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日本2プラス2開催国が増加、「自由で、開かれ、包摂的で法の支配に基づいたインド・太平洋」ビジョンを共有

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日本経済新聞など複数のメディアにおいて「1月10日茂木外相は、訪問先のインドネシアでルトノ外相と会談した。外交・防衛担当閣僚会議(2プラス2)の早期開催に向けて調整することを確認した。2015年以来、2回目となる」などと報じられた。

第一回目の安全保障・防衛協力に関する共同声明では、「共に海洋国家であり、基本的価値を共有する戦略的パートナーとして、海洋安全保障分野における協力を確認し、中国の南シナ海における大規模かつ急速な埋め立て、拠点構築、軍事目的での利用等、現状を変更し緊張を高める一方的行動は、紛争当事者のみならず、国際社会共通の懸念事項であり、また、航行・上空飛行の自由といった国際社会の基本原則を確認するためASEANの中核であるインドネシアの積極的関与により、ASEANがワンボイスでメッセージを発信することが重要である」と述べられている。今回の共同記者発表でルトノ外相は、2020年内開催の意欲を示し、茂木大臣は「どういうテーマを扱うかしっかり議論したい」とした。

わが国の外交・防衛担当閣僚会合(2プラス2)は、昨年の日印会合で7カ国目であり、防衛関係者の相互訪問、セミナーの開催、共同訓練の実施やACSA(Acquisition and Cross Servicing Agreement:防衛物品役務相互提供協定)の締結などについて議論されている。

1960年にスタートした日米安全保障協議会は、1990年の米国務長官ジェームズ・ベーカー氏の提案で参加者が閣僚級会議に格上げされ、「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」や沖縄米軍基地問題などについて協議されてきた。

2007年以降では共通の価値観を持ち、地理的位置が近いオーストラリア、ロシア、フランス、イギリス、インドネシア、インド等7カ国との間で2プラス2会合を実施してきている。最近では、2017年の日英2プラス2において、『国連決議違反の北朝鮮による、洋上での違法な物資積み替えである「瀬取り」の取り締まりの抑止』について協議されている。また、2019年11月の第一回日印2プラス2においては、『ACSAの早期交渉妥結への期待、各軍種間での共同訓練実施の評価、北朝鮮による弾道ミサイル発射の避難及び国連安保理決議の完全なる履行』などが確認された。

日本はACSAを米、豪、英、加、仏各国と締結しており、署名が進めばインドが6カ国目となる。弾薬などの防衛物資の相互提供や役務の提供が可能となり、各種作戦遂行上有益な便宜等が供与し合えることなる。

かつての日英同盟は、日露戦争における日本の勝利の大きな要因の一つである。「2プラス2」は同盟関係でこそないものの、同盟に進化していく可能性を否定するものでない枠組みとなる。

2プラス2開催各国とは、「自由で、開かれ、包摂的で法の支配に基づいたインド・太平洋」とのビジョンを共有し、戦略パートナーとして安全保障分野での協力を確認している。具体的には、意見交換、情報共有、防衛交流、共同訓練およびACSA締結等による信頼性醸成の枠組みを構築し、内容の深化及び締約国の増加等により、中国や北朝鮮の脅威に備え、我が国や地域の安全確保や秩序維持のため、今後さらなる進展に期待したい。

(写真:ロイター/アフロ)

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