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NYの視点:米国製造業は回復の兆しも新型肺炎感染が新たなリスクに

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米供給管理協会(ISM)が発表した1月ISM製造業景況指数は50.9と、予想外に昨年7月以降半年ぶりに活動の拡大を示す50を回復した。12月分は2009年6月以来の低水準から大きく回復。

今年に入って米中第1段階貿易協定が正式に成立。中国は今までの2倍となる規模の米国農産物の購入や米国産石油関連製品の購入を公約したため貿易への不透明性が後退し、企業は自信を取り戻したことが明らかになった。特に、ISMの輸出受注は2018年9月以降で最高を記録した。

ただ、今後も米国製造業が1月の拡大ペースを維持することには懐疑的な見方も少なくない。中国が実際に協定を順守し米国製品の購入を実行してくかどうか見極めたいとの企業主が大半。加えて、新型肺炎の感染拡大という新たなリスクが浮上した。2002年から2003年に蔓延した重症急性呼吸器症候群( SARS)より感染力が強いと警戒されている。短期的に中国で発生した新型肺炎の感染拡大で中国経済が停滞することにより、世界的なサプライチェーンのさらなる圧力となり、再び製造業メーカーの圧力となる可能性が懸念材料となる。

もし、新型肺炎の感染拡大による生産鈍化がさらに深刻化した場合、中国の第1四半期の国内総生産(GDP)は前四半期の6%成長から4.5%成長へ悪化する可能性をエコノミストは警告している。欧米では0.1%ポイント、成長を引き下げる可能性が指摘されている。また、新型肺炎という新たな成長リスクが一段と成長を抑制するため、第1段階貿易協定の公約を巡り中国側は米国政府に柔軟性を求めると報じられており、もし、中国による米国産品の購入が計画通りに行われなければ今後の米国の需要の低迷に繋がる。加えて、ボーイング737マックスは製造再開のめどはまだたっていない。

■1月ISM製造業景況指数

景気指数:50.9(12月47.8、7月来で最高)
新規受注:52.0(12月47.6、7月来の50を回復)
仕入れ価格:53.3(12月51.7、3月来で最高)
生産:54.3(12月44.8、4月来で最高)
受注残:45.7(12月43.3、8月来で最高)
入荷遅延:52.9(12月54.6)
在庫:48.8(12月49.2)
雇用:46.6(12月45.2)
輸出:53.3(12月47.32018年9月来で最高)
輸入:51.3(12月48.8、)

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