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NYの視点:米12月JOLT求人件数:2年ぶりの低水準で、労働市場がピークをつけた可能性も

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米労働省が発表した12月JOLT求人件数は642.3万件と11月678.7万件から増加予想に反して、減少し、2年ぶり低水準となった。企業が雇用などを含めた追加投資に依然慎重である姿勢が表明された。また、2カ月間で93.8万件の減少と過去最大を記録した。

民間部門で-332,000。求人減が目立ったのは運輸、倉庫、公共事業:-88,000、不動産関連:-34,000、教育:-34,000。

項目の中で特に、労働者の市場への自信を表明する退職者数は350万人前後でほぼ変わらず。退職率(Quits rate)も2.3%と、12月、昨年同月からほぼ変わらずで、金融危機以前の2.1%を依然上回っている。

採用者も8万人増え、採用率(Hiring rate)が3.9%と、11月3.8%、昨年3.8%から上昇しており、求人件数の減少をいくらか相殺した可能性もある。しかし、2カ月連続で100万件近くの求人件数が減少したことに警鐘を鳴らすアナリストもいる。

求人件数は22カ月連続で総失業者数590万人を上回っていることは朗報。ただ、その差は2018年3月以来で最小。米1月雇用統計の結果が強かったため、米国労働市場は依然強いとの楽観的見方が根強い。しかし、2019年通年の非農業部門雇用者数が下方修正されたほか、JOLT件数の減少で警戒感も浮上。

先に発表された1月の雇用統計は労働参加者が増え、非農業部門雇用者が予想外に20万人台の伸びを示すなどポジティブサプライズとなった。しかし、JOLT求人件数宇の結果は労働市場のスラックが依然存在している証拠ともなる。

パウエルFRB議長やFRBの高官は米国の労働市場は引き続き強いが、まだ拡大の余地があるとの見解を示している。議長はまた、下院金融サービス委員会での証言で12月末に消費のペース鈍化を指摘している。ただ、ファンダメンタルズは依然堅調だと加えた。

今後、数カ月の動向次第で、ここ数カ月の求人件数減少が一時的傾向に収まるのか、今後、解雇が増えていく可能性があるかを判断していく。

■雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善                      危機前の水準と比較
12月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(11月1.2%、昨年1.2%)  1.4%
1月失業率(Unemploynent rate):3.6%(12月3.5%)           5%
1月雇用者数(Nonfirm payrolls):+22.5万人(12月+14.7万人) +16.18万人

12月求人率(Job openings rate):4.0%(11月4.3%、昨年4.7% )    3%
12月退職率(Quits rate):2.3%(12月2.3%、昨年2.3%)       2.1%
1月広義の失業率(U-6):6.9%(12月6.7%)               8.8%
12月採用率(Hiring rate):3.9%(11月3.8%、昨年3.8%)       3.8%

◎状態が危機前より依然悪い
1月長期失業率:35.7%(12月34.6%、2019年31.1%)            19.1%
1月労働参加率:63.4%(12月63.2%)                     66.1%




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