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日経平均は続落、肺炎懸念続くがやはり底堅さも

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 日経平均は続落。123.14円安の23704.59円(出来高概算6億9000万株)で前場の取引を終えている。

 13日の米株式市場でNYダウは反落し、128ドル安となった。中国が新型肺炎の認定基準を変更したことで感染者数が大幅に増加し、感染拡大の勢いが弱まりつつあるとの楽観ムードが後退した。日本でも東京都内で感染者が確認され、神奈川県では国内初の死者が出たことから懸念が広がり、本日の日経平均は113円安からスタート。朝方には一時23603.48円(224.25円安)まで下落する場面があり、その後も軟調もみ合いが続いた。なお、オプション2月物の特別清算指数(SQ)は概算で23744.71円となっている。

 個別では、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>、トヨタ自<7203>などがさえない。決算発表銘柄では、業績予想を大幅に下方修正した日産自<7201>が9%超の下落。また、ソースネクスト<4344>、LIFULL<2120>、マイクロニクス<6871>などが東証1部下落率上位に顔を出した。一方、売買代金トップのソフトバンクG<9984>は2%近い上昇で、日経平均の下支え役となった。決算を受けて業績底打ち期待が一段と高まったSUMCO<3436>は7%の上昇。楽天<4755>やネクソン<3659>も上げが目立つ。また、ネットワン<7518>は架空循環取引の中間報告を受けて目先の不透明感が後退し、ダイトウボウ<3202>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。

 セクターでは、鉄鋼、石油・石炭製品、建設業などが下落率上位で、その他も全般軟調。情報・通信業、金属製品、電気・ガス業の3業種のみ小幅に上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の75%、対して値上がり銘柄は20%となっている。

 前場の日経平均は米株安の流れを引き継いで続落スタートし、下げ幅を200円超に広げる場面があった。新型肺炎を巡っては、中国の認定基準変更に伴う感染者数の大幅増が楽観ムードを吹き飛ばし、世界最大のモバイル関連見本市「MWC」が開催中止に追い込まれるなど経済活動への影響はなお広がっている。国内では感染者や死者が相次いで確認され、感染拡大への懸念がくすぶりそうだ。やはり収束の兆しが見えてくるまで、株式相場も上値の重い展開を強いられる可能性がある。

 反面、日経平均は短期筋とみられる売りが一巡すると、日足チャート上で23600円台に位置する25日移動平均線水準で下げ渋り、寄り付き近辺まで戻して前場を折り返した。一昨日の当欄で指摘したとおり、各国中央銀行の金融緩和的なスタンスが株価を下支えしているとみられ、本日も前引け時点の東証株価指数(TOPIX)下落率が0.62%だったことから、後場は日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ実施の思惑が出てくるだろう。新型肺炎の影響を緩和するための中国政府による景気刺激策への期待も根強いようだ。

 本稿執筆時点で為替相場は1ドル=109.80円台とさほど円高に振れておらず、アジア市場では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数がしっかり。後場は週末を控え模様眺めムードが強まりやすいところだが、前述した日銀ETF買いの思惑も加わって日経平均は底堅く推移しそうだ。

 SUMCOなどの急伸を見ると、決算を手掛かりとした個別物色はまずまず活発のようだ。本日はリクルートHD<6098>、日本郵政<6178>グループ、東芝<6502>などが決算発表を予定している。また、米国では1月の小売売上高や鉱工業生産指数の発表が予定されており、新型肺炎の影響を見極めたい。
(小林大純)
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