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今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門~老後2000万円問題~

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昨年6月、金融庁金融審議会の市場ワーキンググループによる報告書「高齢社会における資産形成・管理」をきっかけに所謂「老後2000万円」が連日メディアなどで取り上げられ、話題となりました。日本は現在、「人生100 年時代」とも呼ばれる高齢社会を迎えようとしており、改めて老後2000万円問題について取り上げたいと思います。
そもそも2000万円という数字は何を根拠に算出された数値であるのでしょうか。冒頭で紹介した報告書によると、60歳の人の約4分の1が95歳まで生きるという試算があるそうです。また、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)で見ると、年金などの毎月の収入が約21万円に対し、生活費などの支出が約26万円と毎月の赤字額は約5万円となります。
つまり、この「5万円」の赤字額を保有する金融資産であてがうことになります。そして、前述したモデルケースの夫婦にあと30年の人生があると仮定すると、約2000万円の金融資産が必要という計算になるのです。
もちろんこれはあくまで試算結果であり、実際に「2000万円」必要であるかどうかは個人差が生じるとはいえ、「老後」や「2000万円」というワードだけをみても、あまり実感の湧かない方も多いことでしょう。

しかし、老後をはじめとした将来に向けた資産を準備しなければならないといった危機感は漠然ながらも誰もが持っているものと思います。昨今、メガバンクをはじめとした銀行預金でつく金利はほとんどゼロに等しいなか、まだまだ普及途上ではありますが、積み立てNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの活用も少しずつ浸透しており、金融商品を活用した資産運用も身近になりつつあります。
ここでは、具体的に老後に向けて2000万円を確保するためのイメージが湧きやすいように今手元にある資金と毎月の貯蓄や投資に回せる余裕資金を運用して、目標金額(2000万円)準備に必要な運用利回りを計算してみたいと思います。今回はフィデリティ証券の手がける「資産設計ツール」を活用してシミュレーションを行ってみます。

同ツールにて、現在30歳の方が65歳まで働く前提として、初回の投資資金を100万円、毎月の運用(投じる)額を3万円、運用期間を35年(30歳の方が65歳まで働く期間)に設定。これで達成すべき目標金額を2000万円に定めた場合、必要な運用利回りは概算で年2%とはじき出されました。
これを受け、概算ではありますが、この方のケースであれば年間2%の利回りのつく金融商品を継続的に持つ必要がありそうだということがわかります。もちろん、初回の投資資金を下げた場合は、毎月の運用(投じる)額も増額する必要がありますが、一般的には早期から準備しておけば無理のない金額で必要な運用利回りの確保が可能ということがわかりますね。
なお、同ツールは目標金額達成のために必要な積立額や運用利回り等のシミュレーションが可能であるほか、保有資金を毎月引き出す場合、どのくらいの期間、引き出しが可能かといったシミュレーションも可能ですので、色々と試算してみてもいいかもしれません。

前述した資産設計ツールを使用し、早期からの資産形成準備が非常に大切ということが理解できました。人生100 年時代を生き抜くためにも、2020年に入ったタイミングでご自身の将来に向けた資産準備についてじっくりと考える機会を持ってみてはいかがでしょうか。

「今からでも間に合う!将来に向けた資産運用入門」は、フィスコ所属アナリストによる独自の見解でコメントしています。


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