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新興市場見通し:肺炎懸念重いが決算通過で中小型株物色へ、3月IPOは順次BBに

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先週の新興市場では、日経平均と同様にマザーズ指数も上値が重く、800pt台半ばを中心にもみ合う展開となった。中国で新型肺炎の感染者数の増加が続き、国内でも感染者の確認が相次いだことで、拡大の勢いが鈍化しているとの楽観ムードが後退した。ただ、過度に警戒感が強まる場面もなく、再び下値を試すような動きとはならなかった。決算発表シーズン終盤とあって個別物色はまずまず活発だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.6%であったのに対して、マザーズ指数は-1.0%、日経ジャスダック平均は-1.0%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で0.3%高、Sansan<4443>が同0.2%安とマザーズ時価総額上位は高安まちまち。週末に決算発表を控えていたフリー<4478>は同7.3%高となったが、第3四半期が2ケタ減益で着地したラクス<3923>は同9.2%安となった。その他ではメドピア<6095>やユーザベース<3966>が決算を受けて売られ、グッドスピード<7676>が週間のマザーズ下落率トップだった。反面、新作ゲームへの期待が続いたAiming<3911>や好決算のAmazia<4424>、AI inside<4488>は大きく買われ、イグニス<3689>が上昇率トップとなった。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同2.1%安となり、新興市場時価総額トップの座を日本マクドナルドHD<2702>に明け渡した。ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は受注底入れとの見方から同5.6%高。決算発表銘柄ではセレスポ<9625>、リプロセル<4978>などが軟調で、エスケーエレクトロニクス<6677>が週間のジャスダック下落率トップだった。反面、中京医薬品<4558>、重松製作所<7980>、興研<7963>といったウイルス対策関連銘柄が再び買いを集め、京写<6837>なども大きく値上がりした。IPOでは、ジモティー<7082>が上場2日目に公開価格の2.3倍となる初値を付け、その後も賑わいを見せた。

今週の新興市場では、マザーズ指数は引き続きもみ合いとなりそうだ。新型肺炎に収束の兆しが見えるまで、株式相場全体として先高観が高まりにくいとみられる。ただ、足元でマザーズ売買代金はじわりと増えてきており、さらに決算発表シーズンを通過したことで大きな値幅を狙った物色が再び中小型株に向かいやすくなる。マザーズ指数は860pt近辺に位置する25日移動平均線が上値抵抗として意識される一方、これを上回れば一段の戻りを試す可能性もある。

先週末に発表された決算ではギフティ<4449>などが好感されているようだ。2019年上場組ではフリー<4478>、メドレー<4480>といったところも株価反応が注目される。フリーはまだ赤字段階だが売上高を大きく伸ばしており、ギフティとメドレーは今期、利益水準が急拡大する見通し。また、決算発表が一巡したことにより、好業績銘柄を買い直す動きも出てくるだろう。決算発表時に株価急伸したが、足元で過熱感が和らいでいる銘柄も多い。

IPO関連では、カーブスHD<7085>など3月上場案件が順次ブックビルディング(BB)期間に入っている。また、先週はミアヘルサ<7688>(3月17日、ジャスダック)など7社の新規上場が発表され、3月のIPOは現時点で18社まで増えた。ただ、公募・売出規模の大きな案件は少なく、既存の上場銘柄に対する換金売り圧力はさほど強まらないだろう。
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