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USENNEX Research Memo(3):厚さを増す店舗向けサービス

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■事業概要

事業セグメントは、店舗サービス事業、通信事業、業務用システム事業、コンテンツ配信事業、エネルギー事業、メディア事業の6つであり、主として法人向けビジネスで構成されている。店舗サービス事業では、飲食店や小売店など業務店や各種施設に対して、音楽配信サービスの提供や配信機器の販売・施工、音楽著作権の管理業務のほか、IoT商材など店舗経営のためのソリューションサービスを提供している。エネルギー事業やメディア事業では、そうした顧客に対し電力やガスの販売、「ヒトサラ」などUSEN-NEXT HOLDINGS<9418>メディアによる集客支援サービスを行っている。通信事業では法人向けブロードバンドインターネット回線や個人向けMVNOサービスなどを販売、業務用システム事業ではホテルや病院などに自動精算機やフロント管理システムを販売している。コンテンツ配信事業では個人向けに映像や電子書籍といったデジタルコンテンツを配信している。なお、収益面においては月次で利用料を収受するランニングモデルが拡大中である。

1. 店舗サービス事業
店舗サービス事業は、グループの主軸で祖業でもある音楽配信事業を中心に、店舗周りの様々な商品・サービスの提供・販売・施工、音楽著作権の管理、開発などを行っている。音楽配信事業は50年以上の歴史を有し、J-POPや洋楽などの専門チャンネルからリクエストチャンネルまで、全国の店舗や施設へ向けて音楽や情報などを放送する「USEN」サービスを提供している。顧客の大多数は業務店で、特に飲食、小売、理美容、クリニックの割合が高く、チェーン店は全国チェーンから地域密着チェーンまでと幅広い。受信端末機(チューナー)をレンタルし、専用の同軸ケーブルや通信衛星、インターネット回線といったインフラを使用している。当然だが、提供する音楽はすべて著作権に関して適切な処理を行っている。グループで全国170拠点、営業職1,100人、技術職900人というサポート体制を擁し、設置施工からアフターケアまで万全の態勢を取っている。こうした品ぞろえや品質、サポート体制に加え、月額4,000~5,000円でCDプレイヤーの導入や継続的なソフト購入や選曲の手間、面倒な著作権処理などが解消されることを考えるとコストパフォーマンスがよく、同事業の根強い人気の理由が分かる。このため現在、75万件にのぼる強固な顧客基盤と店舗・施設用BGMで90%超という圧倒的なシェアを誇っている(2018年10月に100%子会社化した業務店向け音楽配信サービス業界2位のキャンシステム(株)を含む)。グループの戦略を支えるキャッシュカウな事業と言える。

同社は、音楽配信事業の周辺サービスとして、開業支援から業務環境構築、販売促進まで、業務店に対して店舗運営に関する様々なソリューションサービスを提供している。近年、小売・サービス業でもIT化が進んでいるが、中小零細業務店が対応するにはハードルが高い。このため、同社は中小零細業務店に代わって最先端の機器やシステムをワンストップで届けており、好評である。メニューはタブレットPOSレジ「Uレジ」、事業者向けテナント総合保険「お店のあんしん保険」、店舗アプリ作成サービス「UPLink」、業務店向けWi-Fiサービス「U-SPOT」、生産者と飲食店をつなぐ食材仕入れサービス「REACH STOCK」など種々あり、さらに拡張中である。なかでも注目されるのが、「IPカメラサービス」で、USENとキャンシステムがクラウド録画サービスに強みにあるセーフィー(株)と組んで提供する、USENによる駆けつけサポートを付加した、高画質なクラウド型カメラサービス「NEXTクラウドビュー」である。映像を通じたオフィスや店舗での防犯対策だけでなく、業務効率化やマーケティングのための最先端の分析サービスも提供している。

ところで、現在業務店の最大の悩みは人材確保である。人件費が上がるのは仕方ないとしても、働いてくれる人がいないというのは困る。そこで同社は、アルバイト採用及び特定技能による在留資格を取得した外国人労働者の正規採用という両面から人手不足を解決すべく、人材確保支援ソリューションサービスを開始した。1つめは、アルバイトマッチングアプリ「Baitry(バイトリー)」を運営するスポットメイト(株)との資本業務提携である。「Baitry」を通して体験型アルバイトをスポットで体験できるため、店舗は従業員との相性を、従業員は職場の雰囲気や実際の仕事内容などを確認することができる。この結果、店舗と従業員のミスマッチを防ぎ、長期雇用につながることが期待されている。2つめは、子会社(株)Next Innovationで、外国人材の採用ニーズがある店舗に対し、紹介から採用後に受入企業が行わなくてはならない支援義務の代行までをワンストップで提供する外国人材採用支援サービス「Stay Worker」の提供開始である。2019年4月施行の改正入管法に基づき国が今後5年間で最大35万人の外国人労働者を受け入れるというガイドラインが出ている点を踏まえると、店舗サービスという事業の枠を超えて公共性の高い事業と言える。公共性が高いと言えば、業務店向けWi-Fiサービス「U-SPOT」では総務省による電気通信事業の登録を受け、商店街やビルのエントランス、公園、駅、駐車場など公共スペースでの公衆無線LANアクセスサービスの提供を開始する。「街のWi-Fi化」で社会インフラ基盤の構築に貢献しつつ、高速・大容量のIPv6次世代インターネット接続サービス(プロバイダ)を標準搭載することで、店舗におけるより高品質で快適な通信環境を実現する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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