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日経平均は3日ぶり反発、楽観に傾いたとは言えず、業績見極め続く

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 日経平均は3日ぶり反発。109.81円高の23325.52円(出来高概算5億株)で前場の取引を終えている。

 23日の米株式市場でNYダウは6日ぶりに反発し、187ドル高となった。前の日に453ドル安と大きく下落した反動から買いが先行。引き続き新型肺炎を巡る懸念は根強かったものの、引け後に発表が予定されていたアップルや半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の決算への期待が広がった。また、1月の米消費者信頼感指数といった米経済指標の改善もあって、円相場は1ドル=109円台前半に下落。日経平均も前日までの2日間に611円ほど下落していたことから、本日は米株高や円高一服を受けて自律反発に期待した買いが先行し93円高からスタート。朝方は一時小幅な下げに転じたものの、前場中ごろにかけて上げ幅を広げ、23363.03円(147.32円高)まで上昇する場面があった。

 個別では、売買代金トップのソフトバンクG<9984>が2%超上昇し、ファーストリテ<9983>や東エレク<8035>も堅調。この3銘柄で日経平均を約64円押し上げた。ソニー<6758>、トヨタ自<7203>などは小幅高。前日に決算発表した信越化<4063>は業績の底堅さから買いが先行し、エムスリー<2413>は主力の医薬品情報サイトの順調な成長を受けて3%超の上昇。また、小野測器<6858>が大幅続伸し東証1部上昇率トップとなった。一方、任天堂<7974>が小幅に下落し、村田製<6981>などはさえない。アンリツ<6754>は次世代通信規格「5G」関連の米ザイリンクスの決算が嫌気されて4%超の下落。また、インソース<6200>などが東証1部下落率上位に顔を出した。

 セクターでは、海運業、鉱業、石油・石炭製品などが上昇率上位。半面、建設業、金属製品、ガラス・土石製品などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の43%、対して値下がり銘柄は52%となっている。

 本日の日経平均は自律反発の流れとなり、3ケタの上昇で前場を折り返した。新型肺炎の拡大懸念から続いていた米株安、円高進行がひとまず一服。さらに、春節(旧正月)の連休明けで動向が注目された香港ハンセン指数は3%安から始まったのち下げ渋っており、過度な警戒感がやや和らいだようだ。ただ、日経平均は朝方に小幅ながらマイナスへ転じる場面があり、前引け時点でも東証1部銘柄の半数以上が下落しているところを見ると、市場が楽観ムードに傾いたとは言えないだろう。円相場の下落や香港株の戻りもやや鈍く、後場の日経平均はプラス圏でもみ合う展開となりそうだ。日足チャートで23200円台後半に位置する75日移動平均線水準を維持できるかが焦点となる。

 個別株の動向を見ると、今週から発表が本格化した2019年10-12月期決算のほか、海外類似企業の決算を受けてまちまちといった状況。比較的注目度の高い信越化やエムスリーが好反応を示していることは安心感につながるが、オービック<4684>などのように材料出尽くし感から売られる銘柄もあり、ザイリンクスの決算を受けたアンリツの大幅下落は5G関連への期待感を後退させる可能性がある。村田製が朝高後下げに転じ、アップルの決算も期待以上のものだったと受け止められていないことが窺える。本日はLINE<3938>、オムロン<6645>、アドバンテス<6857>、ファナック<6954>、キヤノン<7751>などが決算発表を予定。今週末には発表の第1のピークを迎え、個別の業績動向を見極めたいとの思惑も強まりそうだ。
(小林大純)
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