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野党の生きる道【フィスコ・コラム】

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「桜を見る会」問題をきっかけに安倍晋三首相の支持率が低下するなか、与党内から解散風が吹き始めました。次期総選挙に備え野党が合流の動きを加速させていることが背景です。ただ、仮に選挙となっても、政権交代は困難と考えます。


立憲民主党の枝野幸男代表は国民民主、社民両党の党首などに合流を打診し、野党勢力の結集を模索。今後調整が本格化すれば政権交代可能な新たな政党を発足させる可能性があります。そうした動きに合わせるように、自民党からは幹部が衆院解散の可能性に言及し、野党をけん制。国内メディアの世論調査では、安倍政権の支持率が低下しており、来年1月の通常国会冒頭での解散も取りざたされています。


安倍首相は2012年12月に第2次政権を発足させ、通算の在任期間は憲政史上最長となり、さらに2021年9月まで自民党総裁任期が残っています。ただ、「桜を見る会」で政治資金規正法への抵触など様々な問題が発覚し、劣勢に追い込まれつつあります。前回2017年の総選挙では野党が得票数で与党を上回っており、選挙となれば政権交代の可能性もゼロではありません。自民党からの解散風には、そうした焦りも感じられます。


しかし、実際に解散・総選挙の流れになった場合、立憲民主党を中核とした新政党が自民・公明の議席を上回り、政権を奪還するのは困難でしょう。多党が乱立するヨーロッパなどの政治をみると、有権者は中途半端な政策を掲げる既存の政党より斬新さを求める傾向があります。日本では、消費税廃止を訴える「れいわ新選組」がそれに該当するとみられ、反安倍、反野党の支持をどこまで集められるか注目されます。


野党の迷走は、旧民進党が2017年に当時の希望の党と合流しようとして、「排除」により分裂したのが発端です。旧民主党が政権党になったにもかかわらず、1度選挙に負けたぐらいで「民進党」に党名を変更。さらに「風」に乗って他党と合流したのは、細川政権時代から積み上げてきた二大政党制の一方の役割をカンタンに放り投げたように見えました。そうした一貫性のなさが安倍政権の安定を「支援」してきたのは明らかです。


今年7月の参院選では、消費税率引き上げを目前に控えた国政選挙だったにもかかわらず、投票率は50%を割り込みました。度重なる税率引き上げに怒らない有権者が、「桜を見る会」に目くじらを立てるでしょうか。野党が真剣に政権奪還を考えるなら、自党の支持者に政策を訴えるだけではなく、選挙を棄権する5000-6000万人の有権者を幅広く取り込む必要があります。ただ、現時点でそこまでの訴求力が感じられません。


そうなると、今後選挙が行われたとしても安倍首相の任期延長にただ協力するだけかもしれません。野党の主力3党による合流協議は、「民主党」復活プラス「れいわ」との連携でブームを作れなければ、野合の批判は免れないでしょう。

(吉池 威)

※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。


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