高が53.9%、営業利益が57.2%、経常利益が55.9%、親会社株主に帰属する当期純利益が55.8%と、2014年12月期以降で最も高いペースとなっている。

順調な業績推移にもかかわらず、同社は米中貿易摩擦の激化といったマクロ環境の変調を理由に、通期業績予想を据え置いたが、その一方で、第2四半期決算の発表と同時に増配(38円/株→40円/株)を発表した。2013年3月期以来となる中間期での増配発表からは短期業績に対する手応えと企業価値向上に対する決意がうかがえる。

■Key Points
・1970年創業の独立系大手ITソリューションベンダー。積極的な人材投資と補完的M&A戦略が奏功し、売上高1,000億円の壁を大きく突破、2019年6月末の連結従業員数は16,000人超となっている。
・コアコンピタンスは豊富な実績と企業理念に裏打ちされた「技術力と提案力」。リーマン・ショック後の業績低迷期を経て、財務体質の強化と成長ポテンシャルの増強を実現しており、イノベーション企業グループを目指した「挑戦と創造」が加速しつつある
・2019年12月期第2四半期(累計)決算は、2ケタ増収増益を確保。通期業績計画に対する進捗率も2014年12月期以降で最も高いペースとなっている。2013年3月期以来となる中間期での増配発表は短期業績に対する手応えと企業価値向上に対する決意がうかがえる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)


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