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日経平均は4日ぶり大幅反発、先物売買に振らされた後は?

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 日経平均は4日ぶり大幅反発。348.11円高の23552.97円(出来高概算5億4000万株)で前場の取引を終えている。

 週明け6日の米株式市場でNYダウは反発し、68ドル高となった。米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害を受け、中東情勢悪化への警戒感から一時200ドル超の下落となったが、引けにかけて上昇へ転じた。また、2019年12月の米サービス業購買担当者景気指数(PMI)改定値が速報値から上方修正されたこともあり、円相場は1ドル=108.40円近辺まで下落。前日に451円安と大きく下落していた日経平均だが、本日は米国株の反発や円相場の反落を受けて115円高からスタートした。寄り付き後も断続的に上げ幅を広げ、前引けにかけて23559.59円(354.73円高)まで上昇する場面があった。東証1部の値上がり銘柄は全体の9割弱、対して値下がり銘柄は1割未満となっている。

 個別では、富士フイルム<4901>が5%超の上昇。米ゼロックスとの提携解消を評価する声が多く、投資判断引き上げの動きも散見されている。ソニー<6758>やOLC<4661>は3%超上昇し、その他売買代金上位もソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>など全般堅調。象印マホービン<7965>は筆頭株主の保有比率上昇や保有目的変更を受けて思惑買いが向かい、日鋳鉄管<5612>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、SUMCO<3436>やZHD<4689>は小安い。また、ランニングシューズの競合懸念から売りが続くアシックス<7936>や、決算が嫌気されたマルマエ<6264>は東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、全33業種がプラスとなり、精密機器、サービス業、その他金融業などが上昇率上位だった。

 大発会の6日に451円安と波乱の幕開けとなった日経平均だが、本日はその下落分の8割弱を取り戻して前場を折り返した。東証1部銘柄の9割近くが値上がりする全面高の展開となっている。米軍がイラクでイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害し、中東情勢悪化への懸念はくすぶるが、米イランの戦争にまで発展するとの見方は少なく、前日の過剰反応を修正する動きとなっているようだ。6日の先物手口を見ると、日経平均先物でクレディ・スイス証券、東証株価指数(TOPIX)先物でシティグループ証券といった外資系証券の売り越しが大きかったが、こうした海外投資家が買い戻しを入れていると考えられる。

 個別株でも、取引時間中の昨年来高値を更新したソニーや高評価が相次ぐ富士フイルムなどは賑わっている。ただ、ここまでの東証1部売買代金は9500億円弱と、日経平均の上昇幅からするとやや盛り上がりに欠ける印象だ。やはり日経平均は先物売買に大きく振らされているとみられる。株価指数に絡んだ売買を除くと、買いがソニーなど成長期待の高い銘柄に集中している感はある。低リスク銘柄としての位置付けが高いOLCが再び買われている点にも注目しておきたい。

 今週は米国で2019年12月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数(7日)、雇用統計(10日)といった経済指標の発表が予定されており、国内では小売大手や安川電<6506>の決算が注目される。買い戻し一巡後はこれらの内容を見極めたいとのムードが広がる可能性もあるだろう。
(小林大純)
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